はじめに
こんにちは。前回記事に引き続き、読書メモになります。今回の本は、会社の同僚が読んでいると聞いて、読んでみたいなーと思い、手に取った本です。(ジャケ買い?みたいなものですかね。笑)
※個人的な備忘録といった意味合いが強いと思いますのでご了承ください。
この記事のターゲット
会社といった組織や環境で働いている方であれば、仕事内容や立場に関係なく、全員にオススメしたい本です!知っておいて損はない内容ばかりでした。とはいえ、それでは見出しの意味がないので、特に読んでほしい人をピックアップします。
- 管理職をやっている人(自分が罰ゲーム化している管理職となっていいるか確認してみてほしいです。)
- 管理職というものをまだ詳しく知らない人
- 会社の経営や人事をやっている人(会社として施策を立案や修正できる立場にいる人)
本構成について
こちらの本は下記の構成になっており、最初から最後まで通しで読みやすい本でした。
- 【理解編】管理職の「罰ゲーム化」とは何か
- 【解析編】管理職の何がそれほど大変なのか
- 【構造編】ここが変だよ、ニッポンの管理職
- 【修正編】「罰ゲーム化」の修正法
- 【攻略編】「罰ゲーム」をどう生き残るか
偏見ですが、こういったジャンルの本は、具体的なデータが少なく、著者の考察をメインに進める本が多いイメージでしたが、こちらの本は色々な調査データが多かったので説明している内容に納得がとてもありました。
ここからは罰ゲーム化している管理職の原因をいくつかピックアップします。
ハラスメント防止法が「回避型」上司を量産する。
上司が「ハラスメントにならないこと」を考えすぎた結果、ハラスメント回避的なマネジメントが現場に蔓延してしまっている、というものです。
~中略~
上司が部下に、まともなフィードバックもできず、飲み会やランチにも誘えず、仕事を任せることもできない。これでは結局、管理職自身が「仕事を巻き取る」ことにつながります。同時に、部下の育成を阻害し、次の管理職を育ちにくくしています。
もちろん社会人として最低限のマナーは必須ですが、最近は、ハラスメントにならないように言葉遣いや言い回しを工夫しないといけないなど、仕事内容とは別の部分で考えないといけない部分が増えたと思います。
その結果、部下に仕事を任せらない → 管理職が巻き取る → 自分の仕事は進まない → 残業しても期待しているほど報酬がない。 といったループに陥ってしまい、管理職の罰ゲーム化が進行してしまいます。
マイクロマネージメントが管理職の負担を増やす
多くの管理職は多忙になると、「部下に考えさせる」ための時間の余裕を失います。するとプレイング・マネジャーでもある管理職は、部下に「あれやっとおいて」「いつまでにこれをやっておいて」という自由度の少ない指示をだし、行動レベルで直接コントロールしようとします。そのようなマネジメントを受けたメンバーは、やたら上司の顔色をうかがいはじめるか、やたら反抗するようになり、その行動がさらに管理職の負荷を上げる、という悪循環が起こるということです。
説明している内容はごもっともですが、ある程度のマネジメントがないと、そもそも仕事が進まないパターンもあるんじゃないかと思いました。経験談として、ある程度メンバーに任せる形で仕事をお願いしたら、実は認識齟齬があって、結果的にやることが増えてしまった経験があります。
うまく進まなかった原因は色々ありますが、こまめな進捗確認していれば、もう少し被害は抑えられたような気もします。
結局は、案件やメンバー次第ですが、どのくらいマイクロマネージメントするかといった見極めが難しいと日ごろから感じます。
マネジメント課題の「筋トレ発想」
この管理職問題に対策を打とうとする多くの企業がハマってしまう罠について、警鐘を鳴らしておく必要があります。
その罠とは第2章ですでにふれた、管理職の負荷が高いのは、管理職自身のマネジメント・スキルが足りないからだという発想です。
~中略~
管理職問題を、スキルや意欲といった属人的なものに集約させ、研修トレーニングのメニューを見直したり、追加することを実施します。
これを筆者は、マネジメント課題の「筋トレ発想」と呼んでいます。
ここの文章を読んだときは衝撃を受けました。確かにその通りだなと。
個人のイメージですが、管理職の方は責任感が強いので、うまくいかない原因が自分と考えてしまうことが多いと思います。そして、企業側が個人スキルで解決できるよう施策をすることで、さらに管理職の負荷増大につながってしまうのだと思います。
もちろん、個人スキルが不足しているパターン、個人スキルをつけて解決したパターンもあると思います。個人スキルですべてを解決しようとすると罰ゲーム化が始まるかもしれないので注意しましょうといった内容だと思います。個人のスキルが原因にもかかわらず、この部分を鵜呑みして「会社のせいだ!」と他責しないよう注意しましょう。
管理職の「罰ゲーム化」の修正方法
ここまで管理職が罰ゲーム化している背景、原因をいくつか列挙しました。ここからは罰ゲーム化している管理職をどのように修正、攻略するか方法を紹介させてもらいます。
それぞれ細かい部分まで説明するとあまりにも多すぎてしまうので要点のみ紹介します。詳細が気になる方はぜひ本を読んでみてください!
4つの修正方法
- フォロワーシップ・アプローチ:管理職の部下である「メンバー層」へのトレーニングを増やす
- ワークシェアリング・アプローチ:管理職の役割を変更や共有をして、全体の役割や業務量を調整する
- ネットワーク・アプローチ:管理職同士の「ネットワーク構築」の施策
- キャリア・アプローチ:会社の昇進構造や選抜のあり方を変更する
上記の修正方法は企業向けの修正方法となります。「自分はそんな立場じゃないから修正するなんて無理だよ、、、」といった方もいらっしゃると思います。(実際、私はそんな立場の人間です。)
そんな方向けに、管理職個人で実践できる方法もいくつか紹介されておりました。そのうちの1つを紹介します。
仕事の「ものさし」を柔らかくする
修正方法からお伝えすると、仕事の期待水準「タテのものさし」「ヨコのものさし」を柔らかくするといったものです。
タテのものさし:特定の仕事において求める成果、クオリティの高低の水準
タテのものさしがガチガチに固まっている管理職は、その基準に合わせてクオリティの低い部下の仕事を許せなくなってしまいます。その結果、部下に仕事を任せられず、エスカレートしたら、「なぜこんなこともできない!?」「今どきの若いものは、、、」といったセリフを言ってしまうことになります。
この「タテのものさし」を柔らかくして、許容範囲を広げることが大事です。ここで確保した「余白」が「部下の成長」のための余白になってくれます。前項で「ある程度マネジメントは必要」と記載しましたが、その時はこの「余白」が足りなかったのかもしれません。
ここで勘違いしてしまうのが 「60点でよい」ということではありません。それでは「緩すぎる管理職」 になってしまいます。
「柔らかくする」というのは、「ある作業は自分がフォローして90点にする。」「この作業はいったん60点を目標で部下に考えてもらう。」といった 「幅」を持たせること なので注意しましょう。
ヨコのものさし:仕事のやり方、進め方の多様性について許容度を高めること
ヨコのものさしが固まっている人は、新しい仕事のやり方、技術、手法を取り入れたり受け入れたりすることができなくなる状態になります。
若手や新人の発想を拒否し、新しいやり方を取り入れず、管理職自身の変化適応力を下がる(市場価値を下げる)ことにつながります。私が働いているIT業界は、特に変化が激しい業界だと思うので、変化適応力をつけるのはとても重要になります。
最後に
いかがでしたでしょうか。もし、管理職というものをやっている方にとって、自分の状況を改めて考えてみるきっかけだったり、参考になってもらえれば幸いです。
今度はこちらの本を買ったので同じように読書メモとして紹介できればと思います。(今回の本となんだか似たようなにおいがしますね、、、笑)