#はじめに
2021年8月にAZ-900試験に合格したので、勉強にかけた時間や勉強法、注意点などをまとめます。
私自身はAWSは触ったことあるけど、Azureは全くの素人、という状態から2週間程度の勉強で合格しました。その間は普通に業務で忙しくしていたので、実勉強時間は20時間もなかったと思います。資格取得の目的は、3大クラウドについても概要くらいは理解しておいたほうがいいだろうというものでした。
#Microsoft Azure とは
見出しが壮大すぎて、すべては語ることができないので、概要のみ記します。
Azureは、Microsoft社が提供するクラウドプラットフォームです。ちなみにAzureとは英語で青空の意味です。cloud(雲)と引っ掛けた洒落た名前が素敵です。
提供サービスの点では、AWSともかなり似ていますが、課金体系などに細かな差異があります。しかし、Azureの利点はやはりAD環境との統合かもしれないですね。
#AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)
AZ-900は、Azureの資格試験の中でも最も初歩的なレベルの試験です。上位の資格の前提となる資格ではないので、AZ-900を受けずに上位の試験を受験することも可能です。公式サイトの記載によれば、求められる能力は下記です。詳細のシラバスは後述しています。
"Azure Fundamentals 試験は、クラウドの概念、 Azure サービス、 Azure ワークロード、 Azure のセキュリティとプライバシー、 Azure の価格とサポートに関する知識を証明する機会です。受験者は、ネットワーキング、ストレージ、コンピューティング、アプリケーション サポート、アプリケーション開発の概念を含む一般的なテクノロジの概念に精通している必要があります。"
Azureを業務で使っている人よりも、今後業務で関わっていきたい人をアピールしたい人、概要をとらえておきたい人、などの入門者向きの試験といえるでしょう。
試験時間:60分
試験方式:CBT 4択・複数選択・Yes/No・用語説明紐づけなど
問題数:44問 ※1問に複数のYes/No式を含む場合がある。実質60問程度
合格点:1000点満点の700点(70%)
試験範囲:
1. cloudのコンセプトに関する説明(20〜25%) ※ここは他のクラウドを知っている人なら楽勝
2. コアAzureサービスに関する説明(15〜20%)
3. Azureのコアソリューションと管理ツールに関する説明(10〜15%)
4. 一般的なセキュリティおよびネットワークセキュリティ機能に関する説明(10〜15%)
5. ID、ガバナンス、プライバシー、およびコンプライアンス機能に関する説明(20〜25%)
6. Azureのコスト管理とService Level Agreementsに関する説明(10〜15%)
#勉強を始める前に
AZ-900は正規で試験を受けるには12500円の受験料を支払う必要があります。海外資格にはありがちですが、入門資格にしては強気な値段です。
しかし、Azureが公式で開催している無料のオンライントレーニングに参加することで、AZ-900を無料で受験することが可能です。Microsoft Azure Virtual Training Day: Azure Fundamentalsは、会社名やメールアドレスのみで無料受講可能です。月に一度くらいの頻度で開かれており、9-12時半のオンラインライブ講義が2日間行われます。講義内容自体もAZ-900の内容ですから、受験を考えている人は受講することを強くお勧めします。
受講したくても、業務が忙しくてそんな暇はないよ、という人もいるかと思いますが、オンライン講義なので、最悪ブラウザ開きっぱなしにしておくだけでも試験の無料受験権がもらえます。
#勉強法
受験料は高いものの、さすが天下のマイクロソフト。**Microsoft 公式が勉強用のコンテンツを無料開放**しています。英語を機械翻訳した感が強く、やや読みづらさは否めないのですが、各種Azureサービスの概念導入⇒ケーススタディという流れで構成されており、試験に当たっては十分な理解を得られます。
一方で、より体系だっていて、自然な日本語で勉強したいという方には参考書が販売されています。私自身はこちらも読みましたが、やや内容的には浅いように感じたので、知識の体系整理やAzureを全く知らない人向けの入口としての利用が望ましいかもしれません。
問題集を解きたければ、上記テキストにも入っていますし、Udemyでも問題集が販売されています。また、無料で問題を公開しているWebサイトもありますので、ぜひ活用してください。公式の模擬試験もあるのですが、いかんせん高いので使わないでいいかと思います。
私自身は上記ふたつの机上の勉強のみで資格に合格することができました。しかし、760点という合格点ギリギリの数字での合格でした。(AWS利用経験あり+AWS資格保有、で同じようなものでしょと各種演習を読み飛ばすなど、舐めていたとこもあります...)
AZ-900の試験では、実際のAzureの画面に関わる問題(●●な仕組みを使いたい場合、どのボタンを押すのがいい?)や、Azureを試用したことがあれば簡単に答えられるような問題(●●機能はどのメニューの配下にある?)が多数出題されます。これらは、Azureを試用していれば簡単に答えられる問題です。一方で、各種勉強サイトで出題されるような無名なサービスに関わる問題はあまり出題されませんでした。むしろ、基礎的な機能を深く理解していいるかどうかを問うてくる問題群だったように思います。私自身の反省も込めて、勉強の上では、必ず実機を使った操作をしてみることを強くお勧めします。
幸いにして、上記のMicrosoft Learn内では各所に演習が用意されており、無料でAzureリソースにアクセス可能です。これを利用しない手はありません。
また、実際に**Azure本番環境を試用したとしても30日間200ドル分は無料での利用が可能**です。ぜひ、こちらも利用しましょう。
#まとめ
- AzureはMicrosoft社が提供してるクラウド
- AZ-900はAzure入門者向けの資格。これからAzureを理解・関わっていきたい人へ。
- 無料受験権がもらえる公式オンライントレーニングの活用を。
- 勉強には公式のMicrosoft Learn。演習重視で、基礎的なサービスの深い理解を。