―― AI時代を“仲間と共に前へ進む”エスプリフォートより
当社は、「自分を大切にし、仲間を大切にし、お客様に価値を創造し、誇りある仕事をする」ことを大切にしています。
だからこそエスプリフォートでは、世界中に想像以上のスピードで入り込み、大きくあり方を変えているAI(人工知能)技術を事業の主軸に据えて、AIを活用したビジネスアプリケーションの開発を積極的に推進し、お客様の業務変革に貢献しています。
全社員向けにAI研修を定期開催し、自社プロジェクトにも積極的にAIを活用する文化を育てています。
システムエンジニアのためのコパイロット入門
##1. コパイロットって、結局なに者?
ざっくり言うと、「Microsoft 365 に埋め込まれた、仕事がわかっているAIアシスタント」です。
ChatGPT のように会話ベースでやり取りしつつ、
- OneDrive や SharePoint 上の 自分のファイル
- Teams の会議メモ
- Outlook のメール
- Excel / Word / PowerPoint のドキュメント
などと連携しながら、「今のあなたの仕事」に合わせて手伝ってくれるのがコパイロットの特徴です。
しかも、ただの“おしゃべりAI”ではなく、
- Excel なら:大量データの整理・分析の“データアナリスト”
- Word なら:要件定義書や議事録を一気にドラフトしてくれる“テクニカルライター”
- PowerPoint なら:提案書のたたきを自動で作ってくれる“資料構成ディレクター”
- Outlook なら:メールの要約や返信案を出してくれる“秘書兼整理屋”
のように、アプリごとに仕事の仕方を変えてくるところがポイントです。
2. なぜ今、コパイロットを使うべきか
システムエンジニアの仕事は、
- 課題を整理する
- 要件を構造化する
- 設計・レビューで品質を作る
- 関係者と合意形成する
などといった **「思考と対話」**の部分にあります。
でも現実は——
- Excel での集計・整形・コピペ地獄
- Word での議事録清書・仕様書の追記・版管理
- PowerPoint での提案書づくりの“白紙とにらめっこ時間”
- Outlook のメールの山との格闘
こうした“価値はあるけど、時間をえぐっていく作業”にかなりの工数を取られています。
コパイロットの狙いはシンプルで、
「機械に任せられる作業はAIに投げて、エンジニアは『人にしかできない仕事』に集中してくれ。」
というメッセージです。
特に、
- レポート
- 議事録
- 資料
- メール
などの量が多い人ほど、コパイロットの恩恵をダイレクトに受けられます。
3. 導入前に押さえておきたいポイント(ライトに)
詳細なライセンスやプランの話はここでは深追いしませんが、SE向けに最低限押さえておきたいのは次の3つです。
-
会社としての利用ポリシー
「コパイロットに投げていい情報 / ダメな情報」の基準を必ず確認しましょう。
機密情報・個人情報・未公開情報など、扱いに注意が必要なものがあります。
-
前提となるアカウント / データの場所
OneDrive や SharePoint 上のファイルを前提に動きます。
ローカルPCにだけ置いてあるファイルは、基本的には見えません。
-
“魔法”ではないことを理解する
出てきた結果はあくまで“ドラフト”。
最終判断・責任は人間側にあります。
この3つを押さえたうえで、「どうやって現場で効果を出すか」を考えるのがSEらしいスタンスです。
4. Excel × コパイロット:データ整理・分析の“相棒”にする
Excel は、SE にとってログ解析・工数管理・KPIレポート・テスト結果管理など、やるべきことが多くあります。
コパイロットが入ると、ここが一気に変わります。
4-1. こんなことが自然言語でお願いできる
- 「このテスト結果シートから、モジュール別の不具合件数と推移をグラフで可視化して」
- 「この1年分の障害データから、発生件数の多い原因TOP5と、その割合を教えて」
- 「この工数表から、プロジェクト別の月次残業時間の傾向をまとめて。グラフも欲しい」
これらを日本語で頼むと、
- フィルタ
- ピボットテーブル
- グラフ
などの“たたき”を作ってくれます。
4-2. SE目線でのメリット
- 「とりあえず集計してみる」トライ&エラーをAIに任せられる
- ざっくりした分析結果を元に、人間が深掘りすべきポイントを見つけやすい
- 「資料用のグラフ」を作るまでの時間を一気にショートカット
4-3. うまく使うコツ
- ゴールを具体的に伝える
例)「マネージャー向けの週次レポートに使うので、指標は3つに絞って」 - 集計単位や指標のイメージを添える
例)「プロジェクト別 × 月別で」「モジュール別の件数と割合」
5. Word × コパイロット:要件定義書・議事録・仕様書の“ドラフト職人”
Word は、要件定義書・基本設計書・詳細設計書・議事録など、SEのアウトプットが最も積み上がる場所です。
5-1. 実務で使えるシーン
- 会議中のメモや、Teamsの自動文字起こしをもとに、正式な議事録を生成
- 既存案件の要件定義書を元に、類似案件向けの新しいドラフトを作成
- 顧客向け・社内向けで、トーンの異なる文章に書き換え
5-2. プロンプト例
- 「この箇条書きメモを、顧客提出用の議事録に整形して。見出しとアクションアイテムも明確にして。」
- 「この要件定義書の内容を、非エンジニアでも理解できるようにA4 1枚分で要約して。」
- 「この仕様説明を、営業メンバーが使えるように“少しライトなトーン”に書き換えて。」
5-3. 注意したいポイント
-
専門用語の使い方は必ず人間がチェックする
(特に業界固有の言葉・略語のニュアンス) - 「この部分だけは絶対に変えちゃダメ」という箇所は、明示的に指示する
例)「この番号付き条件リストは一切変更しないこと」
6. PowerPoint × コパイロット:提案書・報告資料を「見せられる形」に
パワポが苦手なエンジニアは多いですが、コパイロットがいると “白紙から考える時間”が劇的に短くなります。
6-1. コパイロットができること
- Word の提案書や要件定義書をもとに、スライド構成と話の流れを自動生成
- Excel のグラフや集計結果を、「いい感じのレイアウト」でスライド化
- 報告会議向けに、「要点だけの3〜5枚」に圧縮した資料を作る
6-2. プロンプト例
- 「このWordの提案書をもとに、30分の顧客プレゼン向けに10〜12枚程度のスライドを作って。」
- 「このExcelの指標を、管理職向けのダッシュボード風のスライドにまとめて。」
- 「この報告内容を、要点の箇条書きとシンプルなグラフ中心の3枚資料にして。」
6-3. 人間の出番
- スライドの強調ポイントや色使い、図解の仕方は、やはり人のセンスが大事
- 「この1枚で何を伝えたいか?」という メッセージ設計は、SE側が決める
コパイロットは、あくまで 「骨組みとたたきづくりの時間を一気に短縮するツール」 と捉えると、非常に心強い味方になります。
7. Outlook × コパイロット:メール地獄からの脱出
SEのメールボックスは、
- 障害報告
- 仕様確認
- 各種依頼
- 進捗報告
で常にパンク寸前。ここにもコパイロットが刺さります。
7-1. できること
- 長文メールを数行で要点だけに要約
- 過去のやり取りをもとに返信案を自動生成
- スレッド全体を読み取って、決定事項と残タスクを整理
7-2. プロンプト例
- 「このメールスレッド全体を要約して、決まったこと・未決定事項・自分のアクションを整理して。」
- 「この問い合わせへの返信案を3パターン出して。少し丁寧めで、技術的には正確さを重視して。」
- 「この一週間の障害関連メールだけを抽出して、件名・日時・概要を一覧にして。」
7-3. メリット
- “全文を読む前に”大まかな要点を掴める
- 返信文の1行目を書くまでのハードルがぐっと下がる
- 本当に考えるべきメールに集中できる
8. コパイロットに丸投げしてはいけないこと
便利だからといって、何でもかんでもAIに任せていいわけではありません。
特にSEとして注意したいのは、次のような領域です。
-
仕様決定そのもの
コパイロットは“提案”はできますが、利害調整やリスク判断は人間の役割です。
-
契約・法務に関わる文面の最終決定
ドラフトを作らせるのはOKですが、必ず人間+必要なら法務チェックを。
-
機密情報を含む具体的な内容の外部共有文書
特に社外向けメールや資料は、情報開示範囲に注意が必要です。
「ドラフトとアイデアはAI。最終責任と判断は人間。」
この線引きを常に意識しておくと、安心してコパイロットを使えます。
9. SE向け:プロンプト設計5つのコツ
コパイロットを“賢い部下”として使いこなすためのプロンプトの書き方を、SE向けに5つに整理します。
-
役割を伝える
「あなたはシステムエンジニア向けの資料作成アシスタントです」のように、前置きで役割を指定。
-
背景と目的を書く
「〇〇システムのリプレース提案のため」「マネージャーへの週次報告のため」など、何のためのアウトプットかを伝える。
-
対象読者を明示する
「非エンジニアの顧客向け」「インフラエンジニア向け」など、誰が読むかを指定。
-
出力形式を指定する
箇条書き / 表形式 / A4 1ページ相当 / スライド見出しだけ … など、フォーマットをはっきりさせる。
-
制約条件を書く
「専門用語は残してよい」「固有名詞は変えない」「番号付きリストは編集しない」など。
この5つを意識するだけで、コパイロットから返ってくるアウトプットの質が一段変わります。
12. 付録:すぐ試せるプロンプト集(Excel / Word / PowerPoint / Outlook)
最後に、「とりあえず今日からこれだけ試せばOK」というプロンプト例をまとめておきます。コピペして、実際の自分の文書名や状況に合わせて少し書き換えて使ってみてください。
12-1. Excel 用プロンプト例
-
テスト結果の集計
「このシートのテスト結果から、モジュール別の不具合件数と合格率を集計し、棒グラフで可視化してください。レビュー会議用の説明文も数行付けてください。」
-
工数・残業時間の傾向分析
「この工数表から、プロジェクト別・月別の残業時間合計を集計し、増減の傾向が分かるように折れ線グラフを作成してください。特徴的な変化がある月があればコメントしてください。」
-
障害ログの原因分析
「この障害ログを分析して、発生件数の多いエラーコードTOP5と、そのエラーが多く発生している時間帯と曜日をまとめてください。」
12-2. Word 用プロンプト例
-
議事録整形
「以下のメモをもとに、顧客向けの正式な議事録を作成してください。見出し、参加者、日時、決定事項、未決定事項、ToDo の構成にしてください。専門用語はそのままで構いません。」
-
要件定義書の要約
「この要件定義書を、非エンジニアの顧客にも分かるようにA4 1枚分で要約してください。背景、目的、システム概要、主な機能、制約の5項目で構成し、箇条書きを中心にしてください。」
-
設計書のレベル調整
「この基本設計書の説明文を、開発メンバー向けにもう少し技術的な内容を増やしつつ、読みやすく書き直してください。重要なパラメータやインタフェースは箇条書きにしてください。」
12-3. PowerPoint 用プロンプト例
-
提案書たたき台
「このWordの提案書をもとに、顧客への30分プレゼン用のPowerPoint資料を作成してください。10〜12枚程度で、課題・解決策・提案内容・スケジュール・体制・費用感・まとめ、という構成にしてください。」
-
障害報告資料
「この障害報告書とExcelの分析結果を参考に、管理職向けの報告資料スライドを5枚程度で作成してください。『概要』『原因』『影響範囲』『再発防止策』『今後のアクション』の5章構成にしてください。」
-
ふりかえり資料
「このプロジェクトふりかえりメモをもとに、チーム共有用の振り返りスライドを作成してください。Keep / Problem / Try の3セクションで、箇条書きを中心にまとめてください。」
12-4. Outlook 用プロンプト例
-
スレッド要約
「このメールスレッド全体を要約し、決定事項・未決定事項・自分のアクションアイテムをそれぞれ箇条書きで整理してください。」
-
返信案の作成
「このメールへの返信文を作成してください。相手に感謝を伝えつつ、こちらの認識を確認し、追加で必要な情報を丁寧に質問する内容にしてください。ビジネスメールとして自然な日本語にしてください。」
-
週次サマリ
「今週届いたこのフォルダ内のメールのうち、『障害』に関するものだけを対象に、件名・日時・概要・対応状況を一覧でまとめてください。」
13. セキュリティ・プライバシーの基本的な心構え
技術的な細部はMicrosoftの公式ドキュメントや自社に確認する必要がありますが、現場のSEとして最低限意識しておきたいポイントを挙げておきます。
-
「貼り付ける情報」は常に意識する
個人情報・機密情報・契約情報など、慎重な取り扱いが必要なものは、プロンプトへの貼り付け前に一呼吸置く。
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アクセス権限は“過不足なく”
Copilotは、基本的に自分がアクセス権を持っている情報だけを参照します。
不必要に広い権限を持っていると、意図せぬ情報がコンテキストに含まれる可能性もあるため、権限設計そのものも重要です。
-
ログ・監査の存在を意識する
組織によっては、AI利用に関するログや監査機能が有効になっている場合があります。
「会社の資産を使っている」という前提を忘れず、誠実に利用することが大切です。
🙌 最後に
この記事が「Copilot 触ってみようかな!」というキッカケになれば嬉しいです。
それでは、良いAIライフを〜🚀✨
