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Microsoft Fabric ミラーリング機能でオンプレ SQL Server を OneLake にレプリケートしてみる(構成・接続設定・実践ノート)

Last updated at Posted at 2025-12-08

はじめに

Microsoft Fabric(以下 Fabric)では、オンプレミスの SQL Server から ほぼリアルタイムにデータをレプリケーション できる「Mirrored SQL Server Database(ミラーリング)」機能が提供されています。

これにより、

  • 既存アプリケーションはそのままオンプレ SQL Server を使い続ける
  • 分析・BI・AI だけを Fabric(クラウド)側に寄せていく

という ハイブリッドな構成 を比較的シンプルに実現できます。

なお、Microsoftの以下の動画も詳細アーキテクチャとデモをご参照ください。
https://www.youtube.com/embed/BtE1t9E--zo

本記事の内容は 2025 年 12 月時点の情報に基づいており、今後のアップデートで仕様が変わる可能性があります。

全体アーキテクチャのイメージ

想定シナリオ図
image.png

なお、Microsoft 公式では以下のようなミラーリングのアーキテクチャを記載されています。
image.png

ミラーリングとは

Fabric における「ミラーリング」は、外部データベースの更新内容を OneLake 上のミラー用データベースに継続的にレプリケーションする仕組み です。

ミラーリングにはいくつか種類がありますが、本記事で扱うのは:

  • SQL Server からのデータベース ミラーリング
    • オンプレ/IaaS 上の SQL Server データベース → Fabric OneLake(Delta テーブル)を継続的に同期する機能

ミラーリングを設定すると、Fabric ワークスペースには次の 2 つアイテムが作成さります。

  1. Mirrored database (ミラー化されたデータベース) アイテム
    • OneLake 上に Parquet/Delta 形式でデータを保持
  2. SQL analytics endpoint
    • 読み取り専用の SQL エンドポイント
    • T-SQL でクエリ可能 & Power BI や他の Fabric ワークロードから利用可能

従来の「ETL パイプラインを自前で作る」構成と比べて、

“Zero-ETL に近い形” で、既存 SQL Server 資産を Fabric に参加させる

ことができるのがポイントです。


前提条件・対応バージョン

SQL Server 側

公式ドキュメントでは、ミラーリングの対象となる SQL Server のバージョンが明記されています。

  • SQL Server 2016 ~ 2022
    • Windows 版(Standard / Enterprise / Developer)
    • 一部 Linux 版(CU などの条件あり)
  • SQL Server 2025
    • オンプレミス インスタンスでサポート
    • Linux 版は現時点では未サポート、Azure VM 上の一部シナリオも制限あり

また、以下の条件も必要なので、公式ページから確認してください。

Fabric 側

  • Fabric 容量(F シリーズなど)を保有しているこ
  • 対象ワークスペースの メンバー / 管理者ロール を持つアカウント(Mirrored DB 作成に必要)

ネットワーク・データゲートウェイ

オンプレ SQL Server は通常、社内ネットワークやファイアウォール内にあります。そのため Fabric から直接は見えません。そこで登場するのが オンプレミス データ ゲートウェイ です。

  • ゲートウェイは オンプレ側の Windows マシンにインストールするソフトウェア
  • ゲートウェイ → Microsoft クラウド への アウトバウンド通信 のみで接続(外部からポートを開ける必要はない)


制限事項(ざっくり)

SQL Server のミラーリングには、いくつかの制限や注意点があります。詳細は必ず公式ドキュメントを確認してください。代表的なポイントだけ挙げると:

  • 全てのテーブルが対象になるわけではない(主キー必須、特定の型や機能に制限あり)
  • 一部のメタデータやオブジェクト(ビュー、一時テーブル等)はレプリケーション対象外
  • SQL analytics endpoint は読み取り専用
    • ここから INSERT/UPDATE/DELETE してもソース側には反映されない
  • ソース側の RLS、Dynamic Data Masking などの細かいセキュリティ設定は
    • Fabric 側で改めて設定し直す必要がある

それでは、各手順について以下のとおり確認しておきます。↓


ステップ1:オンプレミス データ ゲートウェイをインストール

1-1. ゲートウェイをダウンロード

オンプレミスの SQL Server と Microsoft Fabric(Power BI など)をつなぐために、
On-premises data gateway をダウンロードしてインストールします。

公式ダウンロードはこちら:

インストール先のマシンは、次のいずれかの構成が推奨です。

  • SQL Server と 同一サーバー
  • または、SQL Server に TCP 接続できる 同じネットワーク上の別サーバー

いずれの場合も、

  • 常時起動していること(スリープしない)
  • インターネットへ アウトバウンド通信(HTTPS) ができること

を前提とします。

1-2. インストールと登録

インストーラを実行し、セットアップウィザードに従って進めます。

  1. Fabric / Power BI と同じテナントのアカウントでサインイン
  2. ゲートウェイの種類は 標準モード を選択
  3. ゲートウェイの名前を付ける(例:OPDG-SQL01
  4. 復旧キー(Recovery key)を設定し、安全な場所に保存しておく
    (将来の移行・復旧時に必要になります)
    image.png

インストール完了後は、Fabric / Power BI のポータル側で状態を確認します。

  1. Power BI / Fabric ポータルにサインイン

  2. 「設定」 → 「接続とゲートウェイの管理」を開く
    image.png

  3. 先ほど登録したゲートウェイが オンライン になっていることを確認
    image.png

ゲートウェイの仕組みやアーキテクチャの詳細は、以下を参照すると理解しやすいです。


ステップ2:SQL Server との接続を作成

2-1. オンプレ SQL Server との接続情報を設定する

  1. Fabric(または Power BI サービス)のポータルで
    右上の歯車アイコン → 「接続とゲートウェイの管理」「接続」タブ「+新規」 をクリックします。
    image.png

  2. オンプレミス データ ゲートウェイ経由で SQL Server に接続するための情報を入力します。

    • ゲートウェイ クラスター名
      ステップ1で登録したゲートウェイ(例:OPDG-SQL01)を選択します。
    • 接続名
      Fabric からオンプレ SQL Server への接続名です。あとで見ても分かりやすい名前にします。
      例)Connect-SQL2022-SalesDbConnect-<接続先SQLサーバー>-<接続DB名>
    • 接続の種類
      SQL Server を選択します。
    • サーバー
      対象の SQL Server のインスタンス名または FQDN を指定します。
      例)SQLSERVER01SQLSERVER01.mycorp.local
    • データベース
      接続したいデータベース名を指定します(例:SalesDb)。
      image.png
  3. 認証・プライバシーレベルを設定します。

    • 認証方法
      ここではシンプルさを優先して 「基本 (Basic)」 を選び、
      事前に SQL Server 側で作成した SQL 認証ユーザー(例:fabric_login)を指定します。
    • ユーザー名とパスワード
      SQL Server で作成したログイン情報を入力します。
    • プライバシー レベル
      今回のチュートリアルでは 「組織」 を選択します
      (同じ社内データとして扱う想定のため)。
      image.png
  4. 必要な項目をすべて入力したら、画面下部の 「作成」 をクリックします。

    • 接続テストに成功すると、以下のようなメッセージが表示されます。
      image.png
  5. 一覧画面に戻り、作成した接続が オンライン になっていることを確認します。

    • 状態が「オンライン」と表示されていれば、Fabric から
      オンプレ SQL Server への接続がゲートウェイ経由で正しく確立されています。
      image.png

SQL Server への接続では、事前にログインおよびデータベース ユーザーの作成が必要になります。
具体的な T-SQL の例や必要な権限については、以下の Microsoft 公開ドキュメントを参考に準備してください。

SQL Server ミラーリング用のログインとユーザーを構成する


ステップ3:Fabric で Mirrored SQL Server database を作成

ここからは Fabric ポータル上での操作 になります。

参考ドキュメント:

3-1. Mirrored database アイテムの作成

  1. Fabric ポータル(例:https://app.fabric.microsoft.com)にアクセスします。

  2. 対象のワークスペースを開きます。

  3. 左上の 「+ 新規」(Create) をクリックします。

  4. 一覧の中から 「Mirrored SQL Server database」 を選択します。
    image.png

  5. ミラーリングの設定画面で、ステップ2で作成した SQL Server への接続 を下部の一覧(接続/データソース)から選択します。
    image.png

    もしくは、 新しいソースの SQL Server データベースの接続情報を設定する、といった方法でもできます。↓
    image.png

  6. オンプレ SQL Server 側のテーブル一覧が表示されるので、ミラーリング対象としたいテーブル を選択し、右下の 「接続」 をクリックします。
    また、必要に応じて画面下部のオプション
    「今後ソースに追加される新しいテーブルも自動的にミラー化する」(「新しいテーブルを自動的にレプリケート」等の表記)
    を有効にしておくと、後から追加されたテーブルも自動でコピー先にレプリケートされます。
    image.png

  7. 最後に、作成する ミラー化 SQL Server データベースの名前 を入力し(例:SalesDB_Mirror)、画面右下の 「ミラー化されたデータベースを作成する」 をクリックします。
    image.png

    クリック後、初回のフル レプリケーション処理が自動的に開始され、状態が「レプリケート中」と表示されます。
    image.png

    データベースのサイズやネットワーク状況によって時間がかかる場合があるため、レプリケーション処理が完了するまで待ちます
    完了すると状態が「正常」や「実行中(Running)」などに変わります。
    image.png

  8. ミラーリングが完了すると、ワークスペースにミラー化されたデータベース アイテムが追加されていることを確認できます。
    image.png

    該当のミラー化 DB アイテムをクリックし、レプリケーションの状態が「正常」になっているか、エラーが発生していないかを確認します。
    image.png


ステップ4:ミラーリングの状態と SQL analytics endpoint を確認

ミラーリングが動き始めると、Fabric ワークスペースには次の 2 つのアイテムが表示されます。

  • SalesDb_Mirror(Mirrored database アイテム)
  • SalesDb_Mirror (SQL analytics endpoint) のような SQL analytics endpoint アイテム
    image.png

SQL analytics endpoint についての公式説明は以下が参考になります。

ここでは、最低限の確認ポイント をいくつか紹介します。

4-1. ワークスペース上での状態確認

  1. Fabric ポータルで対象ワークスペースを開きます。
  2. SalesDb_Mirror(Mirrored database)と
    SalesDb_Mirror (SQL analytics endpoint) の 2 つが表示されていることを確認します。
  3. SalesDb_Mirror のステータス列が 「正常」 または 「実行中(Running)」 になっていることを確認します。
    • ここがエラーになっている場合は、レプリケーションに失敗している可能性があります。

4-2. SQL analytics endpoint からデータを確認する

  1. SalesDb_Mirror (SQL analytics endpoint) アイテムをクリックして開きます。

  2. 上部メニューから 「新しい SQL クエリ」 を選択し、クエリエディタを開きます。

  3. ミラー対象にしたテーブルの 1 つ(例:dbo.DimCustomer)に対して、簡単な SELECT を実行します。
    image.png

  4. 結果にオンプレ SQL Server 側のデータが表示されれば、
    ミラーリングと SQL analytics endpoint の動作が確認できた ことになります。

ℹ️ 補足(読み取り専用であることの確認)
SQL analytics endpoint は 読み取り専用 です。
試しに INSERT や UPDATE を実行すると、「データ操作ステートメントは許可されていません」といったエラーになります。

4-3. 接続元の SQL Server で行を追加し、ミラー化 DB 側で反映を確認する

  1. まず、オンプレ側の SQL Server で対象テーブルに対して INSERT を実行し、新しい行を追加します。
    (例として SSMS から実行)
    image.png

  2. オンプレ側の SQL Server で SELECT を実行し、対象テーブルに新しい行が追加されていること を確認します。
    image.png

  3. 次に、Fabric 側のミラー化 DB で同じテーブルを開き、最新のデータにレプリケートされているか を確認します。
    (テーブル プレビュー画面やデータ グリッドで、先ほど追加した行が見えることを確認)
    image.png

  4. さらに、SQL analytics endpoint を開き、同じテーブルに対して SELECT を実行して、
    追加した行が クエリ結果にも反映されていること を確認します。
    image.png
    このように、オンプレ SQL Server での変更が、ミラー化 DB および SQL analytics endpoint に反映されていれば、ミラーリングが正しく動作していることを確認できます。


(!! ここから応用編 !!)

ステップ5:ミラー済みデータの応用編

(セマンティックモデル/Lakehouse ショートカット連携)

ここからは 応用編 として、

  • ミラー化したデータを セマンティックモデル(Power BI) として利用する方法
  • ミラー化したデータを Lakehouse のショートカット として利用する方法

の 2 パターンを紹介します。

セマンティックモデル関連

Lakehouse ショートカット関連


5-1. ミラー化したデータをセマンティックモデルとして利用する

シナリオ例

  • オンプレ SQL Server 上の販売データ(SalesDb)をミラー化する
  • SalesDb_MirrorSQL analytics endpoint を使って
    Power BI レポート用の セマンティックモデル を作成する

このときの全体フローは次のようになります。

オンプレ SQL Server のデータ
    ↓ (ミラーリング)
OneLake 上の SalesDb_Mirror(Mirrored database)
    ↓ (SQL analytics endpoint)
Power BI セマンティックモデル化
    ↓
Power BI レポート/ダッシュボード

想定シナリオ図
image.png

5-1-1. Fabric ポータルからセマンティックモデルの作成と接続

  1. Fabric ポータルでワークスペースを開く

    • 対象のワークスペースを開き、
      SalesDb_MirrorSalesDb_Mirror (SQL analytics endpoint) が表示されていることを確認します。
  2. SQL analytics endpoint アイテムを開く

    • SalesDb_Mirror (SQL analytics endpoint) をクリックして開きます。
  3. 新しいセマンティックモデルを作成する

    • 画面上部のメニューから
      「新しいセマンティック モデル」
    • ※ UI の表記は Fabric のアップデートにより変わる場合があります。
      image.png
  4. ダイアログで各項目を設定する

    • セマンティックモデル名

      • 例:SalesDb_SemanticModel
    • 含めるテーブル

      • レポートで使用するテーブルにチェックを入れます。
        例:dbo.Ordersdbo.Customersdbo.Products など
    • 保存先ワークスペース

      • 通常は現在と同じワークスペースを選択します。
        image.png
  5. 作成を実行する

    • 「確認」や「作成」ボタンをクリックすると、
      セマンティックモデルがワークスペース内に作成されます。
      image.png
  6. すぐにレポートを作成して確認する

    • 作成直後に表示される 「レポートを作成」 ボタンをクリックします。
      image.png

    • Power BI レポート作成画面が開くので、フィールド ペインから OrdersCustomers をドラッグ&ドロップして、
      テーブル・棒グラフ・折れ線グラフなどの可視化を作成し、
      データが正しく表示されているか 確認します。
      image.png


5-1-2. PBI Desktop からセマンティックモデルの作成と接続

より高度なモデリング(複雑なメジャー、計算列、詳細なリレーション設計など)を行いたい場合は、
Power BI Desktop から SQL analytics endpoint に接続し、

  • Import
  • DirectQuery
  • Direct Lake(条件が揃う場合)

といったモードでセマンティックモデルを構築することもできます。

手順

  1. Power BI Desktop を起動してサインイン

  2. データ取得を開始する

    • メニューの 「データを取得」 から、環境に応じたコネクタを選択します。
      例:
      • 「OneLake」
      • 「SQL Server データベース」
      • 「Microsoft Fabric」コネクタ など
  3. データソースとして Warehouse や SQL analytics endpoint を指定する

    • Fabric ポータル側で表示されている SalesDb_Mirror の SQL analytics endpoint を選択します。
    • OneLake カタログから選択する UI になっている場合もあります。
      image.png
      このようにエラーがでてきたら、一旦 Cancel をクリックする。
      image.png
      該当ものを選択して、接続する。
      image.png
      接続処理が実行される。
      image.png
      対象テーブルを選択する。
      image.png
  4. ストレージモードを選択する
    接続時に Import / DirectQuery(環境によっては Direct Lake)の選択肢が表示されるので、要件に応じて選びます。

    • Import
      パフォーマンス重視。データを Power BI 側に取り込み、定期的に更新するパターン。

    • DirectQuery
      リアルタイム性重視。クエリのたびに SQL analytics endpoint にアクセスするパターン。

    • Direct Lake
      Fabric 特有のモード。条件を満たすと OneLake 上のデータに対して高速アクセスが可能。

      image.png

  5. テーブル選択とモデリングを行う

    • 使用するテーブル(OrdersCustomersProducts など)を選択します。
    • モデルビューでテーブル間のリレーションを設定します。
    • 必要に応じて、DAX を使ってメジャーや計算列を追加します。
      image.png
  6. レポート作成&発行

    • レポートが完成したら、メニューの 「発行」 をクリックし、
      Fabric の対象ワークスペースに発行します。
    • 発行後は、Fabric / Power BI サービス側でレポートを閲覧・共有できます。
      image.png
      image.png
      発行先のワークスペースにレポートが作成されたことを確認する。
      image.png

5-2. Lakehouse にミラー化した DB をショートカットとして作成する

シナリオ例

ミラー化された SalesDb_Mirror(Mirrored SQL Server database)を、
同じワークスペース内の Lakehouse(例:SalesLakehouse)から ショートカット(Shortcut) として参照し、
Lakehouse の他テーブルと一緒に分析・加工したいケースを想定します。

ショートカットを使うと、データをコピーせずに OneLake 上の既存データにリンクできるため、ストレージの重複を避けつつ、Lakehouse 側から一元的に扱えるようになります。

ショートカットの基本は、以下のドキュメントが参考になります。


手順:Lakehouse に Mirrored DB のショートカットを作成する

1. Lakehouse を作成し、設定する

  1. Fabric ポータルで対象ワークスペースを開き、Lakehouse(例:SalesLakehouse)を作成します。
    image.png
    image.png

  2. ショートカットを追加したい Lakehouse(例:SalesLakehouse)をクリックして開きます。

  3. 左側のメニューから 「テーブル」 を選択します。


2. ショートカット作成メニューを開く

  1. 「テーブル」画面の上部にある 「新しいテーブル」 または メニューから
    「ショートカットの追加」Add shortcut / New shortcut 等)をクリックします。
    image.png
  2. ショートカットの種類を選択する画面が表示されます。
    image.png

ショートカットの種類やサポートされるソースについては、公式ドキュメントの
Lakehouse でショートカットを作成する」が詳しいです。


3. データソースとして Mirrored SQL Server database を選択する

  1. ショートカットの作成画面で、「OneLake」 または 「Fabric アイテム」 に相当する項目を選択します。

  2. 同じワークスペース、またはテナント内の OneLake カタログから、
    ソースとして SalesDb_Mirror(Mirrored SQL Server database) を選択します。
    image.png

  3. SalesDb_Mirror 内のテーブル一覧が表示されたら、ショートカットを作成したいテーブルを選択します。

    • 例:dbo.DimCustomerdbo.FactSales など
      image.png

4. ショートカット名や配置を設定する

  1. ショートカット名 を入力します。

    • 例)元テーブル名と合わせる:DimCustomer
    • あるいは、出所が分かるように:DimCustomer_Mirrored など
      image.png
  2. 配置先フォルダー を指定します(必要に応じて)。

    • 例)Tables 配下に配置する、サブフォルダーを切るなど

設定内容を確認したら 「作成」 ボタンを押してショートカットを作成します。


5. Lakehouse 側でショートカットを確認する

  1. SalesLakehouse の「テーブル」ビューに戻ると、
    先ほど作成したショートカット テーブルが一覧に表示されます。
  2. テーブルをクリックしてプレビューを表示し、
    行データが SalesDb_Mirror 側の内容と一致しているか確認します。
    image.png
    SQL 分析エンドポイントで Select 文などでクエリの結果を確認します。
    image.png

ショートカットは リンク元のデータをそのまま参照する仕組み なので、
元の Mirrored DB 側の更新が反映される形で Lakehouse からも参照できます。


6. ショートカットと他テーブルの統合利用

ショートカットを作成すると、Lakehouse 側からは

  • 通常の Delta テーブル
  • Mirrored DB へのショートカット テーブル

を同じ「テーブル」一覧から扱えるようになります。

これにより、次のようなことが可能になります。

  • Notebook(Spark)から、ショートカットテーブルと他の Lakehouse テーブルを JOIN
  • Lakehouse の SQL エンドポイントから、ショートカットとローカルテーブルをまとめてクエリ
  • Data Science / Data Engineering ワークロードで、ミラー化データを直接特徴量や集計に利用

コピーではなくショートカットで参照することで、

  • データの二重管理を避けつつ
  • Mirrored DB を Lakehouse の一部のように扱える

というメリットがあります。

より詳細な使い方や制約事項については、以下のドキュメントの
「制限事項」や「サポートされるソース」の章もあわせて確認しておくと安心です。


【※補足】CDC (Change Data Capture) の動きの確認

Fabric の SQL Server ミラーリングでは、差分の検出に
SQL Server の CDC(Change Data Capture) 機能が内部的に利用されています。
ミラーリングを有効にすると、対象データベースに対して CDC が自動的に構成され、
System Tables 配下に cdc スキーマのテーブルが追加されます。

1. ミラーリング直後の状態(Before)

ミラーリング設定を行った直後、アプリケーションからはまだ新しいデータを追加していない段階で、
データベースを SSMS で確認すると、次のように CDC 用のシステムテーブル が作成されていることが分かります。

  • cdc.change_tables
  • cdc.captured_columns
  • 各テーブルごとの変更履歴テーブル
    例)cdc.dbo_DimCustomer_CTcdc.dbo_DimProduct_CTcdc.dbo_FactSales_CT など

(Before の画面イメージ)
image.png

この時点では、変更履歴テーブル(*_CT)の中身は空、または最小限の状態です。

2. データ変更後の状態(After)

  1. 例として、dbo.DimCustomer テーブルに INSERT 文で新しい顧客データを 1 件追加します。
  2. その後、cdc.dbo_DimCustomer_CT などの CDC テーブルを SELECT すると、
    追加した行に対応するレコードが 変更履歴として追記 されていることを確認できます。

(After の画面イメージ)
image.png

CDC の変更履歴テーブルには、次のような情報が含まれます。

  • __$start_lsn / __$end_lsn : トランザクションログ上の位置(どのトランザクションか)
  • __$operation : 操作種別
    • 2 = INSERT
    • 3 = UPDATE
    • 4 = DELETE など
  • 対象テーブルの列(CustomerKey, CustomerCode, City など)

これらの情報を基に、Fabric のミラーリングは
「どの行にどんな変更があったか」 を検出し、OneLake 側の Mirrored database を
最新状態に保つようにレプリケーションを行っています。

💡ポイント
CDC テーブルはあくまで 変更履歴管理用のシステムテーブル であり、
アプリケーションから直接更新することはありません。
ミラーリングの仕組みを理解したり、トラブルシュートを行う際に、
これらの CDC テーブルを参照してみると動きがイメージしやすくなります。


まとめ(クロージング)

この記事では、オンプレミスの SQL Server を Microsoft Fabric にミラーリングし、
そのデータを Fabric 上でどのように活用できるか を一通り確認しました。

ポイントを整理すると、ざっくり次の流れになります。

  • ステップ1〜4:基盤づくりと動作確認

    • オンプレミス データ ゲートウェイをインストールし、Fabric からオンプレ SQL Server へ安全に接続できるようにする
    • Mirrored SQL Server database を作成し、SQL analytics endpoint から SELECT でデータを確認する
    • オンプレ側で INSERT / UPDATE を行い、ミラー化 DB 側に変更が反映されることを確認することで、ミラーリングの動作を理解する
  • ステップ5(応用編):ミラー済みデータの使い道

    • パターン1:ミラー化したデータをもとに セマンティックモデル(Power BI) を作成し、可視化・レポートを行う
    • パターン2:同一ワークスペース内の Lakehouse に ショートカット を作成し、他の Lakehouse テーブルと統合して分析・加工する

特にミラーリングは、

「アプリケーションや業務はそのままオンプレ SQL Server を使い続けながら、
分析と可視化のレイヤーだけを Fabric 側に寄せていく」

という段階的なクラウド移行を実現しやすい仕組みです。


次の一歩のアイデア

実際の環境で試す際は、いきなり本番データベースではなく、まずは次のようなステップから始めると安全です。

  • 検証用の小さなデータベースを作成し、
    少数テーブルだけミラー化して挙動や遅延を確認する
  • セマンティックモデルを使って簡単なレポートを 1〜2 個作ってみる
  • Lakehouse にショートカットを作り、Notebook や SQL エンドポイントで
    他のテーブルと JOIN してみる

そのうえで、

  • ネットワーク制約(帯域・レイテンシ)
  • トランザクションログ/CDC の増加
  • セキュリティ(権限設計、RLS、マスキング)

などのポイントをチームで検討しながら、
徐々に本番に近い構成へステップアップしていくと、トラブルを減らしつつ導入を進めやすくなります。


この記事が、「オンプレ SQL Server × Microsoft Fabric」を検証/導入する際の
最初のハンズオン的なガイドとして、少しでも参考になれば幸いです。

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