なぜローカルLLM言語モデルを使用するのか
AIの発展が非常に速い時代、今や自分のスマホでもAIを直接動かせるようになりました。
インターネットがなくても、スマホを取り出して自分のAIアシスタントと冗談を言ったり会話したりできるのです。
しかし、最近インターネットが繋がらない場所はあまりないでしょう
単純な質疑応答だけならChatGPTを使えば十分です。性能もはるかに優れていますから。
それなら、
クラウドLLMの性能がこれほど高いのに、あえて自分のデバイスでLLM言語モデルを使用する理由は何でしょうか?
単純な理由としては(メリット)
コスト問題
一度システムを構築してしまえば、あとは電気代を払うだけで済みます。
セキュリティ
私がGPTに質問をすると、当然その内容はOpenAIのサーバーにも送信されます。
企業のガバナンス指針にも依存しますが、とくに特許/技術開発や経営に関することなど、機密性の高い情報を外部サーバーに送信することは、多くの企業で敬遠されます。また、日本の場合、「個人情報保護法」の規制により、個人情報の場合は外部への送信に制限があります。
とくに、国防/医療/金融などに関わる高機密情報を取り扱う場合は、外部サーバー利用は厳しく制限されます。
インターネットが不要
それ以外の分野でも、例えば、移動中は企業で安全だと認められたネットワーク接続が困難であることもあり、また、発展途上国や船舶上などの環境ではインターネット接続が低速であったり、そもそも接続が困難な環境も存在します。オンデバイスのAIであれば、インターネット接続なしで動作します。
カスタマイズが自由(ガードレールの問題なし)
一般用途向けに調整されたクラウドモデルの場合、倫理的なリスクのある表現や、法的なリスクのある行為の補助を拒否するなどの調整がされています。これは、確かに一般的には有効なのですが、一部の用途には不利になる場合があります。
例えば、創作表現の場合に、暴力的な表現や性的な表現への制限があるために、表現したい内容を表現してもらうことができないという問題が生じることがあります。また、セキュリティ確保のために侵入テストを実施したいというような場合でも、クラウド上のモデルは、そのようなクラッキングを試みるようなコードの生成を拒否します。
では、デメリットは?
システムリソースの確保が必要
言語モデルを動作させるためには、その言語モデルの規模にもよりますが、大きな計算リソース(GPUやNPU)やモデルデータを展開するための大きなRAM容量が必要とされます。
例えば、4B程度の小規模なモデルであっても、実用的な速度で動作させようとする場合には、一般的なビジネス用途向けに比べて高性能なPCが要求されます(ゲーミング/映像処理向け程度)。さらに大規模なモデルを運用したいのであれば、専用のAIサーバーの設置が必要にもなってきます。
ローカルAIの規模(モデルサイズ)問題
クラウドAIの場合、高性能なモデルは数兆個ものパラメータ数をもち、数千台のGPUと相当な量のRAMによって動作しています。このようなモデルであれば複雑な推論も非常にうまくこなします。しかし、ローカルでの動作を意図したような小規模モデルの場合には、ハルシネーション(幻覚)の増加など、出力の質に課題があります。
コンテキストウィンドウ(作業記憶の容量)も劣るため、巨大なデータを与えると処理しきれないという課題もあります。
メンテナンスの必要性
ローカルLLMツールが発展したとはいえ、実行時に生じる細かいエラー(バージョンの競合、ドライバーの問題など)や様々な設定に対処する必要があります。
LLMは単なる「脳」
LLMはテキストを生成するだけで、検索や画像生成といった機能は持っていません。
最近のChatGPTやGeminiが検索や画像生成を行えるのは、ツールを活用できるように設計されているからです。
LLMをエージェントとして活用したい場合は、手足となる機能を追加し、それらを連携させる必要があります。
ローカルLLMは性能や機能ではなく、システムに対する「統制権(コントロール)」を得るための選択だと言えるでしょう。
次回の記事では、実際にGemma 4モデルを利用して、ローカル言語モデルを試していきます。
