0. 序文
みんな大好きAWSのElastic Beanstalkですが、本当にみんな大好きならもっと情報があるはずだからこんな記事書くまでもないんじゃないの?(挨拶)
とは言え、全く日本語の記事が無いかと言えばそんなこともないので少数ながらも利用者はいるだろうし、同じような疑問を持ってる人もいるかもしれないのでそんな人のお役に立てれば。
さて、Amazon Linux 1を利用した各プラットフォームがもうすぐリタイアを予定していますが、リタイアを迎えたプラットフォームはどうなるのか、またそれを利用した環境はどうなるのか、という点についてはちょっと分かりにくい書き方になっています。
それをざっくりと説明してみます。
1. リタイアを迎えたら
まずここですね。
リタイアを迎えたらどうなるのか。
1-1. 新規EB環境の作成ができなくなる
リタイアを迎えたプラットフォームを利用した新規環境の作成ができなくなります。
また「リタイアを迎えたプラットフォームを利用している既存の環境」をクローンを作成する際も「環境を新規に作成する」ことになるので、そちらも行えなくなります。
1-2. 当該プラットフォームへのセキュリティ更新やサポートが終了する
OSやミドルウェア等のセキュリティ更新等が終了し、更新されなくなります。
また、サポートプランが何であれ、Beanstalkとしてのサポートは行われなくなり1ます。
2. リタイア日から90日間
次がここ。
リタイアを迎えてからの90日間、移行猶予が与えられます。
2-1. 既存のEB環境は利用し続けられる
ここでの「利用し続けられる」というのはElastic Beanstalkが利用している各種リソース(EC2等)を「Beanstalkの持ち物のまま」利用を継続できるという意味になります。
EB CLI
を使用したり、BeanstalkのWebコンソール
から実行したり、今まで通り利用することができます。
ただし、リタイアを迎えた環境なのでセキュリティ更新等が行われないことには留意する必要があります。
この90日間は主に「サポートされるプラットフォームへの乗り換え猶予期間」としてのみ考えておくべきかもしれません。
3. リタイア日から90日が経過
最後がここ。
完全なる終焉です。
3-1. 各種リソースがBeanstalk管理下から外れる
Beanstalkから作成された各種リソースが削除されることはない(=アプリケーションは動き続ける)ものの、Beanstalkというものとは一切の関わりがなくなります。
例えばアプリケーションのデプロイにCodePipelineを使っていた場合はそれが利用できなくなりますし、EB CLI
やBeanstalkのWebコンソール
からも操作・参照できなくなり、Beanstalkを使用していたメリットのすべてがなくなります。
個人的にはこの段階での最大のデメリット2は「環境の終了」ができなくなることだと思っています。
サポートされるプラットフォームへの乗り換えをこのタイミングでやったとしても、既存リソースの削除時にElastic Beanstalkが生成したリソースをすべて自分の手で削除する必要があります。