はじめに
2025年11月にKDDIアジャイル開発センター株式会社(KAG)へ、プロダクトオーナーリード(POL)として転職し、最初の1ヶ月が経過しました。この1ヶ月を振り返ると、まさに「キャッチアップの1ヶ月」でした。特に印象的だったのは、入社2日目にプロジェクトの主担当としてアサインされ、その2週間後にはキックオフを迎えるというスピード感でした。
この記事では、短期間でどのようにキャッチアップを進め、プロジェクトのキックオフを成功させたのか、その経験を共有します。
プロダクトオーナーリード(POL)という役割
まず、私の役割について簡単に説明します。
POLは、アジャイル開発、特にスクラムにおける「プロダクトオーナー(PO)」を支援する役割です。KAGでは受託開発を行う際、お客様側からPOを出していただくことが一般的ですが、アジャイル開発に不慣れな担当者が就くケースも多くあります。そういった方でも安心してPOに取り組めるようにサポートを実施します。
POLの主な役割
- プロダクトの方向性決定における意思決定のサポート
- 開発の優先順位決定のサポート
- その他、POとしての活動全般の支援(伴走)
求められるアジリティ
入社前は、入社後の動きとして、例えばサブ担当として徐々にプロジェクトに慣れていく、といった入り方のイメージを持っていました。しかし実際は、
- 入社2日目: オリエンテーション終了次第、プロジェクトの主担当にアサイン
- 同日中: 営業担当から案件概要の説明を受け、お客様先でご挨拶
- 2週間後: プロジェクトのキックオフ
キックオフまでには、そもそも新しい環境ということもあり、必要なキャッチアップ項目は山積みでした。プロジェクトに「全集中」とはいきません。
- 会社での仕事の進め方
- 新しいドメイン知識(未経験領域)
- POLという役割自体の理解
- 各種事務手続きや研修
また、お客様の前では「プロジェクトやドメインの理解は完璧です!」と、自信満々の姿勢で臨むことが必要でした。
キャッチアップを成功させた2つのポイント
結論として、良いスタートを切ることができました。短期間でうまくいった要因は大きく2つあります。
1. 周囲のメンバーの力強いサポート
ビジネスデザイン部のメンバー
私が所属するビジネスデザイン部には、POLや営業職など、お客様と直接価値を創出する役職のメンバーが集まっています。
- 営業担当やPOLの先輩・上司が、受注前の検討段階からの経緯を細かく情報共有してくれた
- 私の質問が溜まったタイミングで時間を割いて対話に付き合ってくれた
- 不明点や不安を対話しながら明確にしていくプロセスを支援してくれた
この人的な支援が、キャッチアップの大きな助けとなりました。
プロジェクトメンバー
スクラムマスターやデザイナーとも、キックオフ前に顔合わせを実施しました。各々が高度な専門性を持つことに加えて、
- 全員が自分の意見を持って発信できる
- 活発な対話と意見交換ができる
- 互いに質問やサポートし合える関係性
を備えており、これから一緒に仕事をするチームとして非常に心強かったです。(キックオフでも頼りになりました。)
2. Google Workspaceツールの効果的な活用
前職でのメインのビジネスツール類は、Microsoft系(WordやExcel)でしたが、KAGではGoogle Workspaceを採用しています。特に以下のツールが効果的でした。
Google Meet + Gemini
対話に集中しながら記録も残せる環境を実現しました。
- 会議中はメモを取らず対話に集中
- Geminiによる自動文字起こし
- 会議後は要約された議事録が完成
- 「さっき何を話したっけ?」という心配が不要に
NotebookLM
プロジェクトの情報整理と壁打ちに活用しました
投入した情報
- 対話の文字起こし
- 過去の検討資料(PowerPoint、Miro、Figma、HubSpot等)
- Web上に公開されているプロジェクトと関連性のある企業情報やビジネス情報
- 社内のPOL関連資料
活用方法
- 情報の整理と統合
- 壁打ち相手としての活用
- 自信を高めるためのサポート
全ての情報を1から読んで頭の中で繋ぎ合わせるのではなく、AIツールに整理を手伝ってもらうことで情報整理のスピードが格段に上がりました。この整理のおかげで、キックオフでも的確な説明や質問ができたと感じています。
運用上の課題と対応(キックオフ以降の話)
キックオフまでは上記のツールの使い方で、情報の精査などをあまりせずに情報を投入してもある程度期待通りの出力が出ましたが、プロジェクトが進行し、情報量が増えるにつれ新たな課題も見えてきました。
NotebookLMの情報管理
- 初期は何でも情報を投入
- プロジェクトの方向性変更等により、古い情報がノイズになることも
- 情報の選別とコンテキスト作りが必要に(これが結構めんどくさい)
現在は、これらの課題にも取り組みながら、ツールとうまく付き合いプロジェクトをより良いものにするべく日々奮闘しています。
まとめ
転職後の短期間でのキャッチアップは、以下の要素によって成功しました。
- 人: 頼りになるメンバーによる積極的なサポート
- ツール: Google Workspace(特にGemini、NotebookLM)の効果的な活用
この2つをうまく組み合わせることで、自信を持ってお客様をお迎えし、不安にさせることなくプロジェクトをスタートさせることができました。
新しい環境でのキャッチアップに悩んでいる方の参考になれば幸いです。