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回路シミュレーション LTspice の使い方(3) 「ウィーンブリッジ発振回路」

Last updated at Posted at 2016-03-21

概要

シミュレーションツール LTspice で「ウィーンブリッジ発振回路」の挙動を調べる。

はじめに

LTspiceの練習のために、オペアンプを使ってサイン波を発生させて、その挙動を確認する。
オペアンプでサイン波といえば「ウィーンブリッジ発振回路」だ。

なお、LTspice については、下記も参考にしてください。

ウィーンブリッジ発振回路

スクリーンショット 2016-03-21 17.17.31.png
計算通り、ピッタリ増幅率が 3 (R4:10kΩ, R3:20kΩ)の場合だと、LTspiceでは発振しなかった。
そのため、R5(100Ω) を足して、増幅率を 3 より少しだけ大きくしている。

シミュレーション結果

スクリーンショット 2016-03-21 17.16.04.png

拡大図

頂点で波形が歪んでいないか確認。しかし、微妙に潰れている。。
(結果グラフ上で、拡大したい部分をマウスでドラッグすると拡大される)
ウィーンブリッジ発振回路は、全く歪まずには発振しないのではないかと思うが、どうなのだろう。
スクリーンショット 2016-03-21 17.16.15.png

以下で「ウィーンブリッジ発振回路」を詳細に見ていく。

「ウィーンブリッジ発振回路」は、以下二つの部分から構成されている。

  • 非反転増幅回路
  • バンドパス・フィルター回路

つまり、特定周波数(ここでは 1KHz)だけ1/3、他は1/3以下にフィルタして、その後、増幅回路で3倍する、ということ。

非反転増幅回路

ウィーンブリッジ回路の負帰還部分は、(全体として)非反転増幅回路を形成している。

増幅度 = (R3 + R4) / R4 = 3

検証回路

スクリーンショット 2016-03-21 16.17.25.png

シミュレーション結果

スクリーンショット 2016-03-21 15.02.42.png
確かに、3倍 になっている。

バンドパス・フィルター

ウィーンブリッジ回路の正帰還部分は、以下のフィルタを組み合わせた、バンドパス・フィルターを形成している。

  • R1,C1 で構成されるローパス・フィルター
  • C2,R2 で構成されるハイパス・フィルター

どちらも、遮断周波数(カットオフ周波数) は 994.718394324[Hz]

このバンドパス・フィルターの周波数特性を検証してみる。

検証回路

スクリーンショット 2016-03-21 15.52.28.png

周波数特性をみるためには、入力信号を以下のように設定する。
スクリーンショット_2016-03-21_15_33_24.png

また、「SPICE directive」を以下のように設定する。
スクリーンショット 2016-03-21 15.36.43.png

上記の各値は以下の意味を持つ

キー
Type of Sweep Decade
Number of points pr decade 20
Start Frequency 10
Stop Frequency 100k

シミュレーション結果

スクリーンショット 2016-03-21 15.31.27.png

1KHz付近の拡大図
スクリーンショット 2016-03-21 16.02.18.png
1KHz を中心に、-9dB (0.355倍) 〜 -10dB (0.316倍) 、つまり、約 1/3 倍 になっていることがわかる。

まとめ

  • やっと、LTspice にも慣れてきた。
  • 今後、実際の回路を作った時に、机上の計算との誤差が、気になってくる。

参考文献

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