はじめに
これまでITエンジニアとして業務外でクラウドサービスに触れてはいたものの、業務で本格的に利用をしていませんでした。
2022年になってクラウドサービスが普及する中、クラウドサービス全般について一から学ぼうと思い、資格試験を受験することにしました。
概要
この記事では、Professional Cloud Architect 試験に合格するまでの学習内容を振り返りたいと思います。
試験を受けるにあたり、Cloud Digital Leader 試験と Associate Cloud Engineer 試験を先に受験しています。
本格的に試験対策を始めたのは2022年6月くらいからでした。プロフェッショナル認定合格は2022年10月ですので、開始から合格まで約4か月かかりました。
以下のような状態から学習をスタートしています。
- GCE、VPC などで簡単なWebサーバーを立てた
- Storage、CloudSQL でのデータ保存を公式ドキュメントを見ながら実施した
- API GatewayやCloudRunなどほかのサービスはほとんど触っていない
- AWS のアソシエイト試験に合格している
Google Certified - Cloud Digital Leader
Cloud Digital Leader 試験詳細は以下
動機
なぜ先に入門レベルであるCloud Digital Leader試験を受験したのか?
業務外で少しクラウドサービスに触れていたので、決して知識的に入門レベルにも達していなかったわけではありません。プロフェッショナル認定合格を目標としていたので、先ずは一つ下の Cloud Engineer 試験から受験するつもりでいました。
理由は、たまたま試験の受験料割引キャンペーンが行われていたからです。さらに、試験の合格特典を使うと次の試験も割引となるのでよりお得ということで、Cloud Digital Leaderから受験することにしました。
準備
受験の準備として、公式から出ている教材と Coursera にて試験の準備ができる教材を利用しました。Coursera は試用の無料期間があってその間に集中して勉強をしました。そのほか、2022年6月にGoogle Cloud Skills Boost が無料で実施できるキャンペーンを行っていたので参加し、サービスの知識を得るとともにラボで手を動かして学びました。これはどちらかというと次の Cloud Engineer 試験に生かされました。
- Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーションの概要(試験内容の約 10%)
- クラウドテクノロジーがビジネスにもたらすメリットについて
- データと Google Cloud によるイノベーション(試験内容の約 30%)
- データと Google Cloud の関連について
- データと Google Cloud のAIサービスについて
- インフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション(試験の約 30%)
- Google Cloud による既存のサーバーやアプリケーションのモダナイズについて
- Google Cloud のセキュリティとオペレーションの理解(試験内容の 30%)
- Google Cloud によるセキュリティ対策や運用の考え方について
公式トレーニングとCoursera
公式トレーニングの方を後に見たのですが、ほとんど同じ内容でした。復習にはなりましたが公式トレーニングの教材で十分だと思います。
感想
2022年7月2日に合格することができました。
主要なサービスの概要は試験対策開始時点である程度分かっていたつもりでしたが、Cloud Digital Leader 試験はGCPのサービスそのものというよりも、クラウドサービスを使ってどのようなことができるのか?、どのようにデジタルトランスフォーメーションを行っていくのか?、どのようにレガシーをモダナイズしていくのか?、が主題となっています。
対策としては考え方を理解し覚えていくことですが、試験を通じて何となく分かっていたつもりな部分が明確になりました。
Google Certified Associate - Cloud Engineer
Associate - Cloud Engineer 試験詳細は以下
準備
受験の準備として、公式から出ている教材と Coursera にて試験の準備ができる教材を利用しました。まだ試用の無料期間であったため、その間に集中して勉強をしました。
2022年7月になって、Google Cloud Skills Boost のキャンペーンは終わってしまいましたが、受講した内容を見ることができたおかげで振り返りができました。
また、Udemy に模擬試験問題集があったので購入し、知識の確認を行いました。
- クラウド ソリューション環境の設定
- 組織ポリシー
- IAM/IAMロール、Identity、ユーザーアカウント
- APIの有効化
- 課金構成について(予算、課金対象、請求先アカウント など)
- クラウド ソリューションの計画と構成
- クラウド ソリューションのデプロイと実装
- デプロイ
- GCE、GKE、CloudRun、Functions、CloudSQL、ネットワーク など
- デプロイ
- クラウド ソリューションの正常な運用
- リソース管理
- GCE、GKE、CloudRun、Storage、ネットワーク など
- モニタリングとロギング
- CloudMonitoring、Cloud Logging、VPCフローログ、FWルールログ
- リソース管理
- アクセスとセキュリティの構成
- IAM、サービスアカウント
- 監査ログ
公式トレーニングとCoursera
こちらも公式トレーニングの方を後に見たのですが、ほとんど同じ内容でした。復習にはなりましたが公式トレーニングの教材を見た方が良いと思います。
詳細を調べたいサービスがあれば、公式ガイドなどを見るようにしましょう。
- 公式トレーニング - クラウドエンジニア
-
Google Cloud 認定資格の取得準備:クラウドエンジニア プロフェッショナル認定証
- 全6コースを学ぶことができ、Cloud Engineer 試験の範囲を学ぶことができました
-
Google Cloud Fundamentals for AWS
- 先にAWS試験を受験していたので、AWSとの違いを学べるこのコースは良かったです
Udemy
公式トレーニングを一通り終えた後、模擬試験問題集を解きました。
4回とも9割を超えるまでしっかり解いていました。すべて7周やっています。
Udemy問題集にはいつもお世話になっています。
実際の試験に近い感じで解答ができて感覚を養うことができるうえ、正誤が確認できて解説も見ることができます。
またセール期間であればかなり割安で購入できるので、書籍や他の問題集を扱うサイトよりお得です。
感想
2022年7月22日に合格することができました。
直近で Cloud Digital Leader 試験の学習をしていたため、責任共有モデル、最小権限の原則についてや各サービスの概要については掴んでいた状態でした。
特に、Google Cloud Skills Boost のコンテンツやラボに触れることができたので、理解が深まりました。時間があれば手を動かした方が覚えますね。
コンテンツで学習 → ラボで実践 → 問題集で確認 という流れで進められたのは良かったと思います。
Google Certified Professional - Cloud Architect
Professional - Cloud Architect 試験詳細は以下
準備
受験の準備として、Coursera にて試験の準備ができる教材を利用しました。Coursera の利用には課金が必要でしたが、試用の無料期間があってその間に集中して勉強をしました。また、コース終了後にGCP受験料が割引されるキャンペーンを行っていたので、課金した分のお金と差し引き0にできました。そのほか、公式トレーニングを一通り確認し、知識の確認のために公式の模擬問題を解いていました。
- クラウドサービスに関しては、Cloud Digital Leader をおさらい
- Google Cloud の各サービスについては、Associate - Cloud Engineer をおさらい
- ケーススタディに関しては、公式サイトを見ながら不明部分をガイドで確認
- 後は模擬問題集を解いて、足りない部分を補習
公式トレーニングとCoursera
- 公式トレーニング - クラウドアーキテクト
-
Google Cloud 認定資格の取得準備:クラウドアーキテクト プロフェッショナル認定証
- こちらのコース終了後にGCP受験料が割引されるキャンペーンを行っていましたので、受講しました。
- 全7コースを学ぶことができ、Cloud Architect 試験の範囲を学ぶことができました
- 内容は基本的で Cloud Engineer 試験のおさらいができました
感想
2022年10月4日に合格することができました。
アソシエイト試験合格から少し間が空きましたが、この間にGCPを実際に業務で使用するようになりました。このため普段からコンソールに触れることになったり、クラウドアーキテクトについて考える時間が増えました。結果としてこれが試験に役立つことになり、問題集を解いていても問いの意図が何となくわかるようになっていました。特に試験ではケーススタディ問題が出題されるため、ケーススタディの内容を経験しているとそのまま答えが出ます。試験勉強なんかよりも実践が一番という方もいますが、今回はその一面もあるのかなと思いました。
さいごに
2022年は、Professional Cloud Architect まで受験して合格することができました。試験に挑戦することを通じて理解が深まりましたが、実際に業務で使用するとなると適切なアーキテクチャの選定や予算建てなど様々な要素が絡んで判断が難しく、まだまだだなと感じています。それでもプロフェッショナル認定ということでエンジニアとしてはスタートラインには立てたかなと思います。
2023年は、Professional Data Engineer を受験したいと思います。