日本語ライティング技術の要点を記した書籍として基礎の基礎となる、
『日本語スタイルガイド 第3版』は、およそ以下構成。
- テクニカルコミュニケーション、テクニカルライティングとは
- スタイルガイドとは
- テクニカルライティング技術の要点
- テクニカルコミュニケーション技術の基礎
- 翻訳しやすい日本語の要点
そのうちの3編と4編が技術のコア。
- 第3編 テクニカルライティング技術の要点
- 第4編 テクニカルコミュニケーション技術の基礎
第4編 という「技術」を使って 第3編 を「実践する」ということと解釈した。
以下その3編と4編のキーワードを自分のためにまとめたものと、セミナーを受講しての引っかかりポイントを追記。
テクニカルライティング技術の要点
対象理解に基づきコンテキストを組み立てる
対象を理解し、整理する
対象の理解
観察する。
- 位置づけ
- 新規性
- 優位性
- 有意性
情報の整理
- 時系列
- 重要度
- 難易度
- 関連
- メインとサブ
- 正常と異常
- 原則と小枝
伝える目的と相手(読み手)を明確にする
伝える「目的」を明確にする
- 具体例を意識する
伝える「相手(読み手)」を明確にする
- 読者層: どのような範囲の人たちか
- 特徴: その人たちはどのような特徴があるか
コンテキストを組み立てる
コミュニケーションの共通基盤を作る
- 専門用語など
論理的に組み立てる
- 全体から部分へ
- 概要から詳細へ
- 既知の事柄から未知の事柄へ
- 重要な事柄から
- 相手が知りたい事柄から
- 作業や手順を流れに沿って
- 総論から各論
- 時系列
- 起承結
事実と意見を書き分ける
- 事実
- 意見
読み手のことを考えたライティング
読み手の「知識」に配慮する
読み手が知っていることを土台にする
- 知っていること
- 似ているもの
- 具体例
用語の使い方に配慮する
- 専門用語
- 平易な言葉
- 意味の変化
読み手の「意識」に配慮する
読み手の「価値観」や「常識」に配慮する
- 時流を読む、空気を読む...
読み手の意識に合わせた「視点」や「主題」に配慮する
- 読み手の視点
- 読み手の期待
強調表現を用いて重要な内容に注目させる
- 小見出し
- 繰り返す
- 強調語を使う
読み手の「心情」に配慮する
信頼される表現をする
- 主観や感情は抑える
目的と相手(読み手)に応じた表現を選ぶ
不安にさせない
- 不安に感じる要素を取り除く
不快に感じる表現をしない
- 否定的な表現で無用な不安を与えない
- 「~までしか表示できません」ではなく「~まで表示できます」等
- 差別感、差別意識に繋がる表現
「認知や行動の仕方」に配慮する
人間の「認知の仕方(認知特性)」に配慮する
- パッと見の印象を良くする
- 意味のまとまり(チャンク)を意識的に作る
- 具体例やたとえ
人間の「行動の仕方(行動特性)」に配慮する
- 目標形成
- 実行
- 評価
文書(情報)の完成度を高め安定させる
文章の推敲(校正)
推敲の視点
- 全体
- 文・段落
- 単語・語句
読み直しの考え方(姿勢)
- 一貫性
リライト作業
ツールを利用したチェックとリライト
内容の更新に伴うリライト
更新の対象と範囲
- 範囲に注意を払う
リライトと推敲
- 内容
- 範囲
- 作業そのもの
テクニカルコミュニケーション技術の基礎
表現設計の基本を知る
表現設計とは
表現設計の目的と効果
- 統一感
- 一貫性
- 検索性
- 標準化
- 効率化
表現設計の種類
- デザイン
- フォーマット
- ルール
基本フォーマットを理解する
執筆ルールを理解する
- 文体
- 句読点
- 用字・用語
- 記号
- 単位
- 商標や製品名
- 固有名詞
文書(情報)の構造 - 構造化に配慮して文書(情報)を設計する
構造化に配慮するとは
読み手にとっての使いやすさを追求する
- パラパラ読み
- ブラウジング
作り手や情報システム的な意味での使いやすさを追求する
- データの作り方
両方の追求を上手に組み合わせて文書(情報)を設計する
- 有用性
記載順序と階層を設計する
記載順序を設計する
- トピック指向
- コンテキスト指向
階層化する
- 目的に応じた階層化
文書(情報)の構成要素を意識して書く
構造化文書(情報)を書く
- 文書の構成要素
文書(情報)の構造化とデータの構造化の違い
構造化文書(情報)のデータを作る
- スタイル機能
執筆ツール - ツールを活用して作業効率を高める
執筆ツール
構成検討支援ツール
- アウトラインツール
- マインドマッピング等
校正支援ツール
コンプライアンス
ユーザーの安全に関わる法律
- 製造物責任法
- 消費生活用製品安全法
- 電気用品安全法
- 医薬品、医療機器などの品質、有効性および安全性確保などに関する法律
- 労働安全衛生法
ユーザー保護に関係するその他の法律
- 家庭用品品質表示法
- 不当景品類および不当表示防止法
知的財産権に関する法律
- 著作権法
- 商標法
- 意匠法
- 不正競争防止法
その他の法律
- 計量法
- 個人情報の保護に関する法律
追記: 間違いやすい箇所
「ですます調」と「である調」の使い分け
- 見出し
- である調。
- 体言止めを使っても良い。
- 操作手順
- ですます調。
- である調も使われる。
- 操作説明では、利用者から見て自動的に行われる動作は受動的に表現する。
- 例:
「はい」ボタンをクリックすると、確認メッセージを表示します- 「はい」ボタンをクリックすると、確認メッセージが表示されます
- 操作説明では、使役形を使用しない。
- 例:
カーソルを削除したい文字の前に移動させます- カーソルを削除したい文字の前に移動します
- 図表内の説明
- である調
- 内容により体言止めで統一
- 図表のキャプション
- である調
- 内容により体言止めで統一
- 注意書き
- である調
- ですます調も使われる
誤解されないように書く
支社のコンピューターシステムは、本社のように処理速度は速くはありません- 「ように」をつかうと3通りの解釈ができる文になってしまう。
- 本社は速いが、支社は遅い
- 本社も支社も遅い
- 支社は速いが、本社ほど速くない
- 書き換える例:
- 支社のコンピューターシステムは、本社と違い、処理速度は速くはありません
- 支社と本社のコンピューターシステムを比較した場合、本社のほうが処理速度は速くなります
語句による強調
- 絶対に、完全な、完璧に、非常に、必ず、などといった語の使用に気をつける。
-
どなたでも完璧に使いこなせるようになります- 完全を意味する用語を断定的に使用してはいけない。
- 予約を取り消す場合は、公園事務所にかならず連絡してください
- この場合は、「必ず」を入れることによって強調を表現できる。
- 「注意してください」は本当に大切な箇所で使う。
- 「場合」と「とき」の使い分け
- 「場合」は大前提
- 「とき」は小前提
- 「のみ」「すら」は文語調の言い回しである。
- 的、性、上が付く言葉をむやみにつくらない。
- 同化性
- 簡便化
- 将来的
- 設計上 などは別のことばに言い換えられる。
伝える目的と伝える相手を明確にする
- 目的とは、伝えることによって何をどうしたいのか、どうなれば成功と言えるのかということである。
論理的に組み立てる
- 起承結 で基本的に組み立てる。
読み手の知識に配慮する
- 専門用語は説明してから使う。
認知や行動の仕方に配慮する
- 感覚情報貯蔵庫
- 感情系
- 注意系
- 短期記憶貯蔵庫
- 長期記憶貯蔵庫
人間の情報処理フローは、以上を経て出力される。
短期記憶に一度に貯蔵しておける情報は、チャンクで7個程度である。
また人間の行動の基本的な段階は以下である。
- 目標形成
- 実行
- 評価
その他
参考URL
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