はじめに
最近、生成AIまわりの話題でよく出てくる「Lang何何」という名前のツール、みなさんはちゃんと区別できてますか?
私はできてなかったです。
「LangChainは知ってる。でもLangGraphって何が違うの?LangSmithはまた別のやつ?LangFlowって聞いたことあるけど...?」という状態で、もう見分けがつかなくなっていました。
ということで、今回は「Lang〇〇」の各ツールを整理してみます。実際に使ってみた話ではなく、あくまで「それぞれ何者なのか」をふわっと理解することを目指した記事です。同じように混乱している方の参考になれば幸いです。
この記事は、あくまで情報の整理であったため、全てAIに書かせた内容を若干人が添削したものになっています。
「Lang何何」の全体像
まず、これらはすべて同じ会社(LangChain, Inc.)が提供しているツール・サービス群です。ひとつのエコシステムを形成していて、それぞれ役割が違います。
主なものを並べると、こんな感じです。
| ツール名 | 登場時期 | 一言で言うと |
|---|---|---|
| LangChain | 2022年 | LLMアプリを作るための基盤フレームワーク |
| LangSmith | 2023〜2024年 | LLMアプリの監視・デバッグ・評価プラットフォーム |
| LangGraph | 2024年 | 複雑なAIエージェントを構築するためのフレームワーク |
| LangFlow | 2023年頃 | ノーコードでLangChainのフローを組めるビジュアルツール |
| LangServe | 2023年 | LangChainのチェーンをAPIとして公開するためのライブラリ |
「作る(LangChain/LangGraph)」「動かす・監視する(LangSmith)」「触って試す(LangFlow)」「公開する(LangServe)」という感じでそれぞれ役割が分かれていることがわかります。
では、1つずつ見ていきましょう。
各ツールの説明
LangChain:全部の土台
LangChainは2022年10月に登場した、いちばん最初の・いちばん有名なやつです。
LLM(GPTやClaudeなどの大規模言語モデル)を使ったアプリを作るための基盤フレームワークです。
何ができるかというと、たとえばこんなことです。
- 複数のLLMを統一的なインターフェースで扱える(OpenAI, Anthropic, Google...etc)
- LLMの応答をもとに次の処理を繋げる「チェーン」を組める
- 外部のデータを検索してLLMに渡す「RAG」を実装できる
- 計算ツールや検索ツールをLLMに使わせることができる
「LLMを使ってなにか作りたい」と思ったとき、まず最初に触れるのがこのLangChainです。ライブラリを import して Python(or TypeScript)で使います。
ひとことで言うなら「LLMアプリ開発を便利にするツールキット」です。
LangGraph:複雑なエージェントを作るための発展版
LangGraphは2024年に登場しました。LangChainと同じ会社が作っていて、LangChainと組み合わせて使うことを前提にしています。
LangChainは「A → B → C」という直線的な処理の流れ(チェーン)が得意です。でも現実のAIエージェントは、もっと複雑なことをしたい場面があります。
- 「条件によってAに行ったりBに行ったり」という分岐
- 「結果が気に入らなければやり直し」というループ
- 「複数のエージェントが協力して作業」というマルチエージェント
- 「途中で人間にチェックしてもらう」という人間介在
こういった複雑なフローを、グラフ構造(ノードとエッジ)で表現できるのがLangGraphです。
「グラフ」といっても棒グラフや円グラフのことではなく、「ノード(点)」と「エッジ(線)」で処理の流れを表現するデータ構造のことです。
ひとことで言うなら「複雑なAIエージェントを作るための上位フレームワーク」です。
シンプルなチャットボットを作るならLangChainだけで十分ですが、自律的に動くエージェントを作りたくなったときにLangGraphが登場してくるイメージです。
LangSmith:アプリが「ちゃんと動いてるか」を見るやつ
LangSmithは2023〜2024年頃に登場した、監視・デバッグ・評価のためのプラットフォームです。
LLMアプリには「なぜその回答を出したのか」がわかりにくいという問題があります。バグが起きてもどこが悪いのか、ログを見ても原因が掴みにくい。そこで登場するのがLangSmithです。
LangSmithでできることは主にこのあたりです。
- LLMへのリクエスト・レスポンスを記録して可視化(トレーシング)
- 何がどのくらいのコストで動いているかを確認(コスト管理)
- テストデータを使って応答品質を評価(Evaluation)
- 本番環境での動作を継続的にモニタリング
LangChainやLangGraphと一緒に使うことが多いですが、LangSmithは他のフレームワークからも利用できます。
ひとことで言うなら「LLMアプリの品質管理・運用監視ツール」です。開発しているときよりも、リリース後に「ちゃんと動いてるかな」を確認する場面で特に活きてきます。
LangFlow:コードを書かずに試せるビジュアルツール
LangFlowは、LangChainのフローを**ドラッグ&ドロップで組めるGUI(ビジュアルビルダー)**です。
「コードを書かなくてもLLMアプリを試せる」というのがウリで、ブロックを繋げていくだけでRAGパイプラインやチャットフローなどが作れます。
エンジニアでない人と一緒にプロトタイプを作るとき、あるいは「まず動くものを素早く見せたい」というときに重宝します。ただし、細かい制御や本番運用を考えるとコードで書いたほうが柔軟です。
ひとことで言うなら「LangChainをノーコードで触れる実験・プロトタイピングツール」です。
LangServe:作ったチェーンをAPIとして公開するやつ
LangServeは、LangChainで作ったチェーンをREST APIとして簡単に公開できるライブラリです。
「LangChainで処理を作ったけど、これをフロントエンドから呼び出したい」というときに使います。FastAPI(Pythonの軽量WebフレームワークのLangChainで作ったチェーンを REST APIとして公開できます。
LangServeは2024年以降、LangGraph Platformに機能が統合される方向になっており、現在はあまり積極的に推されていません。新しくAPIを公開したい場合はLangGraph Platformの利用が推奨されています。
まとめ:役割で整理すると見えてくる
各ツールの役割を「フェーズ」で整理するとこんな感じです。
| フェーズ | ツール | 説明 |
|---|---|---|
| 試す | LangFlow | ノーコードで動かしてみる |
| 作る | LangChain | コードで実装する基盤 |
| 作る(複雑版) | LangGraph | エージェントの複雑なフローを実装 |
| 公開する | LangServe / LangGraph Platform | APIとして外部に提供 |
| 監視・改善する | LangSmith | トレース・評価・コスト管理 |
「LangChainで作って、LangGraphで複雑にして、LangSmithで監視する」という組み合わせが、2025〜2026年時点でのスタンダードなスタックになっています。
「どれを使えばいいの?」という問いへの答えは、よく「まずLangChainから始め、複雑になったらLangGraphを追加し、本番に出すならLangSmithで監視する」と説明されています。段階的に足していけるのがこのエコシステムの良いところです。
おわりに
「Lang〇〇」を並べてみると、それぞれ全然違う役割を持っていることがわかりました。名前が似ているのでごちゃっとしてしまいますが、「作る・試す・監視する」という役割で分けると整理しやすいと思います。
筆者自身はまだ実際に使いこなしているわけではないので、「使ってみたらこんな感じだった」という記事はまた別の機会に書きたいと思います。
この記事が「Lang〇〇って何が違うんだっけ」と思っている方の助けになれば嬉しいです。