Farnell の、業界リーダーへのインタビューシリーズ「Top Tech Voices」から、バイエルン応用科学大学のデジタルサイエンス、オートメーション、リーダーシップの教授ドミニク・ボゼル氏が語った「ロボット工学とIoTの未来」を、3つの記事で紹介します。
インタビューは英語ですが、Youtubeの日本語字幕でご覧にいただくことができます。
完璧じゃなくてもいい。複数の「そこそこ」が未来をつくる
「高性能なセンサーがなければ、自動運転は実現できない」そんな常識が、今、静かに覆されつつあります。ロボティクスと人間拡張の専門家であるドミニク・ボゼル氏は、最新の技術トレンドとして「センサーの組み合わせ(Sensor Fusion)」の重要性を語ります。それは、「完璧な1つ」よりも、「そこそこな複数」の組み合わせが未来をつくるという考え方です。
人間の腕は不正確。でも、正確に動ける理由
ボゼル氏は、人間の腕を例にこう説明します。
「人間の腕は、構造的には不正確です。でも、視覚・触覚・筋肉・骨など、複数の感覚と構造が組み合わさることで、正確な動作が可能になるんです。」
この考え方は、ロボティクスや自動運転にも応用されています。1つの高性能センサーに頼るのではなく、複数の低コストセンサーを組み合わせることで、精度を補うというアプローチです。
自動運転も「カメラの組み合わせ」で実現へ
たとえば、自動運転車では、以前はLiDARなどの高価な3Dセンサーが必須とされていました。しかし現在では、複数のカメラを異なる角度から配置することで、3D空間を把握する技術が登場しています。状況に合わせて作るのではなく、特定の目的に合わせて最適化する。完璧ではなくても、組み合わせでギャップを埋めることができる。このように、「そこそこ」なセンサーやAIでも、うまく組み合わせれば「十分に使える」技術になるのです。
トレードオフを受け入れることで広がる可能性
もちろん、すべての状況に適用できるわけではありません。精度を犠牲にしてコストを下げるのか、汎用性を高める代わりに専門性を失うのか—技術には常にトレードオフが存在します。しかし、ボゼル氏はこう語ります。
「完璧なセンサーや完璧なAIがなくても、複数の「そこそこ」を組み合わせることで、未来をつくることができる。」
この考え方は、技術の民主化にもつながります。高価な機器に頼らずとも、より多くの人や企業がロボティクスや自動化技術を活用できるようになるのです。
第1回と第2回の記事はこちら。
この記事の元となった、インタビューは動画はこちら。
このエピソードが語られた動画について
- スピーカー:ドミニク・ボゼル(バイエルン応用科学大学のデジタルサイエンス、オートメーション、リーダーシップの教授)
- 案内役:ジョージア・ルイス・アンダーソン(AIコンテンツとプロンプト工学ストラテジスト)
この記事は、動画の内容を抜粋して記事化しています。動画からの文字起こしにAIを使用しています。