はじめに
皆さん、こんにちは!
この記事では、2025年12月1~5日にラスベガスで実施された AWS re:Invent 2025 での発表内容に関して、いくつかピックアップし、現地の写真とともにお届けしたいと思います。
目次
- AWS re:Invent とは
- Keynote のハイライト
- 新サービス / 機能の発表
- 現地で参加したセッション
- おまけ
AWS re:Invent とは
- 約6万人以上の参加者が集まる、AWS主催の世界最大級のテックカンファレンス
- Keynoteやハンズオンなど約2,400超のセッションが開催され、クラウド技術の最前線を体験可能
日程
2025年12月1日(月)~5日(金)
Day0 として、11月30日にハリーリード国際空港や各ホテル会場で事前にバッジを受け取ることができます
会場
下記の画像の黄色のホテルが会場になっています。(といいつつ、Encore はほとんどいきませんでした)
セッションの種類(Keynote、Breakout、Workshopなど)
一部、抜粋ですが主要なセッションをまとめてみました
| Session Type | 説明 |
|---|---|
| Keynote | 全体方針や最新技術を紹介する基調講演 |
| Breakout | 特定技術や製品を深掘りする講義形式 |
| Workshop | 実際に手を動かして学ぶハンズオン(当日発表された新サービスも運が良ければ試せるかも?)※現地 Only |
| Innovation talk | 新技術・先進事例・将来の方向性を紹介する、インスピレーション重視の講演 ※現地 Only |
| Gamified learning | クイズや競争形式で楽しみながら学べる参加型学習コンテンツ ※現地 Only |
| Code talk | 実際のコードやデモを用いて実装ノウハウを直接解説する開発者向けセッション |
| Chalk talk | ホワイトボード形式で参加者の質問に応じつつ双方向で議論するセッション |
| Builders‘ session | 少人数制で講師の指導を受けながら行う実践型ハンズオン ※現地 Only |
Code talk や Chalk talk は一部オンデマンド配信がありました
Keynote のハイライト
① Matt Garman
今回の新サービスなどのKeynoteでの発表により、AWS 提供の基礎モデルの上で、顧客独自の環境にカスタマイズされたエンタープライズレベルでの AI 活用が、より容易に実装できるようになっていくと感じました。
Architecture
➡️ Trainium 3 Ultraなどによる最高の価格性能比を実現し、AWS AI Factoriesにより顧客自身のDC内に、AWS専用のAIインフラを展開することで厳格な規制要件への対応を強化
Inference Platform
➡️ 生成AIの本番導入を加速するため、Amazon Bedrockを中心にモデル選択の自由を拡大し、Nova 2(マルチモーダル推論)などで高度なユースケースを一つのプラットフォームで実現
Your Data
➡️ 企業独自のデータ活用がAI価値創出の鍵とし、Nova Forgeなどでドメイン特化モデルの容易な構築、差別化されたナレッジの組み込みが可能に
Tools to build Agents
➡️ エージェントの安全かつ予測可能な運用の実現に向けた制御・評価機能の追加、およびFrontier Agentsによる自律的な自動化でエンタープライズ規模でのAI活用を推進
② Werner Vogels
人間とAI(技術)の役割が再定義されていく中で、業務の進め方や個々人の活かし方といった観点で組織全体の文化の変革が求められると感じました
開発者自身が進化を続ければ、AIに取って変わられることはない
➡️ COBOLからオブジェクト指向、オンプレからクラウドといった時代の進化のように開発者自身も変革を続ける必要がある。
ルネサンス開発者の5つの資質( AI の黄金時代がルネサンス期に似ているという考えから)
1. 好奇心(継続的学習、失敗を許容、通常の環境外の他の人からの学び)
2. システムで考える(単一ではなく全てはより大きなシステムの一部で全体の振る舞いを理解する)
3. コミュニケーション(他部門と対話し曖昧さを減らしていく)
4. オーナーシップ(AIがコードを生成する速度は、人間がそれを理解する速度よりも速いが、品質への責任はエンジニアにある)
5. 博識(特定の分野での深い専門知識に加え、幅広い分野の知識を持つT字型開発者を目指す)
新サービス / 機能の発表
エグゼクティブサマリ(一部抜粋)
| カテゴリ | 主な新サービス・機能 | 概要 |
|---|---|---|
| Compute & Networking | ・EC2 P6e-GB300 UltraServers, X8iなど ・Trainium4 ・AWS AI Factories ・Lambda Durable Functions |
顧客ごとのAIインフラの専用化により、LLMの学習・推論を高速化し、ハイブリッド戦略を効率的に推進することが可能に |
| Storage & DB | ・S3 Vectors ・Intelligent Tiering for S3 Tables ・Optimize RDS for SQL Server vCPU ・Database Savings Plans |
ベクトル検索やSavings Plansの導入で、生成AIや分析基盤の長期運用コストを最適化し、性能・コストバランスを保ちながらデータ活用を加速 |
| AI/ML | ・Amazon Nova 2 Pro, Lite, Sonic, Omni,Forge ・Amazon Bedrock AgentCore Policy, Evaluations ・Frontier Agents ・AWS Transform |
マルチモーダル対応モデルやAgent管理基盤などにより、カスタムAIの民主化が進み、企業が独自価値を持つAIを迅速に構築可能に |
| Governance & Security | ・GuardDuty Extended Threat Detection(ECS) ・Security Hub |
リスク管理において、設計段階での予防が可能となり、ゼロトラストの強化を実現 |
具体的な新サービス / 機能
① Compute & Networking
✅ 所感
新しいEC2ファミリーとAI専用のUltraServersなどにより、大規模モデルの学習・推論が高速化し、オンプレとクラウドのハイブリッド戦略の需要をうまく取り込んでいくことが重要
■ 新しいEC2インスタンスファミリー群(下記以外にも X8i, C8a, M8azn, M3 Ultra Macなど)
-
P6e-GB300 UltraServers(GA) : 推論・超大規模モデル向けに最高メモリ&計算性能を提供
-
Trainium4(設計中):次世代AIチップ、NVIDIA互換性を強化
-
Trn 3 UltraServers(Preview) : 従来比の約4倍の学習性能と電力効率でメモリ帯域も向上。Bedrockでも本番ワークロードで活用
-
AWS AI Factories(GA) : 顧客専用のAWS AIインフラを、顧客自身のデータセンターにデプロイ可能にするサービス
-
Lambda Durable Function(GA) : 数時間や数日間にわたる長時間実行ワークロードを、容易に管理できるようにする機能
② Storage & DB
✅ 所感
- S3の新機能により、AI検索やレコメンド向けのベクトルデータを単一バケットで低コストに管理したり、S3テーブルをリージョン間で自動レプリケートしてDRやグローバル分析を簡素化するなど柔軟性がより一層向上して存在感が増していく
- データベースやベクトル検索といった運用負荷を大幅に削減し、コスト効率とスケーラビリティを強化することで、より高速・低コストなデータ活用が可能になる
■ Storage
- S3 Vectors(GA) : 単一のS3バケットで数十億のベクトルを保存し、ストレージとクエリのコストを90%削減
- S3 Tables向けのIntelligent tiering:S3 Tableバケット内のデータに対して自動的にストレージコストを最大80%削減する
- S3 Tablesの自動レプリケーション : AWSリージョン間およびアカウント間で自動的にレプリケートできるようになり、どこからでも一貫したクエリ性能を担保
- S3 最大オブジェクトサイズ拡張 : S3の最大オブジェクトサイズが従来の5TBから10倍の50TBに増加(音楽だと約1,000万曲)
- S3 バッチオペレーション : 大規模なバッチジョブの性能が改善され、実行速度が10倍高速化
■ DB
- Database Savings Plans(GA) : データベースサービスの使用全体で最大35%のコスト削減を可能にする、新しい統一されたSavings Plansが提供開始
- RDS for SQL Server向けvCPUの指定 : SQL Serverデータベースインスタンスで有効にするvCPUの数を指定可能になり、MicrosoftからのCPUごとのライセンス費用を削減可能
- EMR Serverlessのストレージプロビジョニング不要 : ローカルストレージをプロビジョニングする必要性がなくなり、大規模データ処理の管理負担が軽減
- Amazon OpenSearchのベクトルインデックス向けGPUアクセラレーション : ベクトルインデックスの作成が10倍速くなり、コストを1/4に削減
③ AI / ML
✅ 所感
- 企業は独自データでカスタムモデルを構築し、そのモデルを活用するAIエージェントを安全かつ高品質に運用可能となることで、エージェント開発が大幅に加速していく
- それぞれ異なるフェーズをエージェントが担当し、共通のコンテキストを持ちながら自律的なやり取りによってより完全なエンドツーエンドの自動化が進んでいく
■ Amazon Nova 2ファミリー(GA)
- Nova 2 Pro : 高度で複雑なワークロード向けの最もインテリジェントな推論モデル
- Nova 2 Lite : 幅広いワークロードに適した、高速かつ費用対効果の高い推論モデル(ツールコーリング、コード生成、ドキュメントからの情報抽出など)
- Nova 2 Sonic : リアルタイムで人間のような会話型AIを実現する次世代の音声テキスト変換(speech-to-speech)モデル
- Nova 2 Omni : テキスト・画像・動画・音声を入力し、テキストと画像を生成できる業界初の統合マルチモーダル推論モデル
- Amazon Nova Forge(GA) : 企業がAWSと独自データを組み込み、Amazon Novaモデルを基盤にカスタマイズできる仕組み
- Bedrock AgentCore Policy : エージェントのツール利用やアクションを自然言語で定義し、安全な自律実行を実現する
- Bedrock AgentCore Evaluations : エージェントの正確性・有害性などをビルトインまたはカスタム評価で継続的に評価する
■ Frontier Agents (Preview)
- Kiro Autonomous Agent : 開発ワークフローと並行して動作し、バックログから複雑なタスクを自律的に完了するだけでなく、既存ツールと連携しコード修正・機能追加・テスト実行などを継続的に学習しながら自動化する
- Security Agent : 設計レビュー・脆弱性スキャン・侵入テストを自律的に実行し、GitHubや既存ツールと連携により複数アプリの同時テストや修正コード提案まで自動化する
- DevOps Agent : インシデント発生時にテレメトリやコード、CI/CDデータを関連付けて根本原因を特定し、修正案の提案および実行を自動化する
④ Governance & Security
✅ 所感
検知 から可視化・分析 、 優先度づけ 、そして対応といったセキュリティ運用フローがAWSネイティブでより一気通貫になり、環境やリージョンに関わらず情報収集の手間が省け、MTTD/MTTRの短縮や監査コストの低減につながる
- GuardDuty 拡張脅威検出の強化 : ECSクラスター内の不審なプロセスやネットワーク通信など複数の攻撃シグナルを相関分析し、攻撃シーケンスとして検出・可視化する機能で、追加料金なしで利用可能
- Security Hub(GA) : 強化されたSecurity Hubが一般提供を開始し、ニアリアルタイムのリスク分析、最大一年間の履歴データのトレンドダッシュボード化など統合的なセキュリティプラットフォームとなった
- CloudWatch Unified Data Store : 運用・セキュリティ・コンプライアンスのログやメトリクスを単一のデータストアに統合し、収集・整備・保存・分析を一元化することで、横断的な可観測性と高速なインサイトを提供する
現地で参加したセッション(抜粋)
■ Workshop
① [NEW LAUNCH] AWS Security Agent: Get started with AI-powered proactive AppSec
📝 概要
設計書のセキュリティレビュー、GitHub連携によるコードレビュー、そして実際のアプリに対するペネトレーションテストを実施するハンズオン
✅ 学び
- Kiroでspec drivenにアプリを開発して、その設計書をAgentに読み込ませるという改善サイクルを高速で回すことが可能
- Githubとの連携でセキュリティの検出結果と修復ガイダンスをプルリクエストに自動的にコメントするなど、組織独自の要件で継続的なコンプライアンスレビューを推進

② [NEW LAUNCH] Resolve and prevent future operational issues with AWS DevOps Agent
📝 概要
CloudWatchアラームやDynatraceとの統合により、アプリケーショントポロジからのリアルタイムでのインシデント調査/改善提案の自動化を体験するハンズオン
✅ 学び
- サードパーティツール横断でアラートを分析して推奨アクションを提示してくれるため、ファーストステップで迅速な対応が可能になる(思考の過程も見れるため信頼性も担保)
- Agent space+IAMロール単位で権限範囲を細かく制御できるため、プロジェクトや環境ごとに分離

■ GameDay & Jam
① AWS GameDay : Cloud Architecture ft. Datadog
📝 概要
ETL処理やIAMの権限設定といったデータモダナイゼーションやDatadogを活用したログ解析によるエラー改善などをテーマにチーム対抗のゲーム形式で実践的に学ぶ
② AWS Jam : Security-Sponsored by PaloAlto Networks and Fortinet
📝 概要
ネットワークセキュリティやAIを活用したセキュリティ強化をテーマに実戦形式で課題を解決していく
✅ 学び
触ったことのないリソースが出てきたり、いざ問題を解決しようとしても知識と実際の対応方法の引き出し方が難しかった(海外の猛者と一緒にプレイしたが問題解決のスピード感がものすごかった、、)

■ ChalkTalk
① [NEW LAUNCH] From prototype to production: Scaling agents with Amazon S3 Vectors
📝 概要
数十億ものベクトルを保存できるS3ベースのスケーラブルなベクトルデータベースで、OpenSearchとの統合やメタデータ管理で検索精度を向上
✅ 学び
- 顧客の要件に合わせてS3 Vectorsで低コストに大規模データを保持しつつ、必要に応じてOpenSearchで高速検索ができる(使い分けが可能)
- JSONベースのメタデータでドメイン固有の属性を付与でき、パーソナライズや高度なフィルタリングができる(エージェントの精度向上にもつながる)

② Applying AI for FinOps and FinOps for AI
📝 概要
AIワークロードのコスト最適化手法(Savings Plan、GPU利用率監視、トークン管理)と、AWSのAIサービスを活用したFinOpsの自動化
✅ 学び
- まずはコミットメントの利用を検討する(Savings Plan、Capability Blocks、Bedrockのプラン選択)
- AIのコスト削減として、小型モデルで入力プロンプトを簡略化&圧縮、システムプロンプトで完結に回答するよう制御したりキャッシュを有効活用する

③ Building governed agents with Human-in-the-Loop
📝 概要
エージェントの自律性には過剰な行動といった副作用もあるため、順序を固定化するのではなく最終的な制約と人の承認を必須化するようにポリシーで構造化し、柔軟性と安全性を両立する
✅ 学び
- InvocationレベルではまずPolicyのルールをチェックし、Input/OutputレベルではGuardrailsで機密情報などの遮断を実施するといったフローが今後は必要になりそう(Agent Gateway→Interceptor→Policy→Guardrails)
- プロンプトの応答や拒否傾向を監視・評価して、Policyルールやシステムプロンプトを改善していく

■ Breakout
① [NEW LAUNCH] Improve agent quality in production with Bedrock AgentCore Evaluations
📝 概要
AIエージェントの自律的な性質によって生じる信頼性のギャップが、本番利用を阻む主要な課題であり、AgentCore Evaluationsによって継続的な自動評価を実行し、エージェントの品質低下をプロアクティブに検知・改善する
✅ 学び
- これまでの定期的な評価から組み込み/カスタム評価指標をもとに、継続的かつ自動的なオンライン評価が可能になったため、改善ライフサイクルを高速化できる
- エージェント評価のベストプラクティス
おまけ
re:Play
外で実施され、日中と比べて寒いため、上着をきこんでいくことをおすすめします
会場でのご飯
ランチボックスも用意されていますが、個数は限られているため、はやめに取りに行く方がいいと思います
Expo や Swag など
Expo では企業ごとに Swag を用意していたり、夕食の時間帯に Community Event などが複数開催されているため、事前にチェックしておくと良いかなと思います
終わりに
イベント全体を通して AI Agent や AI に関連したセッションがほとんどで、企業独自の AI Agent の開発が今後は加速し、その中でエンジニアとの密な連携が必要になってくると感じました。
AI Agent を構築するだけでなく、それを今後どのように制御してセキュアに管理していくかという部分が重要だと感じましたし、海外のエンジニアとも意見交換できモチベーションにも繋がる機会にもなり、非常に貴重な経験でした。
皆様も機会があればぜひ参加してみてください!以上、re:Invent に現地で参加してみた話でした。
- AWS は、米国その他の諸国における Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
- GitHub は、GitHub Inc. の商標または登録商標です。
- その他、記載されている会社名および商品・製品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。






















