プロローグ
数年前に従事していたプロジェクトにおいて、メンバーに貸与していたPCがクラッシュしたとの連絡が入りました。
そのクラッシュしたPCを調べてみるとそのPCを使用していたメンバーによるある行動が原因でクラッシュしたのだと分かったのです。
事件内容
一緒に仕事をしていたメンバーから貸与PCが故障したと連絡がありました。そのままでは業務に支障があるので代替機を貸与して仕事を進めてもらうことにしました。
特に故障原因は聞かなかったが電源が入らないとのこと。
高価なPCでもないから仕方ないか、程度に思っていました。
実際、この安いPCは歩留まりが悪く、熱に弱いわ、メモリを増設したら起動しないわと散々な代物だったのです。
返却時に貸与していたメンバーからは
「すみません。すみません。弁償しますか?」
と言われましたが
「いいですよ。安いPCなので気にしないでください」
と返し、受け取ったPCのバッテリーがなぜか外された状態だったことに疑問を抱きつつもそのまま事務所に持ち帰りました。
捜査開始(故障原因の調査)
持ち帰ったPCにアダプタを接続し、事務所にあったバッテリーを装着して電源を入れようとしますが、確かに電源が入りません。
故障原因不明のままだと気持ちがすっきりしないのでPCの分解を開始します。
さっそくキーボードを外すと机に滴り落ちる茶色い液体。
匂いをかぐとコーヒーだと思われます。
キッチンペーパーで机を拭き、外したキーボードを立てかけPCの内部を見ると
見事にCPU付近にコーヒーが直撃しています。さらには上部の電源ユニットにも垂れてしまっているように見えます。
茶色い液体をティッシュで除去し、細かい部品を外しながら電源ユニットに到達。
よく見てみると絶縁シートのお陰で幸い奥に浸透せずに済んでいました。
濡れた絶縁シートは扇風機で水分を飛ばすことにしましたが、
細かい部分に入り込んだ水分は精密ドライバーにティッシュ丸めても入らず拭き取ることは難しい状況です。
コーヒーをPCにこぼしたことにより故障したのだと確信し、
分解したPCをそっと元に戻しました。
事情聴取
PCを貸与していたメンバーに
「あのー、故障した原因に心当たりありますか?」
と聞いてみました。
相手「水漏れというか、そんな感じです」
私「水?コーヒーじゃなくて?」
相手「その通りです。」
あっさりと自白してくれたため、故障原因の言質を取ることができました。
バッテリーを外していた理由とか、最初に言ってくれ。
電源入れちゃったじゃねーかよ!あぶねーじゃねーか!
とも言えず、最終的にPCは一応復旧しました。
エピローグ(教訓)
このエピソードで伝えたいことは
『報連相は正確に、正直に』
ということです。
報連相の重要性は言うまでもないと思いますが、
例えきちんと実行しても嘘や情報を隠してしまうと取り返しのつかないことになったりします。
本エピソードでも、PCを故障させたメンバーへの信頼は限りなくゼロに近づいてしまいました。
これでは安心してこの方に仕事を任せられません。
逆に最初に正直に話してもらっていれば、信頼は増していたのではと思います。
こと仕事においては、すぐにバレる嘘はつくものではありませんね。
(仕事に限った話ではないですが)