#何の資料なのかを簡潔に
タイトルからして禅問答みたいになりましたが、僕の中で確立することの出来た究極解です。
僕が転職先で勉強会の主催を任され、紆余曲折したのち結果として同僚が資格取得に成功したところまでを経緯とともに記載しています。
#結論
- 学ぼうとする側が前のめりになってないと、意味ないよ。
- 専門用語的にはアクティブラーニングとか言うらしいですよ。
- 教えようとするのではなく、学ばせようとしないと学習者のためにはならないよ。
という、学ばせようとする側の心意気の話です。
#自己紹介
通算7年程度のネットワークエンジニア歴を持っていました。
その後、AWSソリューションアーキテクトアソシエイト(以下SAAと記載します)を取得してクラウドエンジニアへ転職を果たしました。
転職先では、インフラ基盤にAWSを用いた構成の構築、運用、保守(一部設計も)を担当しています。
新技術や新しいものが発表され、それがどのように案件に役立つか、その技術が世の中で活かされて、世界がどう変わっていくのかを妄想するのが好きです。AWSサミット時などでイベントブースの前で僕がフリーズしてたら、大抵ソレ中です。
#経緯1
2019年4月に入社し、まだ椅子の座り心地にも慣れていない5月のある日。
上長より同僚、先輩などを対象にSAA取得に向けた勉強会を開催せよと指示を受けました。
業務上近しい方を除き、同課内の顔とお名前の把握が出来ていない頃の話で、かなり不安を覚えた事を覚えています。
さらに悪いことに、教える側のスキルなど何一つ持っていない僕は、
がむしゃらにとにかく突っ走ればなんとかなるだろうとかヌルーく考えていました。
7月。当然の帰結として勉強会参加者の誰一人取得出来る見込みが立たず・・・。
8月。会社側が目標を下方修正してくれました。
どうなったかっつーと、「クラウドプラクティショナー(以下CPと記載します)でもいいから取りましょう」に変化しました。
#経緯2
9月。CPでいいならという事で、当時の勉強会に対する士気は間違いなく上がりました。
僕もそれになんとか応えたくて、業務のスキマや土日を使って教える側のスキルというものについて本気で取り組んでみました。
下の項目に続きます。
#教える側のスキルについて
ちょっと時を戻して、7月のある日。
教えるためのスキルなどまったく持っていない僕は、業後にプロの技術系スクールの無料セミナーに出向いて
「教え方を教えて下さい」とかド厚かましい要求を行いました。
その時の講師の方は、わざわざ時間を作ってくれて親身になって話を聞いて、アドバイスをくれました。
本当にありがとうございました。そしてごめんなさい。
自分でも教え方について書かれた本を熟読するなど、真剣に学びました。
その結果、上長やその他大勢に色んな事を聞いて色んな迷惑をかけました。巻き込んだ色んな人にごめんなさい。
そんだけやったので、収穫はそれなりに大きなものを手にしました。
教え方について、自分なりの究極解を編み出しました。一言でいうと「教えない」です。
- 会の目的を、参加者自身のアウトプットの場とすること。(参加者自身に課題を与え、調べて発表させること)
- **主催者はフォローに徹すること。**質問が出て答えたくても基本的は答えず、考えさせる&AWS公式の資料で調べさせること。
- それでもどうしても理解が及ばない、空気がカオスってきたときは道筋を示してあげること。
上記のルールを設け、CP取得向けの勉強会の初回に「今回からこうやります!」と宣言しました。
何故そうしたかというと、勉強はインプットよりアウトプットすることのほうが重要と気づいたからです。
その辺はアウトプットの大切さを説いた書籍が多く出ていますので、そちらをご参照頂くほうが良いと思うので説明は割愛します。
あ、あと主催者がその資格持ってないってのはアレな気がしたので(上位資格はあれど)CPはサクっと取得しておきました。
さすがにSAA持ってて、実務でもがっつりAWS使ってる身としてはほぼノー勉で余裕でした・・・。
[AWS CP(クラウドプラクティショナー)を3日間で取得した話。]
(https://qiita.com/eigomuzui/items/b867fd7591e8604bd524)
#経緯3
そんな経緯で開催したCP勉強会は、初回は大盛況でした。課員ほぼ全員来てくれてたように思えます。
でも結局業務の都合であったり、各個人の思惑で優先順位が「AWSの資格」ではない人などもいて、温度感にはどうしても差がありました。
この温度感がクセモノで、どうやればやる気になっていただけるのかがどうしてもわからず・・・。
勉強会の回を重ねるごとに、結局一人、また一人と参加者がいなくなるという状態でした。
この時、僕の心境は張り裂けんばかりの悲痛ってやつで・・・絶望しかありませんでした。
#経緯4
そんな折、参加者の一人から、「本気でCP取りたいんで、集中的な勉強する環境作って欲しい」と打診をもらいました。
このとき「ああ、僕の施策は無駄じゃなかったんだな。届く人には届いているもんなんだな」と心底救われた思いでした。
#経緯5
企画案をさくりとまとめ、上長に確認と許可を頂き、CP勉強会とは別に、極少数で構成した会を結成しました。
そこでは、完全に資格取得にフォーカスした勉強会を行いました。
##何を行ったのか
- 1ヶ月短期集中で一気にケリをつけるため、参加希望者には入会条件として試験日を強制的に決定させました。
- 参加者に教科書として、強制的に以下の書籍をご購入いただきました。
- 上記の本の目次をもとに、スプレッドシートで達成表を作成し、各個人の勉強進捗を見える化しました。
- 模擬試験問題などを一緒に見て、問題の傾向と対策について議論を行いました。
- 模擬試験問題の間違えた部分について、参加者が納得行くまで解説を行いました。(明らかに試験範囲外と思われる問題は除外)
- 試験日直前には、AWS構築事例の本やWEBなどを用いて別角度から質問を行い、各個人の理解度を測りました。
#結果
参加者全員、見事にCP資格取得を果たしてくれました。おめでとう!
僕の努力も報われた気分がして、我が事のように嬉しかったです。
あくまでご自身の為に勉強したものであり、僕のためにやったわけでは無いと理解していますが、
お礼は言わせてほしいです。本当に頑張ってくれてありがとうございました。その努力に僕も救われました。
#振り返り&展望
この一連の流れは、人に物を教えなきゃいけない、という部分において本当に大変に勉強になりました。
この経験は勉強会などでなくとも、普段の仕事において大いに役に立つと思っています。
僕一人では出来ない仕事が山程あるので、教える時間を短縮する方策としてかなり有効だと思っています。
課題として「やる気のださせ方」というものが残ってしまったと思っていますが、本当に難しいですね。
こればかりは各個人の問題でもあるとは思っています。
今回の僕はやる気のある、良い同僚に恵まれたので救われました。
今後は教える側に立つ人が、僕のような無駄な絶望を味わうことが無いように
さらにより効率の良い学びの機会を作れる、そんな環境があれば素敵だな、と思います。
さて・・・。来年はどんな面白い事しようかな?