はじめに
2025/12/23にOracle Database@AWSの東京リージョンGAが発表されました🎉 Oracle Database@AWSはre:Invent 2024で発表され、米国リージョンでのプレビュー・GAを経て、東京リージョンでの利用が可能になりました。
OracleDBユーザーには嬉しいニュースだと思いますが、改めてOracle Database@AWSとは何か?どのあたりが嬉しいのか?をOracleDBユーザではない私の目線で整理したいと思います。
Oracle Database@AWSのベネフィット
簡単にまとめると、Oracle Database@AWSの嬉しいポイントは以下と言えます。
- これまでAWSでは実現できなかったExadata,RAC構成の利用が可能になった
- ライセンス条件がOracleと同等となり、従来の1/2のライセンス(コスト) でOracleDBが利用できる
ExadataとRAC
Exadata, RACとは何かというと、以下の通りOracle Databaseの性能を引き出すためのソリューションです。
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Exadata:
- OracleDBに最適化したハードウェア・ソフトウェアで構成されるプラットフォーム
- 利用するためにはExadataのハードウェアをデータセンターに持ち込む必要があり、AWSではこれまで利用できなかった

出典: Oracle Database@AWS:サービス概要のご紹介
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RAC(Oracle Real Application Clusters):
- ダウンタイムを最小限に抑えるクラスター技術
- RACについてはOCI以外のパブリッククラウドにおける動作はサポート対象外とされていた*

出典: Oracle Database 入門 - Oracle Real Application Clusters【アーキテクチャ詳説編】
*Oracle Real Application Clusters (RAC) Support on Third-Party Clouds より
Oracle does not support Oracle Real Application Clusters (RAC) on Non-Oracle Public Cloud Environments
Exadata,RACはOracleDBの代表的なソリューションであり、OracleDBを利用する大きな理由の一つでした。言い換えると、RDS for OracleやOracle on EC2ではExadata,RACを実現できなかったことにより、DBだけオンプレミスで稼働していたケースもあります。Oracle Database@AWSの登場は、そのようにDBだけAWS外で運用せざるを得なかった状況を変えるものになります。
Oracle Databaseのライセンス
Oracle Database@AWSの特徴として、コスト(ライセンス)もよく取り上げられます。ここで、簡単にOracleDBのライセンスの考え方について振り返ってみます。
詳細は割愛しますがOracleライセンスを購入する際には、物理プロセッサの数に対して「適用係数」を掛け算して必要なライセンス数を計算します。この「適用係数」は、Intelのプロセッサであれば0.5で設定されています。
しかし、この「適用係数」がパブリッククラウド上では1になるケースがあります。つまり、オンプレミスやOCIで利用する場合よりも2倍のライセンスコストが必要となっていました。

出典: Licensing Oracle Software in the Cloud Computing Environment
Oracle Database@AWSでは、このライセンスの計算方法がOCIとAWSで同じ条件になっています。これまで費用を理由にOCIや他のクラウドサービスを利用していたケースでは、AWSも選択肢に入ってくることになります。
サービス概要
ベネフィットについて触れたところで、改めてOracle Database@AWSがどのようなサービスなのか整理してみます。
Oracle Database@AWSは、Oracleが管理するインフラストラクチャーの上で稼働するDBサービスをAWSサービスとして利用します。そのため、Exadataの利用やRAC構成の実現が可能となりました。
テクニカルサポートについても、AWS/Oracle両方のサポートを受けることが可能です。現在、Oracle Database@AWSでは以下のデータベースが提供されています。
- Oracle Exadataハードウェア: Exadata 11M
- Oracle Databaseバージョン: 19c,23ai (OCIでサポートされている同じデータベース・バージョンがサポートされる)
Oracle Database@AWSの購入方法
Oracle Database@AWSはAWSのマネジメントコンソールから操作可能ですが、他のAWSサービスと違い、事前に購入を完了しておく必要があります。Oracle Database@AWSの購入については、現時点でAWS Marketplaceからのプライベートオファーのみがサポートされています。
プライベートオファーによる購入では、サードパーティー(Oracle)と契約内容を合意する必要がありますので、場合によってはリードタイムが必要になる点にご注意ください。

出典: Oracle Exadata から AWS クラウドへの移行を簡素化する Oracle Database@AWS のご紹介
Oracle Database@AWSで利用するOracle Databaseライセンスについては、以下の通り既存のプログラムを利用可能です*。
- BYOLプログラムによる既存ライセンスの持ち込み
- ULA, 固定数量ライセンス契約で購入したライセンスなど
- Oracle Support Rewardの適用
また、Oracle Database@AWSの利用料金はAWSコミットメントの対象となります。
Oracle Database@AWSの使い方
購入が完了していれば、AWSマネジメントコンソールからOracle Database@AWSの作成が可能です。主にネットワークとDBサーバーについて設定を行います。
作成されたOracleDBは、Oracleによって管理されるODB Network内に存在します。「ODB Peering」を利用することでODB NetworkとAmazon VPCを接続し、VPC内のEC2からOracleDBにアクセスできます。

出典: Oracle Database@AWS ネットワーク接続パターンの実装
現在、ODB Networkは1つのVPCとの直接接続のみをサポートしています。ODB Networkを直接、複数のVPCに接続するという構成はできません。ただし、以下のようにODB Networkと接続したVPCをハブとする構成は可能です。
- 「ODB Networkと接続したVPC」をTransit Gatewayによって他の複数VPCと接続する
→ 単一リージョン内で、複数のVPCからODB Networkにアクセス可能
- 「ODB Networkと接続したVPC」をCloud WANコアネットワークに接続
→ マルチリージョンのVPCや、DirectConnectを経由したオンプレミスからODB Networkにアクセス可能
まとめ
Oracle Database@AWSの利用により、これまでAWSでは実現できなかったExadata/RAC構成を、OCI同等のライセンス条件で実現可能になりました。東京リージョンでの提供も開始され、OracleDBを利用していたエンタープライズには大きな影響があるのではないでしょうか。
本記事がOracle Database@AWSの利用を検討している方の参考になれば幸いです。







