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【入門】はじめての Cypress

Last updated at Posted at 2021-06-20

はじめに

Cypress の勉強のため、公式ドキュメントの概要~入門を簡単にまとめました。
皆様の参考になれば幸いです。

この記事で分かること

  • Cypress の概要
  • Selenium との比較
  • 入門 (サンプルアプリの作成)
    • Next.js + TypeScript + Cypress の簡単なサンプルアプリの作成

環境

{
  "cypress": "^7.5.0",
  "typescript": "^4.3.4"
}

1. Cypress とは

Github: cypress-io/cypress: Fast, easy and reliable testing for anything that runs in a browser.
公式 Doc: Why Cypress? | Cypress Documentation

Cypress はフロントエンドのテストツールであり、以下のすべてのを作成・テストできる。

  • エンドツーエンド(E2E)テスト
  • 統合(インテグレーション)テスト
  • ユニットテスト

1.1. Cypress のエコシステム (Cypress ecosystem)

Cypress はローカルにインストールされるテストランナーと、テスト記録用のダッシュボードで構成される。

  • 開発中: ローカルでアプリケーションを開発中、常にテストを回すことができる (=TDD に最適!)
  • 開発後: テストを構築し、Cypress を CI ツールと統合した後、ダッシュボードでテストの実行結果を記録・確認できる

1.2. 特徴(Features)

  • タイムトラベル:
    • Cypress はテスト実行時にスナップショットを取得できる
    • コマンドログにカーソルを合わせると、各ステップの詳細を確認できる
  • デバッグ可能:
    • テストの失敗理由を推測せず、開発ツールから直接デバッグできる
    • そのため、読み込み可能なエラーとスタックトレースにより、デバッグが非常に高速になる
  • 自動待機:
    • テストに awaitsleep はいらない
    • Cypress は、コマンドやアサーション時に要素が見つからない場合、自動で再試行する
  • Stubs, Spies, Clocks:
  • ネットワークトラフィック制御
  • 一貫した結果
    • Selenium や WebDriver を使用していないため、高速で一貫性のある信頼性の高いテストを提供する
  • スクリーンショットとビデオ
    • 失敗時に、以下を表示できる
      • 自動的に撮影されたスクリーンショット
      • CLI から実行した場合のテストスイート全体のビデオ
  • クロスブラウザテスト
    • CI パイプライン上で、Firefox および Chrome 系のブラウザを用いて最適なテストを実行できる

1.3. サンプル

  • 公式動画: Cypress をインストールしてから実際にテストケースを蹴るところまで、簡潔にまとまっている
  • cypress-io/cypress-realworld-app: Cypress のテスト手法やシナリオを実践するためのアプリケーション

1.4. テストタイプ

E2E テスト

一般的な E2E テストのように、ブラウザでアプリケーションにアクセスし、実際のユーザーと同じように UI を介してアクションを実行する。

it("adds todos", () => {
  cy.visit("https://todo.app.com");
  cy.get(".new-input").type("write code{enter}").type("write tests{enter}");
  // confirm the application is showing two items
  cy.get("li.todo").should("have.length", 2);
});

コンポーネントテスト

一部の Web フレームワーク (Rect or Vue) からコンポーネントをマウントすることで、コンポーネントテストも実行できる。
jest や mocha のようにコンポーネントを jsdom でレンダリングするのではなく、実際のブラウザ上にコンポーネントをマウントし、そのコンポーネントに対してテストを行う。

※ただし、現状(2021/06/19)段階でアルファ版なので注意

import { mount } from "@cypress/react"; // or @cypress/vue
import TodoList from "./components/TodoList";

it("contains the correct number of todos", () => {
  const todos = [
    { text: "Buy milk", id: 1 },
    { text: "Learn Component Testing", id: 2 },
  ];

  mount(<TodoList todos={todos} />);
  // the component starts running like a mini web app
  cy.get("[data-testid=todos]").should("have.length", todos.length);
});

API テスト

Cypress は任意の HTTP 呼び出しを実行できるため、API テストも可能。

it("adds a todo", () => {
  cy.request({
    url: "/todos",
    method: "POST",
    body: {
      title: "Write REST API",
    },
  })
    .its("body")
    .should("deep.contain", {
      title: "Write REST API",
      completed: false,
    });
});

その他

多数のプラグインを活用することで、a11y画像回帰電子メールテスト等々が可能。

2. Selenium との比較

2.1. アーキテクチャ

  • Selenium は、ブラウザの外部で実行され、ネットワーク経由でコマンドを実行する
  • Cypress は、ブラウザ内で、アプリケーションと同じランタイムで実行される

Cypress の特徴

  • アプリケーションのイベントにリアルタイムでアクセス可能
  • ネットワークトラフィックをその場で読み取り、変更できるため、ネットワーク層でも動作する
    • それにより、ブラウザに出入りするすべてを変更可能
    • ブラウザの自動化を妨げるコードを変更できる
  • Cypress は自動化プロセス全体を制御する
    • それによりブラウザの内外で発生するすべてを理解できる
    • それにより、Cypress はどのテストツールよりも一貫した結果を提供できる
  • Cypress はローカルマシンにインストールされる

2.2. ホストオブジェクトへのネイティブアクセス

Cypress はアプリケーション内で動作するため、全てのホストオブジェクト(window, document, DOM element, Application Instance, function, timer, service worker, etc)へのネイティブアクセスを提供する。
つまり、テストコードにおいて、アプリケーションコードと同じオブジェクトにアクセス可能。

2.3. 新しい種類のテスト

上記の特徴により、従来では時間と費用のかかった以下のようなケースを人為的に作成可能。

  • ブラウザ or アプリケーションの機能をスタブし、テストケースで必要に応じて動作するように強制する
  • Redux のようにデータストアを公開し、テストコードから直接アプリケーションの状態を変更する
  • サーバーから空のレスポンスを返すことで、「空のビュー」などのエッジケースをテストする
  • レスポンスのステータスコードを 500 に変更することで、アプリケーションの異常系のテストが可能
  • DOM 要素を直接変更(Ex. 非表示 DOM を表示するように)
  • プログラムでサードパーティのプラグインを利用可能
    • 以下のような複雑な UI ウィジェットの代わりに、テストコードから直接メソッドを呼び出し、制御が可能
    • Ex. 複数選択、オートコンプリート、ドロップダウン、ツリービュー、カレンダー
  • テスト時、アプリケーションコードが実行される前に、Google Analytics が読み込まれないようにする
  • アプリケーションが新しいページに移行したり、アンロードされるたびに同期通知を受け取る
  • テストで必要な時間を待たずにタイマー or ポーリングが自動的に起動するように、時間を前後に動かす
  • アプリケーションに応答する独自のイベントリスナーを追加する
    • テスト中に異なる動作をするようにアプリケーションコードを更新できる
    • テストコードから WebSocket メッセージを制御する
    • サードパーティのスクリプトを条件付きでロードする
    • アプリケーションで直接関数を呼び出す

2.4. ショートカット

Cypress は、特定の状況を生成するために「ユーザーのように振る舞う」ことを矯正しない。
Cypress では、プログラムからアプリケーションを操作及び制御できる。

    • 他のツール
      1. ログインページにアクセス
      2. ユーザー名とパスワードを入力
      3. 送信
      4. リダイレクト後、テストを実施 (これをテストケース毎に実行)
    • Cypress
      • cy.request()で直接同期的にログインリクエストを送信し、テストを行う

cy.request()を利用した場合、リクエストがブラウザから送信されたかのように Cookie を自動的に取得・設定する。また、CORS も完全にパイバスされる。

2.5. 取りこぼしのないテスト (Flake resistant)

2.6. デバッグ可能

Cypress は使いやすさを大切にしている。

  • テストに失敗すると、失敗した正確な理由を示す数百のエラーメッセージが出力される
  • 以下の要素を視覚的に表現する豊富な UI がある
    • コマンドの実行、アサーション、ネットワークリクエスト、スパイ、スタブ、ページロード、URL の変更
  • アプリケーションのスナップショットにより、コマンドが実行された状態にタイムトラベルできる
  • テスト実行中に開発者ツールが使える
    • すべてのコンソールメッセージ、ネットワークリクエストを確認できる
    • 要素の検査ができる
    • テストコードやアプリケーションコードでデバッガーステートメントを使用できる

これらにより、開発とテストのすべてを蔵時に行うことができる。

2.7. トレードオフ

これらの機能を可能にするに行ったトレードオフがある。

3. Getting Started

簡単な Next.js (+ Typescript) アプリを起動し、テストを作成・実行してみる。
※ Next.js の部分は任意のフレームワークに置き換えて良いです。
※ 不要であれば読み飛ばしてください。

3.1. 環境

OS 別のセットアップ方法はこちらに詳細が記載されているので、適宜確認する。

$ node -v
v16.3.0

$ npm -v
7.15.1

3.2. ソース

https://github.com/eyuta/cypress-nextjs-test

3.3. 準備

3.3.1. インストール

# Next.jsインストール。他でも可。既存プロジェクトでも可。
yarn create next-app --typescript # or npx create-next-app --ts

cd my-app

# 依存関係を分離するため、直下にe2eフォルダを作成し、そこにCypressをインストールする
mkdir e2e
cd e2e
echo e2e/node_modules >> .gitignore
yarn init -y # or npm init -y
yarn add -D cypress typescript # or npm install -D cypress typescript
npx tsc --init --types cypress --lib dom,es6

3.3.2. Cypress を開く

npx cypress open, yarn run cypress openで実行可能。

package.jsonを使う場合は、 scripts に以下を追加する。

{
  "scripts": {
    "cypress:open": "cypress open",
    "cypress:run": "cypress run"
  }
}
yarn cypress:open

これにより、以下が行われる。

  • テストランナー用のブラウザが起動される
  • /e2e/cypressフォルダが作られ、配下にサンプルテストケースが配置される
  • /e2e/cypress.jsonが作成される

テストランナー起動後、Testsの適当なファイル名をクリックすると、テストが実行されます。

CLI ツールの詳細はこちら
ダッシュボードの使い方はこちら

3.4. 新しいテストケースの追加

新しいテストケースを追加する。
その前に、Next.js を使用している場合は、一旦サーバーを別のターミナルで起動しておく。

yarn dev
echo "
context('Next.js test', () => {
  it('should access localhost', () => {
    cy.visit('http://localhost:3000');
    cy.get('h1')
      .should('have.text', 'Welcome to Next.js!')
  });
});
" > e2e/cypress/sample.spec.ts

Next.js を使用していない場合は、適当なサイトにアクセスするテストケースを作成する (Cypress がサンプルページを提供している)。

echo "
context('google search', () => {
  it('should perform basic google search', () => {
    cy.visit('https://google.com');
    cy.get('[name="q"]')
      .type('subscribe')
      .type('{enter}');
  });
});
" > e2e/cypress/sample.spec.ts

yarn cypress:openで起動したブラウザにおいて、Testssample.spec.tsが追加される。
そして、sample.spec.tsをクリックすると、作成したテストケースが実行される。

3.5. 成功/失敗するテストケースの追加

先程のsample.spec.tsもしくは別のファイルに、以下を追記し、実行する。
すると、成功した場合はチェックが付き、失敗した場合にエラーが表示されることが分かる。

基本的なページアクセス、クエリ、イベント発火方法等々については、こちらを見るか、サンプルテストを見ると分かりやすい。
エラーの見方は、こちらに詳細がある。

describe("My First Test", () => {
  it("Match!", () => {
    expect(true).to.equal(true);
  });
  it("Does not match!", () => {
    expect(true).to.equal(false);
  });
});

3.6. アプリのテスト

同じアプリケーション(ホスト)に頻繁にアクセスする場合、baseUrlを指定すると良い。
それにより、cy.visit()cy.request() に自動的にプレフィックスが付与されるため、ホスト名とポートを省略できる。

cypress.json
{
  "baseUrl": "http://localhost:3000"
}
sample.spec.ts
describe('The Home Page', () => {
  it('successfully loads', () => {
    cy.visit('/')
  })
})

3.7. テスト戦略

3.7.1. 初期データの用意

テスト前にサーバーサイド(データベース等)でセットアップや破棄を行いたい場合、beforeEachafterEachを使う。
また、以下のメソッドも有用。

cy.exec()

システムコマンドを実行する。

describe("The Home Page", () => {
  beforeEach(() => {
    // reset and seed the database prior to every test
    cy.exec("npm run db:reset && npm run db:seed");
  });

  it("successfully loads", () => {
    cy.visit("/");
  });
});
cy.task()

pluginsFile を介して Node でコードを実行する。

例 1: ログの出力

spec.js
cy.task("hello", { greeting: "Hello", name: "World" });
plugins/index.js
module.exports = (on, config) => {
  on("task", {
    // deconstruct the individual properties
    hello({ greeting, name }) {
      console.log("%s, %s", greeting, name);

      return null;
    },
  });
};

例 2: TODO アプリで、TODO が追加された後、それが本当に DB に保存されているかテストする

spec.js
import { enterTodo, resetDatabase } from './utils'

describe('cy.task', () => {
  beforeEach(resetDatabase)
  beforeEach(() => {
    cy.visit('/')
  })

  it('finds record in the database', () => {
    // random text to avoid confusion
    const id = Cypress._.random(1, 1e6)
    const title = `todo ${id}`
    enterTodo(title)
    // confirm the new item has been saved
    // https://on.cypress.io/task
    cy.task('hasSavedRecord', title).should('equal', true)
  })
})
cypress/plugins/index.js
const fs = require('fs')
const path = require('path')
const repoRoot = path.join(__dirname, '..', '..')

const findRecord = title => {
  const dbFilename = path.join(repoRoot, 'data.json')
  const contents = JSON.parse(fs.readFileSync(dbFilename, 'utf8'))
  const todos = contents.todos
  return todos.find(record => record.title === title)
}

module.exports = (on, config) => {
  // "cy.task" can be used from specs to "jump" into Node environment
  // and doing anything you might want. For example, checking "data.json" file!
  on('task', {
    hasSavedRecord (title) {
      console.log('looking for title "%s" in the database', title)
      return Boolean(findRecord(title))
    }
  })
}

参考: Incredibly Powerful cy.task | Better world by better software

3.7.2. サーバーのスタブ

cy.request()で HTTP リクエストを行う際、事前にcy.intercept()を実行しておくことで、HTTP 通信をスタブできる。

cy.intercept(
  {
    method: "GET", // Route all GET requests
    url: "/users/*", // that have a URL that matches '/users/*'
  },
  [] // and force the response to be: []
);

参考: Network Requests | Cypress Documentation

3.7.3. ログイン

ログイン機能のテストを行う場合は、以下のように UI を通してテストするのがおすすめ。

describe("The Login Page", () => {
  beforeEach(() => {
    // reset and seed the database prior to every test
    cy.exec("npm run db:reset && npm run db:seed");

    // seed a user in the DB that we can control from our tests
    // assuming it generates a random password for us
    cy.request("POST", "/test/seed/user", { username: "jane.lane" })
      .its("body")
      .as("currentUser");
  });

  it("sets auth cookie when logging in via form submission", function () {
    // destructuring assignment of the this.currentUser object
    const { username, password } = this.currentUser;

    cy.visit("/login");

    cy.get("input[name=username]").type(username);

    // {enter} causes the form to submit
    cy.get("input[name=password]").type(`${password}{enter}`);

    // we should be redirected to /dashboard
    cy.url().should("include", "/dashboard");

    // our auth cookie should be present
    cy.getCookie("your-session-cookie").should("exist");

    // UI should reflect this user being logged in
    cy.get("h1").should("contain", "jane.lane");
  });
});

しかし、各テストの前に毎回上記のログイン処理を行うのは冗長。
そこで、/loginに直にログイン情報をポストすることで、ログイン処理を簡略化できる。

it("logs in programmatically without using the UI", function () {
  // destructuring assignment of the this.currentUser object
  const { username, password } = this.currentUser;

  // programmatically log us in without needing the UI
  cy.request("POST", "/login", {
    username,
    password,
  });

  // now that we're logged in, we can visit
  // any kind of restricted route!
  cy.visit("/dashboard");

  // our auth cookie should be present
  cy.getCookie("your-session-cookie").should("exist");

  // UI should reflect this user being logged in
  cy.get("h1").should("contain", "jane.lane");
});

その他

こちらの Best Practicesも参考になる。

参考

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