概要
LoRaWANデバイスは日本では欧州・中国メーカーが話題になりがちですが、カナダ・カルガリー発の TEKTELIC は、産業用IoTの現場で堅牢さに定評のあるエンドツーエンド型ベンダーです(ゲートウェイ/センサー/ネットワークサーバー/アプリを一社提供)。
今回、日本向け(AS923-1, 920MHz帯)の機材提供を受け、ゲートウェイ1台+センサー4種を、3つの異なるLoRaWANネットワークサーバー(NS)— ChirpStack / The Things Network / TEKTELIC KONA Core — で横断検証しました。結論として、4デバイス×3NSの全組み合わせで、OTAA登録からペイロードデコード、Webhook連携、ダッシュボード可視化までエンドツーエンドで動作しています。
LoRaWANのデバイス選定やNSの乗り換え可搬性を検討しているエンジニアの参考になれば幸いです。
ポイント解説
1. エンドツーエンドを一社で完結できる
デバイス・ゲートウェイ・NSが同一メーカーで揃うため、商用案件で問題が起きたときの切り分けと責任の所在が明確です。特に純正NSの KONA Core は、ゲートウェイ接続が証明書不要の MQTTクレデンシャル方式(ポータル発行のユーザー名/パスワードを設定するだけ)で、Basics Stationの証明書運用に比べ導入が軽い。自社センサーのデバイスモデルが最初から登録されており、機種選択だけで無線パラメータが揃うのも純正ならではでした。
2. 産業環境をカバーするハードウェアの守備範囲
検証した4種はいずれもLoRaWAN Class Aの電池駆動で、用途が明確に住み分けられています。CO2・IAQの BREEZE(NDIR方式、約5分間隔で400〜1,700ppmの変動を取得)、温湿度の COMFORT、コールドチェーン向けで 実際に冷凍庫で-20℃前後から安定送信できた TUNDRA、土壌水分・地温・照度の農業向け CLOVER。民生センサーでは動作保証外になる低温域までカバーできるのは寒冷地メーカーらしい強みです。
3. どのネットワークサーバーでも動く標準準拠の可搬性
同一デバイス・同一ゲートウェイを3種のNSで動かし、いずれも問題なく動作しました。GW接続方式や登録手順はNSごとに異なります。
| ChirpStack | The Things Network | KONA Core | |
|---|---|---|---|
| 性格 | OSS・自営 | 大手マネージド | メーカー純正 |
| GW接続 | Semtech UDP等 | Basics Station | MQTT(TLS+資格情報) |
| 外部連携 | HTTP/MQTT | Webhook | HTTP v2 Integration |
| 向く場面 | フルコントロール | 試作・小規模 | TEKTELIC商用構成 |
自社ダッシュボード側でNSごとに異なるWebhookのJSONスキーマを吸収する設計にしたため、NSを切り替えてもダッシュボードはそのまま使えました。「OSSで自営」「まずTTNで試す」「純正マネージドに任せる」いずれの顧客要件にも、同じデバイスで応えられます。
まとめ
「堅牢さ」「用途の広さ」「NSを選ばない可搬性」を重視するなら、TEKTELICはLoRaWANデバイス選定の有力な選択肢です。異常系(-20℃環境や電源断など)に強く、NS乗り換えの実例が少ない中で3種横断の動作を確認できたのは実務的にも収穫でした。
詳細はTechblogで
各センサーの取得データ、3NSそれぞれの構成手順、KONA CoreのData Converter(JavaScript)やHTTP v2 Integrationの詳細、ダッシュボード連携などの技術的な詳細は、当社Techblogをご覧ください。
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