はじめにの前に
- 弊社では一般社員が毎週1人スピーチをすることになっていて,その話題に考えていたもの。
- 説明用資料を一式用意した。
- スピーチとは「会話だけで成り立たせるもの」というような定義を見かけたので写真無しで説明を試みようとした。
- 写真無しだと伝えにくいと思い始め取りやめ。別の話題を考えた。
- 考えたのにお蔵入りは寂しいのでこちらに公開。
はじめに
- 玩具の遊び方がマシュマロチャレンジと同じであると感じた話。
- アジャイル開発とウォーターフォール開発について少しだけ再考。
概要
- 息子の新幹線,電車遊び(レールづくり)を手伝って,観察して気付いたこと。
- アジャイルを無意識に実行しているように見える。
- マシュマロチャレンジで保育園児(相当の年代の子ども)が高得点を出す理由と同じではないかと気づく。
- 息子が成長し頭を使ってレール組み立てるようになってきた。
- これはウォーターフォール開発ではないかと気づく。
- さらに成長するとまたアジャイルのような組み立て方をするのかどうか楽しみ。
詳細
レール遊び
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息子のレール遊び。レールを自分で組み立てて,新幹線や電車の玩具を走らせる。
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息子が2-4歳ころは,レールを作ってくれとせがまれるので手伝うことが多かった。
大人が作る
その1
その2
- 左右対称,規則通り。
- 4つの曲線レールをつなげると180度になることを徹底
- 直線レールの長さは守る
- 立体にするときの高さも揃える
- 最初に設計しその通り組み立てる。
- 途中で誤りに気付くと下のレールから組み直すときも。
- 出来上がってもあまり面白みはない。
- 息子はある程度満足して遊ぶ。
補足
- こうなる理由としては以下。(すべて大人の都合)
- 失敗したくない。
- 時間をかけたくない。
- スペースの都合(生活空間を侵食されない規模に抑えたい)。
息子が作る
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3歳くらいから自分でもレールを作るようになった。
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作るときに完成図は無い。
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通常とは違うレールの使い方をする。
- 立体にはできない想定のレールを上に持ち上げている
- ブロック1つ分の高さ無視
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個々のレールをつなげるとき,最大でも2つ先くらいまでしか見えていない。
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運良くどこかとつながってループ(一周できるよう)になることもある。そうなるまで試行錯誤。
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親の贔屓も多分にあるが割と面白いレールが出来上がっているように思う。
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大人が作ったレールと比べ遊びもあって楽しそう。一度入り込むともとに戻れない領域があるように見えて戻ることができるなど。
後日
- 成長し5-6歳ころになると,おそらく設計図のようなものを思い浮かべてから作るようになってしまった。
少し考えられている
随分考えられている
- ここで,成長したことにより息子が無意識にウォーターフォール開発に気付いたのではないかと思った。
- 作ったレールは一見すると素晴らしく見えるが,実際は走る様子等想像できてしまい,あまり面白み(遊び)がない。
- さらに成長するとまたアジャイルのような組み立て方をするのかどうか楽しみなところ。
考察
- マシュマロチャレンジで保育園児(相当の年代の子ども)のスコア(マシュマロの位置)が高い理由として挙げられる「出来の悪いプロトタイプを何度も作る」に当てはまる。
- おそらく3-5歳あたりの子どもは,出来上がりを楽しむのではなく作る過程を無意識に楽しんでいるので,狙って「出来の悪いプロトタイプ」を作っているわけではない。
- 息子も同じで走らせることのできるレールを作りたいのであって,「出来の悪いレール」は作りたくないが作るときは目の前のことに必死で結果,試行錯誤や失敗をしているよう。
- 試行錯誤が多く時間もかかったり,諦めたり,途中で大人に任せたりすることもあるが,結果面白いレールが出来上がるのではないか。
システムに当て嵌める
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あくまでも個人的な意見,かつ少し強引な当て嵌め。
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やはり一概にウォーターフォールはよくないとは言えない。今回の例でも以下の内容に示されている。
- 試行錯誤の時間が長い
- 最終的にまともな(遊べる)レールになるかどうかわからない。
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しかし弊害も多い。
- 目標が明確ではあるが,視野は狭まり自由度はない。
- 途中でよい設計を見つけても戻れない。
- 現実的にはやり直しが効かない。
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システム開発が盛んになるにつれ以下の流れがあったのではないかと予想。(息子の成長になぞらえて)
1 初期のころは手探りで開発(結果アジャイルに近いが品質荒い)。3歳ころ。
2 ウォーターフォール開発という手法を発見。4,5歳ころ。
3 ウォーターフォール開発が最善の手法とされ蔓延。息子は今このあたりにいる(と思われる)。
4 システムの分野では欠点が多いことに気付き,他の開発手法が考案される。 -
開発の責任者(多くの場合PM)からすると,何が出来上がるかわからないというのは不安なので先に設計を考えて早く設計通り作ってしまいたいという願いから,ウォーターフォールはある種安心を得られるやり方なのではないかと思う。
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今回の例でいうと例えば親は子どものお手伝いを早く済ませて残っている家事を済ませたい,ということと同じではないか。
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目の前のことだけ見ると早く済ませたいが,子どもとの触れ合いや,一緒に遊ぶことによって子どもが満足するといったものを省いている。
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エンジニアの成長を責任者(PM)の都合で止めてもいいのかというような話にも通じるのではないか。