1. はじめに
1-1. ブロックボリューム概要
OCIのブロック・ボリュームのアタッチ方法は以下2種類がある。
■iSCSI:
・ボリュームとアタッチされたインスタンス間の通信に使用されるTCP/IPベースの規格。
■準仮想化:
・VMで使用可能な仮想化アタッチメント。
※公式ドキュメント
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Block/Concepts/overview.htm
1-2. 違い
■iSCSI:
・ベア・メタル・インスタンスをサポート(準仮想化は非サポート)
・IOPSパフォーマンス重視 (ワークロードによっては大きな差異無し)
・OCI上でのアタッチ後、OS上でiSCSIコマンド等でアタッチが必要
■準仮想化:
・構成の手間が少ない
・安定
・ブロックボリュームサイズが大きいと、最大IOPS パフォーマンスが低下する
※パフォーマンスSLAは両者サポート(2026/2時点)
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Block/Concepts/blockvolumeperformance.htm
ボリューム当たりのIOPSおよびインスタンス当たりのIOPSに関するブロック・ボリュームのパフォーマンスSLAは、超高パフォーマンスの場合は16コア以上のVM、バランスおよびより高いパフォーマンスの場合は8コア以上のVMに対して、ブロック・ボリューム・サービス・レベルで、iSCSIボリューム・アタッチメントを使用した未フォーマットのRAWボリュームと、準仮想化ボリューム・アタッチメントに適用されます。
OCIの実際の画面
「カスタム」を選択すると、「iSCSI」「準仮想化」が選択できる。

2. Windows OS利用時の注意点
今回、Windows Server OSを利用する際に注意した方が良いシーンがあったので、
実機検証結果をメモ。
2.1 検証環境
・シェイプ:VM.Standard.E6.Flex
・OS:Windows Server 2025
・iSCSI接続:55GB Dドライブ
※接続はiSCSI Initiator より実施
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Block/Tasks/connectingtoavolume_topic-Connecting_to_iSCSIAttached_Volumes.htm
・準仮想化接続:60GB Eドライブ

2.2 事象
以下の構成においてOS起動後、イベントログが記録されない。(デフォルトに戻る)
・イベントログ出力先をデフォルトから変更
(変更前) %SystemRoot%\System32\Winevt\Logs\Security.evtx
(変更後) D:\Logs\Security.evtx
※ログデータはデータドライブにという要件に従って構成することはあり得る。
変更直後は上記の通り D:\Logs に出力されるが、再起動後デフォルトに戻ってしまう。
※プロパティ上は変更後のパス
※更新日時がデフォルトパスの方が新しい

尚、準仮想化の場合には本事象は発生しない。
2.3 原因
・Windows のイベントログサービスの起動と、iSCSI Initiatorの起動タイミング
イベントログサービスはOS起動後サービスが開始されイベントログの記録を開始するが、
その時点でiSCSI Initiatorが未だ起動しておらずディスクドライブに接続できていないと、
書き込み先が見つからない、となりデフォルトパスに記録を開始する。
イベントログ(System)には以下のログが記録され、パスが見つからなかった旨が記録。
Event ID:27 Source:EventLog
2.4 対策
(1)準仮想化に変更する
よほどiSCSIでないといけない場合を除き、準仮想化に変更で対応可能。
(2)デフォルトから変更する目的に立ち返り実現方法を検討する
例えば以下の目的、対策が考えられる。
・長期保存
->定期エクスポート、バックアップ
・システム領域の逼迫回避
->ログローテーション(デフォルトで有効)
(3)イベントログサービスを遅延開始にする 【非推奨】
起動順をiSCSI Initiator -> イベントログ とすることで解消しそうな気はするが、
イベントログはOS起動開始直後からログを記録し、起動直後は割と重要なログがある。
遅延開始により本来書き込まれるべきログが書き込まれないこともあり得るので、
遅延開始が適しているとは言えない。
3. 纏め
・利用用途に応じて接続タイプ(iSCSI/準仮想化)を選択する必要がある。
・OS上の機能との組み合わせは要確認。
※今回はWindows のイベントログを例に記載
・目の前の事象解決に取り組むのではなく、要件に立ち返り実現方法を見直す。


