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【文献検証】「全部緊急です」と言われ続けた若手リーダーが『7つの習慣』のマトリクスで救われた話

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はじめに:「全タスク最優先」という地獄

チームリーダーを任された最初の月。私のタスクボードはこうなっていました。

[ 優先度:高 ] 本番障害の調査・対応
[ 優先度:高 ] クライアントからの問い合わせ対応(至急)
[ 優先度:高 ] 今週リリースの機能開発
[ 優先度:高 ] CI/CDパイプラインの改善
[ 優先度:高 ] 既存コードのリファクタリング

全部「高」。
優先順位が存在しないタスクボードは、もはや「ボード」ではなく「絶望の壁」です。
毎朝、障害対応とSlackの問い合わせに飛びつき、午後は打ち合わせに潰され、夕方からようやくコードを書き始め、深夜に力尽きる。
本来やるべきだった「CI/CDの改善」や「リファクタリング」には一切手が回らないまま、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と過ぎていきました。
転機は、ある日先輩マネージャーに勧められた一冊の本でした。
スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』。

技術解説:アイゼンハワーマトリクス(時間管理のマトリクス)

『7つの習慣』の第3の習慣「最優先事項を優先する」で紹介されるのが、アイゼンハワーマトリクスです。
第34代アメリカ大統領アイゼンハワーが用いたとされるこのフレームワークは、全てのタスクを「緊急性」と「重要性」の2軸で4つの象限に分類します。

              │ 緊急           │ 緊急でない
─────────────┼────────────────┼─────────────────
 重要         │【第1領域】      │【第2領域】 ★
              │ 即やる          │ 計画してやる
              │ 本番障害、      │ リファクタリング、
              │ 締切直前の開発  │ スキル学習、設計改善
─────────────┼────────────────┼─────────────────
 重要でない   │【第3領域】      │【第4領域】
              │ 委任する        │ やめる
              │ 定型的な問合せ、│ 惰性の会議、
              │ 単純な事務作業  │ 目的のないSNS巡回

最も恐ろしい罠:「第1領域」だけで生きる人

私は典型的な 「第1領域の住人」 でした。
障害対応や締切直前の開発(緊急かつ重要)に常に追われ、火消しだけで1日が終わる。まさに「消防士モード」です。
しかし、コヴィーはこう喝破しています。

「第1領域のタスクが減らないのは、第2領域に投資していないからだ」
(スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』)

CI/CDの改善(第2領域)を後回しにし続けた結果、デプロイのたびに手動テストで障害が発生し(第1領域が増殖)、その火消しに追われてまたCI/CDの改善ができない──この無限ループこそが「全部緊急」の正体でした。

GTD(Getting Things Done)との合わせ技

デビッド・アレンが提唱した GTDメソッド(頭の中の「気になること」を全て外部に書き出し、次のアクションを明確にする手法)を併用すると、さらに効果的です。

  1. まず、GTDで頭の中の全タスクを漏れなく書き出す(収集)
  2. 次に、アイゼンハワーマトリクスで各タスクを4象限に仕分けする(整理)
  3. 第3領域は委任し、第4領域は削除し、第2領域に意図的に時間枠(タイムボックス)を確保する

「緊急」を減らすために「緊急でないこと」をやる逆説

私はこのマトリクスを導入した翌週、毎週金曜の午後を「第2領域タイム」としてカレンダーに予約(ブロック) しました。
この時間だけは障害対応以外の割り込みを一切受けず、リファクタリングやCI/CDの整備に充てる。
最初は「そんな余裕ないだろ」とチームに言われました。
しかし1ヶ月後、CI/CDの自動テストが整備されたことで本番障害の発生件数が半減し、第1領域のタスクが目に見えて減っていったのです。
「緊急なタスクを減らすには、緊急でない重要なタスクに投資する」。
この逆説的な真理を、『7つの習慣』は半世紀以上前から教えてくれていました。
もし今、あなたのタスクボードが「全部・高」で埋め尽くされているなら、まずは紙を4つに区切ることから始めてみてください。この無駄かと思われる時間が後々幕の内一歩のリバーブローのようにジワジワきいてきますよ。(はじめの一歩ネタ)

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