はじめに
前回の記事に引き続いて、悪環境下でM5を使用した場合、どういった挙動になるかが気になり簡易的に実験してみました。
想定している事象
M5にPbHubを使用し、粉塵が舞っているような環境で使用したケースを想定しています。回路が露出しているので、安定してデータ取得はできないと思われますが、どうなるのか分からないので実験してみます。
とはいえ、金属加工をしているところでPbHubを使っていたら回路がショートするのは自明なのでこれはやらないです。
本記事では、プラスチック片が付着する可能性のある環境を模擬して実験しようと思います。
使用するプラスチック片
- ポリプロピレン素材をカッターで細かく切断したもの (無印良品製のPP製小物入れ)
・・・カッターで切断していくのが途中で億劫になり、粉塵を模擬するにはかなり少し大きくなってしまいました。
(そして無印の方、すいません。 ← 残りは普通に小物入れとして活用します)
構成
実験を行うにあたり設備の構成を紹介します。構成は前回と同じです。
役割 | 部品名 | 備考 |
---|---|---|
制御器 | M5 Stick CPlus2 | - |
センサー | LIGHT (U021) | ハブを介して3つ使用 |
ハブ | PbHUB v1.1 (U041-B) | - |
PbHub状態
基盤剥き出しの部分に細かく切断したPP片を振り掛けます。
※.PP片は無事にデータを格納できることを確認した後に振り掛けました。
結果
PP片振り掛け直前
初期 (通電直後)
初期は特に問題なくデータ取得ができました。約25分程度は問題なくデータ取得できていました。
一定時間経過後
21:00にM5の電源が切れていることに気づきました。
また、この後電源を入れたところ、電源がつきはしたもののLED部分が明滅していました。その後、切断されたり、AWSの接続付近でフリーズして再起動をしたと記憶しています。(記憶が朧げですが)
PP片除去後
PP片を取り除いたら無事に通電するかを確認したところ、無事にデータ取得できることが確認されました。
実験中のセンサー値
参考までに実験中のセンサーデータを時系列に並べたものを記載します。
考察
(注意:電気・電子関係は全くの素人の考察です)
おそらくPP片がコンデンサになり、これが電子回路に異常をもたらしたと推測しております。(電子回路内で並列回路になるようにコンデンサが設置されたため?)
上記を仮定すると、今回の条件では30分程度かけてゆっくりと充電されて、何かしらの閾値を超え影響を及ぼしたと考えております。(怖いのが、初期は問題なく稼働しているところ)
個人的にはM5自体の入力電圧は5Vで、PbHubに行くまではそこからさらに電圧降下し、PbHubに向かうと思いますが、このくらいの電圧でもPP片のような絶縁体が影響を及ぼすとは考えていなかったので驚きました。(電気系の人には当たり前のことかもしれないですが...)
一方で、材質や形状, 量が違っていた場合、蓄積する電荷量も変わってくると思われますので異状が発生するまでの時間は変わってくるように思えます。また、発生する異常についても付着している箇所によって差異が生じるように思えます。
(埃の検証もしたほうが良さそうだが、埃と一口に言っても環境によって発生する埃の成分は変わってきそうなので検証しだすとキリがなさそう)
このことからも、ある程度悪い環境で使う場合は基盤へのカバー等は必須ということがわかりました。
データ取得を行う際には、センサー部分にも注意が必要と思います。IoTはソフトだけでもハードだけでも成り立たないので、両方の知識をうまく使っていく必要があり難しくもあり、やりがいもあると感じました。