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サイバーセキュリティとデータプライバシー 3:150億の接続デバイスがつくる新しいリスク

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Farnell の、業界リーダーへのインタビューシリーズ「Top Tech Voices」から、サイバーセキュリティーの第一人者ヴィクトリア・べインズ氏が語った「サイバーセキュリティとデータプライバシー」を、3つの記事で紹介します。今回は最終回の第3回です。

1回目と2回目はこちら。

インタビューは英語ですが、Youtubeの日本語字幕でご覧いただくことができます。

150億の接続デバイスがつくる新しいリスクと、AIがサイバー防御を支える未来

インタビューでヴィクトリア氏が語ったのは、これからのサイバーセキュリティを考える上で避けて通れない2つのポイントでした。

  • IoTデバイスが爆発的に増え続けているという現実
  • AIがサイバー防御(Cyber Defense)の負荷を軽減し、人を守る役割を果たす未来

どちらも、私たちが日常生活で当たり前のように使っている技術と深く結びついています。

150億から290億へ拡大するIoTの世界

ヴィクトリア氏が語ったのは、IoTは「最近出てきた新技術」ではなく、すでに世界全体を覆う巨大な仕組みになっているという事実です。彼女は次のように説明しています。

  • 昨年時点で、すでに全世界に約150億の接続デバイス が存在する
  • 2030年には 約290億デバイス に増えると見込まれている
  • スマートフォンや時計だけでなく、車、医療機器、家庭用センサーまで「すべてが通信している」

この規模感は、単なる「デバイスの数が増えた」という話ではありません。これだけ数が増えると、すべてにセキュリティを入れるのは現実的にものすごく難しいという点です。IoTは1つ1つが独立して動くわけではなく、「デバイス」、「ゲートウェイ」、「クラウド」、「企業ネットワーク」と多層的につながっています。そのため、どこか一つでも弱い部分があると、攻撃者にとっての入口になるのです。水槽の温度計からカジノのネットワークに侵入された事件は、まさにその象徴です。

IoTは便利な一方で、「全体の安全性は最も弱い一点で決まる」という構造的な弱さを持っています。

IoTメーカーに求められる安全を維持する責任

こうした状況だからこそ、ヴィクトリア氏は IoTメーカー側の責任強化が必要だと語っています。特に動画で触れていた点は次の3つです。

  • 初期パスワードを禁止し、強制的に変更させる設計にすること
  • 製品のセキュリティ更新を、どれだけ継続するか明示すること
  • 脆弱性が見つかったときに届け出と対応フローを用意しておくこと

つまり、IoTメーカーは「出荷して終わり」ではなく「持続的に安全性を保つプロバイダー」に変わる必要があるということです。この流れを支えているのが、

  • 英国の PSTI法
  • EUの Cyber Resilience Act

といった新しいルールであり、ヴィクトリア氏はこれが国際的にも広がっていくと示唆していました。

人間の限界を救うCyber Defense——AIが“見張り役”になる未来

もうひとつの大きなテーマは、AIが防御に入ることで、セキュリティ担当者を救うという話です。

ヴィクトリア氏は、防御側が抱えている深刻な問題として、人の燃え尽き(バーンアウト) を挙げました。セキュリティチームは毎日、これらと戦っています。

  • 大量に上がるアラート
  • 誤検知も含めたログの確認
  • 24時間体制の監視
  • ひとつの見落としが重大事故に直結するプレッシャー

そして、彼女の言葉はとてもリアルでした。

「自分が休むと何かが壊れるのではないかという精神的負荷が大きすぎる」

そこで ヴィクトリア氏が語ったのが、AIがサイバー防御の前線で働く未来像です。AIがこれらの役割を担うというのです。

  • 大量ログを処理し、異常だけを抽出して知らせてくれる
  • 24時間365日、機械により途切れず監視できる
  • 誤検知ノイズを減らし、人間の判断の精度を高める
  • 担当者が“本当に判断すべきところ”に集中できるようになる

つまり、防御側ではAIが「力仕事」を担当し、人間が「判断と意思決定」を担う分業体制が生まれるということです。特に強調したのは、「AIがメンタル労働を肩代わりすることで、担当者の燃え尽きを防ぐ」 という点でした。
AIが人間の「負担を減らすために」存在するという考え方は、とても前向きで現実的です。

まとめ:巨大化するIoT × AIによる防御が、未来の安全を支える

未来のサイバーセキュリティは次のように変化していくと語っています。

  • IoTデバイスが150億から290億へと爆発的に増える世界
  • メーカーは製品の「継続的な安全性」を保証する役割へシフトする
  • 攻撃者はAIを使うようになるが、防御側もAIを武器にできる
  • AIが担当者の精神的負荷を軽減し、Cyber Defense の礎になる

そして ヴィクトリア氏が最後に語ったように、AIは脅威であると同時に、人を守るための味方にもなる存在です。IoTが広がり続ける未来を恐れる必要はありません。AIがその裏で、静かに、確実に、私たちの安全を支えていく世界が始まりつつあるのです。


このエピソードが語られた動画について

  • スピーカー:ヴィクトリア・べインズ(Victoria Baines)FBCS教授、オンラインの信頼性、安全性、サイバーセキュリティ分野の第一人者
  • 案内役:ジョージア・ルイス・アンダーソン、AIコンテンツとプロンプト工学ストラテジスト

この記事は、動画の内容を抜粋して記事化しています。動画からの抜粋にAIを使用しています。

Farnellについて
2,000社を超えるメーカーの100万点を超える電子部品を、1個からeコマースで販売し、2-4日でお手元にお届けしています。
jp.farnell.com

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