最強のスタッフ エンジニアは意外とマネジメントぽいこともするかもしれない #スタッフエンジニア - Qiita と「スタッフエンジニアの道」で思いつつ、でもマネジメントというものが好きになれない。そんな私だがタイトルで興味を持った「マネジメントは嫌いですけど」を読んだ。
マネジメントは嫌いですけど | 関谷 雅宏 |本 | 通販 | Amazon
マネジメントを生涯やりたくないので、やらないで済むために、2025 年はマネジメントを理解したい。
感想
エッセイの趣が強い。それが面白みでもあるのだが、体系だってマネジメントを理解する本ではない。良いフレーズが気まぐれに出てきがちなので、それを拾いながら読むのが良さそう。
「部下やお金や人事評価の面倒なんて見たくない、けれど、現実を変えたい あなたへ」
- アウトプットは60%の力でおこなう理由
- 初心者を教育する仕組みをどう作るか
- 技術者の貢献を評価してもらうには
- 維持·メンテナンスの予算がとりにくいのはなぜか
みたいなことが自伝的にかかれている。書評でも「中小企業でのお財布事情を気にしながらのマネジメントから大企業のVPとしてのマネジメントまでをやってきた筆者の自伝に近い内容」とのこと。
キーフレーズ
以下、私が線を引きたくなったフレーズ。
- 「やりたくない」というのなら、マネジメントはいらないのでしょうか?
- 要らないわけはない、ということだと思う。そしてこれが終盤への伏線。
- 問題を発見したら発見者が解決しなければならないという、謎の脅迫観念
- これがあると、問題を発見、指摘することができないチームになってしまう。それが良くない。マネージャーはそんなしこりを取り除く役割も担う。
- マネジメントの目的は「現実に変化を起こすこと」
- それがまさにこれ
- うまくいくか、失敗するかは、大雑把に50%の確率で、表が出るか裏が出るかくらいのものでしかない
- 仕事は頼んだほうにも責任がある
- そう思ってくれているマネージャーは部下として本当にありがたい...
- 今現在ないものを作るのだから、失敗しても今より悪くはならない
- アウトプットを個々の力で測るのではなく、全体の力の総和の割合で考える
- 好かれていようが、嫌われていようが、部下は意地悪なテストをしてくる
- 犬はワンと鳴き、猫はニャンと鳴くのだから、逆はやめて
- 犬と、猫と、ハイエナも、ナマケモノも、活かせるマネージャーはすごい
- 組織で生かしにくい技術者の例、挙げた例に共通しているのは、組織の目的や相互の能力の向上より、自身の興味と力を優先する傾向が強い
- 仮説を立てて、目標を設定し、実行して、評価する。まちがっていたら修正し、いいものを目指していく。論理的に物事を捉え、現実を見ながら変化させていく。
- すごく基本的なことだがこれなのだろう。
- 技術も人も進歩していくものだということは、現状に何らかの問題があるのだから、失敗を恐れずに試行錯誤を繰り返して、記録を残していく。
- 今となってつくづく不幸だと思うのは、技術者の貢献を享受する側が、何も問題が起きないということにどれだけ彼らの貢献があるか評価する術を持たないということ。何事もなく昨日と同じように日々が過ぎていくことの裏側にある膨大な技術や、それを維持するための努力を評価することは本当に難しい。
- マネジメントはだれかがこなさなくてはならない役割にすぎないことを忘れないでいるということです。そして、その役割を果たしている人間に特別な価値はない。
- マネジメントでない立場からしたら、全くそんなことは無いとしか言えない締め。
まとめ
なんとも、マネジメントは偉大だな、と感じてしまう。
読みやすかった。書評に戻るが「部下」の方が書いておられる以下からすると、やはり筆者はマネージャーとしてもすぐれた方なのだとわかる。笑
多分読み進めていて感じる表面的な感想は、「部下に恵まれてんじゃね?コイツ?」になるんじゃないかなと思うんですが、それは文中にある筆者の自身の作り方や環境の作り方によるもので、偶然ではなく必然性があるのではないでしょうか。
まぁ、全てのマネージャーがこんな感じだと、それはそれで殺伐としてて嫌だなって思いますけど笑
ほら、自主的にレビュー書いてやったぞ。いい部下だろ。ほめろ。
エッセイではありますが、良い部下、良いマネージャー、良いチームのエッセンスが詰まったエッセイなのだと思います。
以上です~