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Qiitaに思うことなど

Last updated at Posted at 2015-11-17

Qiitaにここ半年ほど持っていた雑感を吐露する雑文。Qiitaに満足している人は読む必要なし。

日頃よく使わせてもらっておいてこんなことを言うのも申し訳ないが、個人的にQiitaはチラシサイトだと思っている。

その時々の最新情報を発信し伝播させるためのサービス。用が済んだ情報は打ち捨てられる。ノウハウの蓄積ではない。ブログの延長のようなサービスだ。しかしQiitaはこれをナレッジベースとして使ってもらいたいらしい。無理だと思う。

Qiitaがナレッジベースになるには欠けているものがある。コンテンツの更新能力とコンテンツの評価機能だ。Qiitaを使っていて一番嫌なのは2年も3年も前の古いチラシが上がってきて、しかもそれが今現在有効なのかわからないことだ。Qiitaにはコンテンツの今の価値を示す、コンテンツの更新機能も評価機能もない(ストックが評価指標として有用でないことは以前にも指摘があったはずだ)。

正確には第三者によるコンテンツのアップデートとアクセス時点でのリアルタイム評価というナレッジベースに必要な利用形態をユーザーのメンタルモデルとして構築する機能と設計がない。当然文化など望むべくもない。

もともとQiita自身がブログや情報発信といった刹那的で成長を前提としない形態の情報を扱うデザインとなっているのだからユーザーもそのような記事を書くし、読者もそれをアップデートしていったり陳腐化して用を成さなくなったことをこれから読む人に伝えようとしたりもしない(これは目立つことを恐れる日本人の気質とそのようにさせた日本の文化のせいでもあるが)。Q&Aでも特定の技術的詳細に焦点を絞ったものでもない(技術的焦点が絞られていれば焦点の陳腐化とそれを扱った情報の陳腐化が同期するので不必要に人の目に触れることもない)、育てていくことを意識してブラッシュアップされていない記事を成長させていけというほうが無理な相談だ。この点フロントランナーたる技術者の書いたチラシはチラシとして死ぬべき時期が設定されておりさすがというべきか。

Qiitaもいい加減この問題に取り組み始めたと見え、最近1年以上更新のない記事に注意書きがでるようになったが、まるで意味がない。個々の機能を場当たり的に放り込んでも生態系の一部となってシナジーを生むものでなければ余計な手間が増えて使いにくくなるだけだ。そして仮にユーザーが自発的に奮起して記事のアップデートに積極的に取り組んだとしてもサービスの設計とのミスマッチに飲み込まれてやがて消える。戦術的成功で戦略的失敗を回復させることはできないの格言どおりである。

Qiitaがナレッジベースを指向しながら自身をユーザーにナレッジベースの利用者としてのメンタルモデルを構築するサービスに刷新できなければ年々増えていくチラシの山にいずれ押し潰されて消えるだろう。Googleのやり手エンジニアがアイデアを引っさげてやってきたそうだがQiitaはどう変わるのだろうか。


余談1:失敗したサービスは優れた機能まで無に帰す一方、逆に優れた機能だけを切り出して優れたサービスにすることはできるようで、そうしたベンチャーだかスタートアップだかの成功例もあるようだ。

余談2:Qiitaの1年以上更新のない記事の注意書きはなんら利用モデルのない、ユーザーを困惑させるだけの機能である。そしてユーザーが涙ぐましく更新したとしても設計の欠陥は覆せない不幸の機能である。


追記:対案を出せという論調をよく見る昨今なので一応対案も出しておく。

A. ナレッジベースの追求

StackOverflowの機能をかいつまんで取り込むだけで日本語版StackOverflow以上の地位は確保できると思う。
同種のナレッジベースである必要はない。
サービス、コンテンツとコミュニティの連続性の維持に配慮が必要。

B. パブリックブログとしての改善

古いチラシをうまく隠すだけでサービスの維持はできると思う。
取れるターゲットは取り尽くした感があるので他の商品やサービスで多角展開しないとこれ以上の躍進はなさそう。
ブログ中心に方針を転換すれば別の道もあるだろうか。

C. 革新的打開策

見当もつかない。

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