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注意事項

本記事は「富士通株式会社 デジタルシステムプラットフォーム本部 Advent Calendar 2023」の25日目の記事です。記事の掲載内容は私自身の見解であり、所属する組織を代表するものではありません(お約束)。

前書き

本記事は「GPTのストリーム機能を使いたい方へ(その1)」の続編です。

以下のようなニーズに応えたいと思っています。

  • OpenAIのストリーム機能について
    • ストリームによるメリットを知りたい
    • Node.jsからじゃなく、Python(openai)からストリームを実現したい
  • そもそもストリームって何?
  • FetchとEventSourceの違いを知りたい

本編

  • GPTのストリーム機能を使いたい方へ(その1)
    ストリーミングの動作イメージや、メリットについて解説していきます。

  • GPTのストリーム機能を使いたい方へ(その2)
    以下について解説していきます。(いまココ!

    • GPTのストリーミングをPythonから呼び出す方法
    • Fetch / EventSource / FetchEventSourceの違い

先に結論を

本記事ではGPTのストリーミングを利用する際のインタフェースとして、JSONがPOST出来ること、SSEイベントを扱えることから、Fetch Event Sourceを推しています。

以下に機能の比較を記載します。

インタフェース メリット デメリット
Streams API ・追加パッケージなしに利用できる
・JSONをPOST出来る
・SSEイベントを扱えない
EventSource ・追加パッケージなしに利用できる
・SSEイベントを扱える
・JSONをPOST出来ない
Fetch-Event-Source ・JSONをPOST出来る
・SSEイベントを扱える
・インストールが必要

GPTのストリーミング仕様

OpenAIのAPI Referenceでは以下のようにServer-sent events(以降、SSEと記載)に従うとあります。

Streaming

The OpenAI API provides the ability to stream responses back to a client in order to allow partial results for certain requests. To achieve this, we follow the Server-sent events standard.

SSEの仕様を例を使って押さえていきましょう。
SSEはいくつかのフィールドからMessageが定義されますが、特に大切なのはeventdataの2つのフィールドです。
image.png

こちらで押さえておきたいのは
eventフィールドで、ストリーミングに名前を付けることが出来ること。および
dataフィールドが細切れにされたデータ(Chunk)を送信する機能を持つということです。

さらっと書いてますが、以下の仕様に注意してください。
 ・eventフィールドは、dataよりも前で定義する必要があります
 ・各Messageは\n\nで区切る必要があります

「前回の投稿」で記載した「ストリームが有効の場合」を見ると、上述したdataフィールドが返ってきていることが分かりますね。

Pythonからストリームをコールするには

「前回の投稿」ではPythonからストリームでレスポンスを取得するにはstream:Trueとしました。

単純にレスポンスを得るためであれば、上記だけで問題ありませんが、アプリケーションを意識すると、さらに工夫が必要で、ジェネレーター関数としてChunkを返してあげてください。

以下はエラーハンドリングやKey管理、PEP8などをサボっているVerです。

  • 実行サンプルコード
    ## Import OpenAI Library
    import openai
    ## Import Flask Library
    from flask import Flask, Response, stream_with_context
    ## Parameter Setting
    ## 注意
    ## - きちんとしたアプリケーションとして構成するときはハードコーディングせずKey管理サービス(Ex: Azure Key Vault等)を利用しましょう!
    openai.api_type    = "azure"
    openai.api_key     = "<YOUR_API_KEY>"
    openai.api_base    = "<YOUR_ENDPOINT>"
    openai.api_version = "<YOUR_API_VERSION>"
    
    stream   = True
    messages = [
        {
            "role":     "user",
            "content":  "以下の指示に従って下さい。 \n\n" \
                        "「こんにちは、人間。」\n" \
                        "「」の中の文章を必ず<主張>を記載した後に、そのまま返信してください。"
        }
    ]
    app = Flask(__name__)
    
    @app.route('/')
    def start():
        ## ストリーム形のChunkを返すジェネレータ関数
        def gpt_stream():
            generator = openai.ChatCompletion.create(
                    deployment_id="<YOUR_MODEL_NAME>",
                    messages=messages,
                    # ストリームを有効化する場合は`True`
                    stream=stream,
                    max_tokens=500
                )
            for chunk in generator:
                if chunk['choices'][0]['finish_reason'] is None:
                    stream_token = chunk['choices'][0]['delta'].get('content', '')
                    time.sleep(2)
                    yield "event: <YOUR_EVENT>\ndata: {}\n\n".format(stream_token)
    
        response = Response(stream_with_context(gpt_stream()), mimetype='text/event-stream')
        return response
    
    if __name__ == "__main__":
        app.run()
    

  • 応答結果
    streaming_yield.gif

  • ジェネレータ関数の動き
    ジェネレータ関数と聞いてピンとこない方も多いのではないかと思いますが、Pythonではyieldを含む関数がジェネレータ関数となります。
    この動作は少し特殊で、アクセスした際に③をスキップし、②まで処理が行われた後、③が生成されたChunkの数だけ繰り返されます。
    image.png

  • 応答結果から分かること
    yieldで指定した形式でデータがブラウザ側に返却されていることが分かります。
    あとは、ブラウザ側でFetch / EventSource / Fetch Event Source等を用いて、データを上手く扱っていく方法を考えていきましょう。

なぜFetch Event Source推しなのか?

結論で先出しましたが、Fetch Event Sourceは汎用性は限られるものの、両者のいいとこどりをしているインタフェースです。

その有難みを理解するため、FetchEventSourceでデメリットに記載した内容を深掘りしていきましょう。

  • SSEイベントを扱えない
    先述のevent <YOUR EVENT>のように、SSEでは送信するChunkにイベント名を付与することが可能ですがFetch(より正確にはStream API)ではこのイベントを扱うことが出来ません。
    ※ 本記事では便宜上「SSEイベント」と記載していますが正式名称ではありません。

    SSEイベントを扱えないと何が困るのか、以下に列挙しておきます。

    • 生成されたトークンと以下が区別できない
      • token_limitに係る残トークンを計算する場合
      • コンテンツフィルターに検知された場合などのfinish_reasonが異なる場合
      • エラー(openai.error.RateLimitError,etc.)が発生した場合

  • JSONをPOSTできない
    こちらはEventSourceの問題ですね。表題の通り、EventSourceではJSONをPOSTすることが出来ません。
    より正確には、https://ドメイン?XXXのようなクエリパラメータ形式でデータをPOSTすることは出来ますが、約2000文字までという制限もあり、GPTの性能を活かすことが難しくなります。

Fetch Event Sourceの使い方

Fetch Event SourceはMircrosoft OSSコミュニティがContributorとして参画している取り組みとして開発されているようです。GitHub:Azure/Fetch Event Sourceのインストール&使い方について見ていきましょう。

まずはインストールからですね、npmから導入可能です。

  • Fetch Event Sourceのインストール
     npm install @microsoft/fetch-event-source
    

インストールが完了したら実際のソースコードで利用してみましょう。

Fetch Event SourceはTypeScriptで作られています。
Vue.jsで利用される際にはイベントをアロー関数で記載してください。

  • Fetch Event Sourceの利用例(Vue.js)

    <template>
     <!-- Vue.jsでのフロントエンドコード -->
    </template>
    <script>
    // Fetch Event Sourceのインポート
    import { fetchEventSource } from '@microsoft/fetch-event-source';
    methods: {
        // fetchEventSourceを利用してJSONをPOST
        await fetchEventSource('/gpt_stream', {
            method: 'POST',
            headers: {
                'Content-Type': 'application/json'
            },
            body: JSON.stringify(<YOUR_REQUEST_JSON>),
            onopen: async (response) => {
                // レスポンス受信時の処理を記載
            }
            // Python側から送信した<YOUR_EVENT>の処理
            onmessage: (response) => {
                if (response.event === '<YOUR_EVENT>') {
                    // YOUR_ENVENT受信時の処理を記載
                }
            }
            onerror: (error) => {
                  // エラー発生時の処理を記載
            }
        }
    }
    

上記のように使ってあげることで、Python側で指定した<YOUR_EVENT>毎にブラウザ側でも処理させる仕組みのフレームができました。

不明点や○○の解説記事が欲しい!などありましたらコメントいただけると幸いです。

Reference

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