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「どうすれば最短最速で仕事ができるエンジニアになれるか?」

この問いに対し、「ハードワークをする」「業務後や休日もコードを書く」「最新の技術を追いかける」といったアプローチが語られています。

しかし、私自身が新卒の頃に抱えていた悩みは、ただそれらをこなすことではなく、「それをやるのは当然として、もっとその先に行けないか?」「さらに効率を上げて成長角度を高める方法はないか?」というものでした。

そうやって日々の業務で葛藤し、現場で活躍するエンジニアとそうでないエンジニアを観察する中で、見えてきた明確な共通点があります。語るべきトピックはいくつもありますが、今回はその中でも特に重要だと考える「2つ」に絞って綴ります。

※ 本ページはプロモーションが含まれています

まず結論として、私は以下の要素が鍵になると考えています。

  1. 短期的なアウトカムではなく、中長期的な生産性の最大化に時間を投資すること

  2. 外部から情報をキャッチアップし、今のプロジェクトに「還元」する習慣を持つこと

順に説明していきましょう。

①短期的なアウトカムではなく、中長期的な生産性の最大化に時間を投資すること

「エンジニアとして最速で成長するにはどうしたら良いか?」 毎年新入社員から挙がるこの問いに対して、「結局のところ、時間を投下した人間が勝つ」という回答はよく耳にします。

私自身、この意見には概ね賛成です。事実、自発的に残業やハードワークに時間を割いているエンジニアの方が、成長の立ち上がりが早い傾向にあるのは間違いありません。なのでキャリアの早期により成長の角度を高めたいと思っている若手エンジニアの方々には、出来る限り最大限のハードワークを私はおすすめします。(※ 当然、身体を壊さない範囲でお願いします)

しかし、時間を投下した人間が必ず、「最短・最速」で成長しているかと言われると、そうとも限りません。エンジニアの仕事はそこまで単純なものではないのです。同じ時間を投下していても、そのハードワークの「中身」によって成長曲線には明確な差が生まれます。(※ちなみに、成長しやすいタスクとそうでないタスクといった仕事内容による差もあります。が、若手のうちは仕事を選べない環境も多いため、今回は度外視します。仕事内容についての深掘りはまた別の機会に。)

では本題です。皆さんがあるタスクにアサインされたとき、以下のようなプロセスで取り組んでいませんか?

  1. タスク内容をAIに渡す
  2. AIからいくつかプランが提示される
  3. なんとなく良さそうなものを実装してみる
  4. 結果を見る → エラーや不足箇所を見つける
  5. AIにエラーを投げて修正案をもらう → 再度試す → 不具合を見つける……

このように、AIの提案や検索で見つけた解決策、あるいは思いつきのアイデアを順に試すような試行錯誤を繰り返している方は少なくないはずです。タスクに対してああでもない、こうでもないと試行する。正解を突き止めるために、思いついた解法を順に総当たりで試すようなアプローチです。

この場合、確かにハードワークや残業をしていると試行回数が増えるため、定時帰りの人よりは成果が出やすくなります。

しかし、これは本質的な成長と呼べるでしょうか。この時間は「中長期的な生産性」を上げているでしょうか。

ハードワークで頑張っているつもりでも、実はその時間の大半が、AIとエディタの間でコードをコピペして往復するだけの「作業的な時間」になっていないでしょうか。

また仮に偶然正解を引き当ててタスクが完了しても、次に似た問題に直面した際、また1から総当たりを試すことになりませんか?

このような状態では、あなたのレベルはそこまで上がっていません。(※頑張っている時点で、そうでない人と比べてあなたが素晴らしいことは大前提です。)

小規模なタスクであれば、この試行錯誤を総当たりする戦法でも事足りるでしょうが、一定以上の規模のプロダクトや難易度の高いタスクになるとそれは困難になっていくでしょう。

キャリア初期のハードワークで重要なことのは、タスクを早く終わらせる「短期的なアウトカムの追求」ではなく、次回以降の自身のタスク処理速度を上げる「中長期的な生産性の最大化」に時間を使うことです。

そのために必要なのが、「仮説思考」と「理解の最大化」の2つが重要であると私は考えています。

仮説思考:最適解を1回で突き止める精度を上げる

限られた情報から「なぜこの事象が起きているのか」 「どこを修正すれば解決するのか」について、手を動かす前にまずは自分なりの仮説を立てると良いです。

初めのうちは立てた仮説の大半が的外れでしょう。そのためハードワークで時間を増やし、脳死で総当たりの試行回数を増やした方が、アウトカムを出す速度は速いかもしれません。

しかし、仮説を立てる力は、仮説を立てた分だけ磨かれます。脳内のシミュレーション精度が磨かれ、中長期的には「一回の試行で正解に辿り着く」確率が飛躍的に高まり、結果的に生産性が一気に向上します。「色々な経験を積んだ結果、過去の類似事例を参考にすることで仮説を立てられるので、今のレベルだと無理だ」

そう思うかもしれません。事実、そういった側面は十分にあります

しかしそこに甘んずることは、「とりあえず数年仕事を頑張ったら成長する。そのうち時間が解決するよ」という思考停止のアドバイスと本質的に何か異なるでしょうか?未熟なうちからでも、仮説を立てる負荷をかけることが重要です。

理解の最大化:1つのタスクから100を学ぶ

もう一つ重要なことは、試行結果の成功や失敗を問わず「なぜその結果になったのか?」を深く腹落ちさせることです。

この感覚は「受験勉強」に近いと私は思っています。模試の後にただマルバツをつけて終わることはせず、間違えた問題や偶然当たった問題の関連箇所を教科書や参考書で復習し、周辺知識を含めて理解を深めていたはずです。エンジニアリングにおいてもこの感覚が極めて重要になります。

短期的な成果を出すことに焦って頑張るほど、この「理解」の工程がおろそかになります。理解を伴った経験を積むことで、将来のタスク完成速度は指数関数的に速くなっていきます。

ただ現実問題として、仕事中はどうしても納期やタスクの消化が優先されます。業務時間内に延々と根本的な技術の深掘りをするのは難しいでしょう。 だからこそ、業務で直面した内容の復習や、技術の深い理解に向けた深掘りは「業務時間外」に行うのが現実的かつ効果的です。ここで初めて、冒頭に言及したハードワークが成長の最大化として活きてくるのだと思います。

副産物:質問の質の向上

ちなみにこれらを意識して仕事に取り組むと、先輩エンジニアへ行う質問の質が劇的に向上します。

「動きません」という丸投げではなく、「構造上、AかBに原因があると仮説を立て、Bを検証した結果Cでした。なぜCになったのかの理解が足りておらず、Aの切り分け方について助言が欲しいです」と伝えられるようになります。

詰まっている箇所と検証プロセスが明確なため、回答する側も即座に的確なアドバイスを返すことができます。また経験上、こちらが何を答えたら良いかがわかりやすい、明確な質問をする若手は「しごでき」判定をされる確率が高い気がします。

この気づきを得るために参考になった2冊

私が若手時代、この一つ目の結論に気づく大きなきっかけとなった本を紹介しておきます。上述の内容をより深い解像度で理解したい方は必読です。

イシューから始めよ
仮説の重要性を強烈に教えてくれた本です。がむしゃらに作業量だけで解決しようとするアプローチを本書では「犬の道」と定義し、いかに効率が悪いかを説いています。コンサルの方向けの本だと思いますが、エンジニアの我々も十分参考になると思います。

世界一流エンジニアの思考法
トップクラスのエンジニアほど「手を動かす前に仮説を立て、仕組みを深く理解すること」に時間を投資している実態が、現場のリアルな解像度で書かれています。「理解を最優先、安易な試行錯誤は悪」という主張を、具体的なプラクティスとして学べる一冊です。

②外部から情報をキャッチアップし、今のプロジェクトに「還元」する習慣を持つこと

1つ目のトピックで触れた「仮説思考」と「理解」は、言わば目の前のタスクを起点としたアプローチです。これだけでも日々の業務スピードは圧倒的に速くなります。

しかし、最短最速で仕事ができるエンジニアになるためには、もう一つ欠かせない要素があります。それが、外部から主体的に情報を仕入れ、自分のプロジェクトに「還元」する習慣です。

なぜ「今のプロジェクト外」から情報を仕入れる必要があるのか?

なぜ外から情報を仕入れる必要があるのでしょうか。それは、目の前のタスクだけをこなしていると、「その現場のやり方(既存のアーキテクチャやローカルルール)」に過剰に最適化されてしまい、技術的な視野が狭くなってしまうからです。

外部の技術トレンド、他社のテックブログ、Xなどで話題になっている技術情報。これらをただ「へー、新しい技術が出たんだ」と傍観するのではなく、
「これを今の自分のプロジェクトにどう適用できるか?」
という視点でインプットを行うのです。

具体的なアクション例

例えば、以下のようなケースです。

リスクへの先回り

2026年3月31日、axiosというnpmパッケージに脆弱性が発覚しました。具体的にはaxiosのバージョン1.14.1と0.30.4に悪意のあるコードが混入され、リモートアクセス用のトロイの木馬が配布された疑いがあり、世界中を震撼させました。

参考

こういったニュースを見たときに、自分のプロダクトに該当のバージョンが入っていないか(間接的な依存関係を含む)を即座に調べたり、今後のセキュリティ対策を鑑みて、例えば postinstall スクリプトを無効にする設定を提案したりする動きです。

コスト削減

2026年4月、InterfaceXのmikana0918氏が公開した「genshijin」プロンプトでは、Claude Codeに「原始人みたいに喋れ。中身は全部残せ。無駄だけ消せ」と入れるだけ。ベンチマークで平均1483トークンが296に減り、80%削減を実現し料金を5倍長持ちさせることが報告されています。

参考

もしプロジェクトでClaude Codeを利用している場合、このプロンプトを活用することで費用を大幅にコストカットできる可能性があります。

※1 精度が低下するというトレードオフの意見もあります
※2 こういうハック系は短期的なもので、少し時間が経つとプロバイダー側が進化して「余計なことをしない方が良い」となる可能性がある点には注意が必要です

ここでは2つの例を出しましたが、あなたにとって最も重要なのは「これらを実際にやるかどうか」ではありません。
「こうした情報がいち早くあなたの目に入っているか」
そして
「その情報を自身のプロジェクトにどう適用できるか、を考える習慣があるか」
ここが極めて重要です。

このサイクルが回り始めると、エンジニアとしてのステージが一段階上がります。

目の前のタスクの理解を深めるだけでは、あくまで「人から振られたタスクを早く正確にこなす優秀な作業者」に留まります。しかし、自ら外部の知見を現場に持ち込み「還元」できるようになると、自ら課題を見つけ、解決策を提示する「提案者」や「意思決定者」へと変わります。

日々の業務からの深い学びで足元の生産性を固め、外部からのキャッチアップで現場に新しい価値をもたらす。この両輪が回っている状態こそが、最短最速で「しごできエンジニア」へ到達するための最強のロードマップだと私は考えています。

最後に

今回は、エンジニアが最短最速で成長するために私が必要だと考える要素を書きました。毎日のハードワークの中で「今のやり方で本当に成長できているのか」と立ち止まる際の、一つの判断基準になればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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