一人(+α)のアドベントカレンダー2日目。
Kotlin+RoboVMで挑むクロスプラットフォーム開発試行錯誤。
当初の数日は、クロスプラットフォーム開発に挑む理由について書く。
自分は、クロスプラットフォーム開発というものが、今後どんどん一般化していくと思っている。今日はその根拠と考えている、音声インターフェイスの広がり予想について。
#開発ターゲット① 知能アシストアプリ。
昨日、4) 自分がクロスプラットフォーム開発に取り組みたい理由 : 音声インターフェイスの今後の進化として、こう書いた:
...このあたり、コールセンターの人工知能化のトレンドと併せて捉えるべきだ。
今後さらに高機能大容量化していくスマートフォンでは、その気になれば、高度な音声アシストインターフェイスを持ったアプリを実行できる。エンドユーザーからの特定の問い合わせに素早く応えたいユースケースにおいては、サーバー側ではなくスマートフォン側でコールセンター的な人工知能を走らせることが考えられる。自分は、コールセンター的な人工知能というロジックを、iOS環境とAndroid環境と、そして、サーバー側とで共有することにクロスプラットフォーム開発のメリットを見出している。快適な音声インターフェイスのロジックは肥大する、と自分は考えている。
音声インターフェイスのロジックを実装するスマフォアプリの想定は、例えば以下のようなもの:
a) さまざまなモノへの(多言語での)音声指示/問い合わせ
例えば、ホビー向けのドローンを屋外で、スマフォで操作、といった際のUXは音声の方が快適だろう。
例えば、森林で:
ドローンから得られるプレビュー動画を眺めながら、離陸、もっと上昇、右の方に行って、そこのタヌキで写真をぱしゃり。
(この手のコマンド系の音声インターフェイスは、多言語に対応してほしいところ。)
ホビー向けの実装に興味が無い人は、以下を読んだ上で、近未来のドローンに業務上(あるいは軍事上?)の指示を出す場面を想定してもらっても良い。
30分以内の配達を実現するAmazonの配達ドローンが劇的進化、着陸方法など最新版ムービー公開
また、災害対策分野での意欲的な取り組みも構想されている*(ぜひとも応援を!)*:
ドローンで災害地を救え!世界初の救援隊「DRONE BIRD」始動
もちろん、UberやGoogleやAppleやToyotaなどが今後デットヒートを繰り広げていく自動運転車の世界においても、音声インターフェイスは広く用いられていくだろう。行き先を告げる、道路状況を聞く、などなど...自動運転車には当然Bluetoothその他のインターフェイスが実装されるだろうから、特定のメーカーにロックインされたくない人は音声インターフェイスを、自分のスマフォ経由に設定するのではないかと予想する。
b)インバウンド観光ガイド
私事だが、今回のアドベントカレンダーは、5つの国に滞在しながら書く。そのうち台湾とオマーンは初訪問。
そのうち、台湾はストップオーバーを利用しての一人観光。短い時間で、中国語ができないままに、ちょっと楽しみたいと思っている。こうした際に、目的地に道案内してくれて、小銭代わりになって、ちょっとした通訳機能を持っていて...といったアプリがあると心強い。海外でのパケット代はまだまだ高い。なるべく、オフライン+スポット毎のWifi接続で乗り切りたい。こんなニーズに応えるアプリでは音声インターフェイスが積極活用されるべきだろう。
#このあたり、Fintech(決済、送金...)とも絡むところだと思うのだが、そちらはまたの機会に。
#開発ターゲット② 教育(ゲーミフィケーション)
クロスプラットフォーム開発が既に一般化しているゲーム業界。ゲーム業界では、古くから知能ロジックが活用されてきた(例、20世紀末頃のシューティングゲームでの、賢い、キャラの立った敵機etc)。
近時は、人工知能研究者が「人狼知能大会」なるゲーム大会を開催している:参考記事。
記事の方から引用する: #そもそも人狼って何という人 => wikipedia。
人狼は「不完全情報ゲーム」。情報に限りがあり、プレイヤー同士で情報量に偏りがある中で真実を見抜く必要がある。さらに「人狼」側になったときは、事実にもとづいた推理で誤った結論に相手を導かなければならない。
他者を理解し、不完全な情報をもとに正しく推理する。あえて味方を「追放」したり、自分たちを最終的に有利な方向に導くため、あらゆる行動を考える。
ゲーム理論などを知っている人には興味深い記述だろう(日経記事もある)。ここでは、このレベルの知能ロジックが音声インターフェイスと結びつく近未来を想像して欲しい。
例えば、グーグル配下となったボストン・ダイナミクス社のロボット犬:
http://www.bostondynamics.com/
グーグルの軍用犬型ロボットが米海兵隊によりついに実地テストへというニュースも報じられている。犬型の軍事ロボットは、おそらくは、飼い主というか主の兵士と音声コマンドでインターフェイスを取りながら、"敵性の存在"と「不完全情報ゲーム」を繰り広げることを想定して開発されることになるだろう("敵性の存在"は軍事ドローンかもしれない...)。
敵味方に分かれて競い合う人狼ゲームからきな臭い方向に話が向いたが、「不完全情報ゲーム」そのものは、社会に諸現象をモデル化したもの。この系統の人工知能は、さまざまな教育用途に活用できるだろう(もちろん、軍事教育も典型ユースケースの一つ)。こうした教育の現場では、音声インターフェイスの活用は望ましい。
本日の結論
モノのインターネットとか、Internet4.0といったバズワードで語られている今後の世界において、音声インターフェイスは、広く用いられるものと予測。
明日は、音声インターフェイスのように大きめの共通ロジックを含むアプリを、クロスプラットフォームで開発するための基本構成Tipsを書く。