はじめに
皆さんこんにちは。Nuxtが大好きな高校生のEita Kobayashiと申します。
今回はNuxtの開発元、NuxtLabsがVercelに買収された個人的な意見や現時点での最新情報を中立的な視点からお伝えしたいと思います。
私は正直悪いことより良いことのほうが多いと思っています。
日本標準時 2025/07/08 夜 公式からのお知らせ(twitter)
突然公式からこのようなお知らせが飛んできました。(AI翻訳版)
NuxtLabsがVercelに参画します
当初から、NuxtLabsでの私たちの使命は、高速で美しいアプリケーションを構築するための最高の開発体験を創造することでした。私たちがNuxtをMITライセンスのオープンソースフレームワークとして構築したのは、優れたツールはアクセスしやすく、透明性があり、コミュニティ主導であるべきだと信じていたからです。
私たちは長年、時間とエネルギー、リソースをNuxtに注ぎ込んできました。そしてそれを通じて、私たちは単なる製品だけでなく、コミュニティも築き上げました。私が日々誇りに思っているコミュニティです。
しかし、このレベルでオープンソースを維持することは困難です。Vercelの支援により、私たちはNuxtの維持と将来のための資金調達という二つのことに注力する必要がなくなりました。今、私たちは大好きなこと、つまりオープンな環境での開発に全力を注ぐことができます。
Vercelは、Next.js、Turborepo、Svelte、shadcn、AI SDKなど、オープンソースプロジェクトとクリエイターを支援してきた確かな実績があります。彼らは共有プラットフォームとしてのウェブに投資することの意味を理解しています。私たちは、Nuxtを特別なものにしている価値観を共有し、それを損なうことなく、私たちがさらに前進するのを助けてくれる会社に加わるのです。
私たちのオープンソースチームも合流し、これまでと同じ集中力と配慮をもってNuxtとNitroの開発を続けます。プロジェクトはMITライセンスのままです。ロードマップは公開されたまま。コミュニティが中心であることも変わりません。
これに伴い、スポンサーシップの扱い方を変更します。全てのスポンサー資金は、完全な透明性を確保し、Nuxtのコアおよびコミュニティの貢献者に直接渡るようにするため、Open Collectiveに移行されます。
これはあなたにとって何を意味するのでしょうか?
今後数ヶ月のうちに、私たちからさらに多くのオープンソースが生まれることを期待してください。私たちは以下のことを行います:
Nuxt UI v4 をリリースし、全ての Nuxt UI Pro のコンポーネントと私たちの Figma Kit を全員に無料で利用できるようにします
Nuxt Studio のセルフホスト可能なバージョンをオープンソース化します。これはあなたのNuxt Contentサイトに管理者として直接統合し、ウェブサイトを編集できるように設計されます。
NuxtHub を特定のプロバイダーに依存しない(アグノスティックな)形にし、Vercelの Marketplace が提供するPostgresやRedisといったサービスとの統合をシームレスにします。
今後の展望として、AIが私たちの新たな注力分野となります。私たちはAIをNuxtの開発体験にどう取り入れるかを探求しています。あなたのアイデアをより速く形にする手助けをします。また、v0を含むVercelのAIチームと密に協力し、MCPのようなローカルツールでの実験も続けています。
これまでNuxtを支えてくださったすべての皆さんに感謝します。一つ一つの貢献、バグ報告、プルリクエスト、そして温かい言葉が、私たちをここまで導いてくれました。もし質問があるか、この会話に参加したい場合は、Daniel RoeがGitHubで Nuxtの未来について 執筆しています。
私たちは今もオープンです。開発を続けています。そして今、Vercelと共に、私たちはまだ始まったばかりです。
要約(説明)
NuxtLabsがVercelに買収された。
コミュニティや維持
NuxtLabs(Nuxtの開発元)は完全にコミュニティ主導でやっていっている。しかし徐々に規模が大規模なっていき、それらが困難になってきた。
そして、Vercelの支援によりNuxt自体の維持と資金に関する問題を心配する必要がなくなった!
なので、全力でオープンソース開発に取り組む事ができるようになったよ。
各プロジェクトの今後
Vercelの仲間になったことで、今まで有料だったものが無料になるよ!
Nuxt UI Pro
今まで有料だったPro版のコンポーネントが、次のバージョン(v4)で全部無料になる!デザイン用のFigmaキットも同じく無料で使えるようになる。
リリース予定は今年の9月
ソース
Nuxt Studio
Nuxt Studioもオープンソースになって、セルフホストで使えるようになるよ。(今使っているSaaS版は2025年末で終了するから、そこは注意してね!)
Nuxt Content&Studioの公式Discordサーバーより
What does it mean for Nuxt Studio?
For now, nothing changes. The current hosted version of Nuxt Studio will continue to work as-is until December 31st 2025 when it will be officially sunset.
Nuxt Hub
Nuxt Hubは特定のクラウドに依存しない形ようになり(Cloudflare以外にも)、Vercel(PaaSサービスのほう)にあるPostgresやRedisといったサービスともシームレスに連携できるようになる。
スポンサーシップの扱いに関する変更点
今回の体制変更に伴い、スポンサーシップの仕組みが新しくなるようです。
具体的には、これまで集められた全てのスポンサーシップ資金は、「Open Collective(オープンコレクティブ)」というプラットフォームに移行されます。
この変更の目的は、主に以下の内容です。
完全な透明性の確保
資金の流れを誰もが確認できるようにし、透明性を高め、Nuxtコアメンバーとコミュニティ貢献者へ直接届くようになります
変わらないこと
- 開発チームは今のまま
- Nuxtがオープンソースであること(MITライセンス)
- コミュニティを一番に考える姿勢
新たな注力分野:AIの活用
今後の新たな注力分野として、Vercelの専門チームとの連携を通じ、AI技術をNuxtの開発体験に統合する取り組みが計画されている。
Nuxtの開発エクスペリエンスにAIをどのように取り入れるかを模索中
私の個人的な感想
NuxtLabsの時では貧弱だった資金力の面を、Vercelに買収されたことでVercelの資金力を存分に活かして、有料だったものが無料になるのはとても健全な買収だと思います。
(そしてお金ない学生民からしても嬉しい)
Nuxt UI Pro
これはいい意味でやばいと思います。Nuxt UI Proが無料はすごいありがたいです。
無料になることで、Nuxtで作られるサービスが増えたりするかもしれないので、コミュニティ的にも嬉しいのではないでしょうか。
Nuxt Studio
なんとオープンソースになるらしい!(SaaS版は2025年末でサービス終了)
軽く説明すると、Nuxt Studioは、Nuxt Content(GitベースのCMS)と連携して動作する、ブラウザで利用可能なCMS管理機能です。
Nuxt ContentがあるGitHubリポジトリと連携したら、すぐに利用可能です。(スターターセットもある)
これにより、複数人でのブログ運用を低コストで管理できたりすると思うので、嬉しいですね。
懸念点
Vercel社にパワーバランスが集中しすぎるのではないかと思っています。
例えば、Reactエコシステムの代表である「Next.js」と、Vue.jsエコシステムの代表である「Nuxt」の両方を、Vercel社が実質的に傘下に収めたことになります。これはフロントエンド開発の方向性に絶大な影響力を持つことを意味します。
まとめ
今回の買収は悪いことばかりではなく、むしろ良いことしか無いと思っています。
なぜなら、これまでNuxtというコミュニティ主導のフレームワークは、常に「オープンソースであるため、資金面で苦労している」という重い課題を背負っていました。しかし今回の買収で、開発チームはその足枷から完全に解放されたと言えます。彼らが本当にやりたかった「Nuxtエコシステムを良くすること」だけに100%の情熱を注げるようになった。これは何物にも代えがたい最大のメリットです。
その恩恵はすぐに私たちユーザーに還元されており、
Nuxt UI Proのような強力なエコシステムが無料になることで、開発の質は間違いなく向上します。
そして、無料であるということでコミュニティ主導という名の通り、コミュニティの成長にも繋がると思っています。