前書き
AI を学び始めたこの数日、ふと気づいた——AI の訓練というのは、もはや「環境構築という名の RPG」とほとんど変わらない、と。
まず拠点となるマシンが要る。そこへレシピ通りに素材を放り込み、火を入れる。ビルドが通るか否かは、たいてい最後の最後——処理が終わって(プログレスバーが走り切って)はじめて分かる。むろん途中で爆死する(エラーを吐く)こともある。
途中のパラメータ調整、その設定ときたら、もう完全に「勘ゲー」だ。当てになる攻略情報などなく、何度も全滅を重ねた果てに、ようやく体でわずかな法則を覚えていくしかない。
理由はおおよそ分かる。が、実のところ分からない。おおよそ分かるのは、全体が因果でできている(=科学)から。分からないのは、処理が回っている最中、こちらは箱の中を覗けない(=ブラックボックス)から。
これほどテクノロジーにまみれた営みが、どこか「お祈りデプロイ」じみた験担ぎ(げんかつぎ)に行き着く——なんとも言いようのない可笑しみがある。そして環境構築は、いつしか恐ろしく敷居の高い営みと化した。「廃人になれる」と気づくところから、構築が要ると知り、マシンを組み、依存関係を覚え、ドライバとカーネルの相性を占い、そしてようやく火を入れてビルドを回すところまで。
AI を学ぶのは、もはや二束三文の中古 PC 一台で片づく話ではなくなった。知識の蓄えの面でも、財布の面でも、もはや——はがねのつるぎ一本を引っさげて旅に出られた、あの牧歌的な時代ではないのだ。
かつては坂をゆっくり登ればよかった。いまは坂を登る前に、まずロッククライミングが要る。しかも背負った荷は、日に日に重くなっていく。
廃課金の時代が来た。世界は急速に、課金勢と無課金勢へと分かれていく……
さて、本題に入ろう。
前提条件
本稿は「マシンがあり、かつそのマシンがすでに動いている」ことを前提とする。手記を記している時点で、拠点はすでに組み上がっているからだ。細かいチューニングこそまだ詰めていないが(詰めようとしたら環境ごと吹き飛んだので、ひとまず諦めた)、最初の成果物——とりあえず動くだけの代物——はもう吐き出された。
ゼロからそこに辿り着くまでをどう乗り越えたか、いまさら振り返る、あるいは反省会を開くのは、もう不可能だ。なにせ心臓部のあの火種(=ドライバ)を、自分でもどう点けたのか分からない。とにかく点いた。まあ、そんなところだ。
マシン本体
本体は Ubuntu 24 Server、Kernel 6.14 oem、nvidia-580、そして docker の ComfyUI を基盤とする。
注意すべきは、OS のインストールにはキーボード(有線の)が要るということ。なければ、涙を呑んで寝るしかない。
nvidia-580 のドライバは Kernel 6.8 と互換性がないので、カーネルを上げる必要がある。ときに nvidia-580 でもうまくいかず、nvidia-580-open を使うのも一つの選択肢だ。
カーネルを上げるには起動パラメータ GRUB を調整し、どのカーネルで起動するかを切り替える(ついでに他のカーネルを消す)。
むろん、すべてインストールしたのにデバイスが現れない、ということもある。そのときは電源を抜いての強制リセットも一つの手だ。AMD のマザーボードなら、電源を抜き、残った電気を抜き切る——一度すべて捨てて、やり直す。
docker での PyTorch インストールは鬼門だ。あまりに尖ったドライバのせいで、docker の中で何度も force-reinstall を迫られることになる。cu124 と非互換になることもあるので、cu128 を強引にねじ込む。
580 を動かすには sm_120 のサポートが要る。通らなければ、夜も眠れぬ。この一歩こそ天王山——通れば最強マシン、ダメなら高級ゲーム機に成り下がる。
pip install --pre PyTorch torchvision torchaudio \
--index-url https://download.pytorch.org/whl/nightly/cu128 \
--force-reinstall
ちょっと確認してみる。
python3 -c "import torch; print(f'Supported Archs: {torch.cuda.get_arch_list()}')
"IP を固定しておくのは良い手だ。ComfyUI を開くとき、何かと楽になる。
ここまで来れば——準備完了、いざ出陣!目標
目標
1・HP 回復ポーション:
破産したら HP を回復せねば。5〜10 分の手動動画生成フロー。
目標 2・
脳筋ビルド:ゴリ押しは奇跡を起こす。設定可能な、工業化された動画生成フロー。
後書き世界のルールは、かくも率直に人間の本質を指し示す。物を言うのは秘術ではない、課金だ。
推しの一枚で景気づけして、俺は——必ずやり遂げる!
免責事項
筆者は基礎なしの初心者、内容は低品質、しかも汎用性に欠ける。参考はくれぐれも慎重に。
本稿はこの先かなり退屈だ。だいたい「毒を二さじ盛ったら、なぜか顔色つやつや」——その手の中身である。
2026-02-16