こんにちは。
Amazon Web Services Japan パートナーアライアンス統括本部 にてパートナー ソリューション アーキテクトを担当している江口と申します。
こちらはAPN Ambassadorの皆様によるアドベントカレンダー「Japan APN Ambassador Advent Calendar 2020」での9日目の記事となります。
APN Ambassadorsの皆様でブログリレーをされる企画となっていますが、1枠お邪魔させていただくことになりました。AWSの技術的な話はAmbassadorの皆様にお任せするとして、私からはタイトルの通り、箸休め的な内容になります。。
なお、こちらの投稿内容は私個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありませんので、ご了承ください。
Japan APN Ambassador Advent Calendar 2020はこちら
APN Ambassadorって何?という方はこちら
ということで、ここから本題です。
今回は「AWS Hands-on for Beginners動画制作の気付き」についてのお話となります。
#AWS Hands-on for Beginnersとは
まずはじめに、AWS Hands-on for Beginners について紹介させてください。
AWS Hands-on for Beginners とは、初めて AWS を利用する方、初めて特定のAWSサービスを触る方向けに、操作手順の解説動画を見ながら自分のペースで進められるハンズオントレーニングの動画コンテンツです。「スケーラブルWebサイト構築編」、「サーバレス編」、「Network編」といった形でテーマごとにコンテンツもご用意しています。ご利用方法は様々ですが、主に以下の方を意識しております。皆様も是非ご活用ください!
- AWSを触った事がないのでどんなものか触れてみたい
- 触ったことのないサービスを理解したい
- 机上で理解しているけどハンズオンを通じて理解を深めたい
- AWSエンジニアの育成における教育素材が欲しい
私は AWS Hands-on for Beginners の運営メンバーの一員でして、立ち上げ期から参画しており、私自身も Network編#1 のコンテンツを担当させていただきました。 AWS Hands-on for Beginners を開始した目的や想いについての言及はここでは割愛させていただくとして、ここでは取り組みと動画作成で得た気付きについて纏めてみました。
AWS Hands-on for Beginners の詳細について ご興味がある方は是非以下のサイトをご一読ください!
AWS Hands-on for Beginners のご紹介
#コンテンツを増やしながら品質を保つこと
AWS Hands-on for Beginners の施策を開始した際に、運営メンバーで最初に議論したのは、如何にコンテンツ(シリーズ)を充実させていくか?という事でした。1つのハンズオン動画コンテンツを作成するにも、かなり労力が掛かります。ざっくりの流れをご紹介すると以下の通りです。
- ハンズオンのストーリーを検討
- 説明資料を作成
- ハンズオンの流れを複数人レビュー
- リリース前のレビュー用動画を収録・編集
- リリース前動画のレビュー
- 本番収録・編集
- リリース
実際に対応してみると、一つ一つの項目で悩む部分が出てきたりと、初めて対応する人は特に時間が掛かってしまいます。そんな中、コンテンツを増やすとなれば、シリーズごとに担当を分けて並列で作成するという流れになります。しかし、コンテンツ作成者毎に自由に動画を作成してしまうと、「受講者の学習のしやすさ」という品質を一定に保たれず、シリーズとしての統一性も崩れてしまうという事で、それを抑制するために、動画コンテンツ作成者向けに基準を整備しました。
例えば以下のようなものです(一例です)。
- 1つ目の動画に必ず注意事項を説明する
- 1つの動画は10分程度の長さで区切る
- トータルの動画時間は1時間半〜2時間を目安とする
当然コンテンツによっては誤差は出るものもありますので、あくまでも意識すべき事というレベルですね。あまりにも逸脱したコンテンツになった場合、レビュー時に議論されます。
聞き手を意識して策定した基準なので、最終的には聞き手が不便に感じないか?学習しやすい構成になっているか?という視点で議論が進みます。
絶対に守らないといけない!というレベルではないものの、おおよその基準がある事で、品質は保てると思います。
いわゆる標準化という考え方ですね。1対Nで提供する運用なども品質を保つために標準化が議論されると思いますので、考えは同じですね。
という事で、2019年11月に開始した本取り組みも約1年が経過しましたが、毎月1本以上のペースでコンテンツを増やす事ができています。皆様も定期的にチェックしてみてください!
AWS Hands-on for Beginners シリーズ一覧
#動画コンテンツ作成時での苦労
次は私が動画を制作したときの気付きです。
上記の通り、運営で決めた基準を元に、私自身が動画コンテンツを作成することになりました。
###受講者の理解度を高めるために
私自身、AWSに関わらず 様々なハンズオントレーニングを受講してきたのですが、教科書に記載された手順通りにハンズオンを進める形式だと、ハンズオンのゴールには辿り着くものの、深く理解出来ていない事がありました。悩まずに一直線で進める事ができるため、半ば作業的に進めてしまっている事が原因だったと思います。
これを回避するために、ストーリー作りでは「どのように受講者が深く理解する仕組みを作れるか?」というのがテーマでした。
実施したことはシンプルで、「各設定を行う際に立ち止まり、目的を意識しながら進める」というプロセスを組み込むことにしました。
- なぜその設定が必要なのか?という問題提起から入り、操作前に設定の目的を意識していただく
- あえて「設定を削除すると意図した通信が出来なくなる」という手順を加える
手を動かす上で目的意識を持ち構成をイメージしながら進めるのは効果的と考えました。また、Network編というコンテンツの特性上、通信経路設定(ルーティング)をハンズオンで実施いただくのですが、普段ネットワークに触れていない方にも理解していただくために、上記2については特に意識しました。
丁寧に進める分、動画の時間が長くなってしまったのですが、受講者からのフィードバックでもこのポイントを評価していただいた方も多くいらっしゃったので、一定の成果があったのではないかと思っています。
ただ、手順を増やす分、動画の時間が増えちゃうのが悩みではありました。。
(基準の動画時間10分をオーバーしがちなコンテンツになってしまいました。ただ、分割するのも学習上キリが悪いということで、Network#1では、いくつか長めの動画が存在しています。。)
###動画収録
動画は昨今の事情もあり、自宅で録画を行いました。
AWS Hands-on for Beginners は、顔出しはせず声だけの出演になるので、身だしなみはそこまで気にするところはないということで、楽に構えていたのですが、いざ録画を始めると なかなか色々な事が起こり、想定通りには進みませんでした。。
何も考えずにPCの標準搭載しているマイクを使って録画したのですが、ハンズオンの動画なので私自身もPCで設定操作をしながら説明をするスタイルの動画なので、PCをタイピングする際の音が大きく入ってしまい、早々にNGとなりました。
一度音の入り方をテストしてから録画すれば良いものを、いきなり一発取りしていたので、ダメージが大きかったです。。涙
ということで、外付けマイクを購入し、再チャレンジです。
どんなマイクを購入しようかな?となりまして、ヘッドセットタイプを考えましたが、窮屈な感じが嫌だったので会議室で使うような机に置くタイプのマイクを購入しました。録画だけでなく、複数人での会議でも使えるように汎用目的でこれにしました。
結果、キータッチの音は無くなったものの、マイクが全指向性だったので、外の騒音(車のサイレンなど)が入ってしまいました。私が国道沿いに住んでいるという立地上の問題もあったかもしれません。。
使用していた録画ソフトで雑音をある程度チューニングが出来るのですが、それも限界があり、耳障りな音が残ってしまうレベルだったので諦めました。
という事で、結局マイクが付属されているヘッドセットタイプを購入することになりました。
音の問題は無くなり、順調に作業は進むかと思ったのですが、日中に録画していると家族(特に子供)の声が入ってしまうという事象が発生。家族も録画していることは知っていたので、録画中は部屋に引き篭もった私をソッとしてくれていたのですが、子供が学校から帰ってきたときの「ただいまー」は避ける事が出来ませんでした。。
これは仕方ないですね。誰にも罪はありません。。。
という事で、家族に負担を掛けるのも気が引けるという事で、録画は家族が寝静まった後に撮影することが標準となってしまいました。これは自宅で録画するには避けようのない事象だな・・・と。
考えれば予想出来そうなものばかりですが、私の想定が甘かったです。
これから録画をする予定がある方は、マイクや編集ソフトを購入する前に、ぜひ経験者の意見を聞いてから調達されることをオススメします!
#終わりに
AWS Hands-on for Beginners を受講いただけた方、SNSやブログで取り上げていただけた方、ありがとうございます!
また、自社で動画を展開いただき、社内育成のコンテンツとして活用いただいているというお声もいただいており、運営メンバー、並びにコンテンツ制作者一同嬉しく思っています。
エンジニア皆様の技術レベル底上げになればと思います!