この記事はNTTドコモソリューションズ Advent Calendar 2025 25日目の記事です。
はじめに
こんにちは、NTT ドコモソリューションズ 技術革新本部 クラウドテクノロジセンタの佐伯です。
普段はAWS・AzureのPJ支援に関する業務に従事しています。
AWS社最大のイベント、re:Inventに念願の初参加を果たしました。
re:Invent自体の体験記は同行した方々に任せて、私は一番ためになったWorkshopセッションについて紹介します。
AWS Workshop
Workshopとは、自分のペースで受けられるハンズオン形式のプログラムです。
re:InventのWorkshopセッションは、ノートPC1台でOK。
必要なリソースが準備されたAWSアカウントにログインできます。
準備された資料に従って、実際に手を動かしてAWSマネジメントコンソールやAWS CLIを操作するので
「サービス名と概要は知っているけど触ったことなくて…」といった方でも安心して進められ、理解が深まります。
このAWS Workshop、現地参加した方だけでなく誰でも始められます!
・実際のサービスを、同じチームの勉強会の題材として手を動かして試してみたい
・AWSの資格試験を取得してで知識はあるけど、その内容を深めてみたい
・業務で扱ったAWSサービスについて、理解を深めたい
といった方にお勧めです。
AWS Workshopの始め方
現地参加しなくても始められるWorkshopの始め方について紹介していきます。
必要なもの
- ノートパソコン
- AWSアカウント(※作り方はこちら)
- 新しいもの・ことに対する好奇心(ないとすぐに挫折する)
あるといいもの
- 生成AIサービス(操作に詰まったとき、雑に聞いても教えてくれるので非常に優秀)
具体的な手順
AWS WorkshopsからやってみたいWorkshopを探してみます。
ここに書いてあるLevelは、
- 100: 初心者
- 200: 中級者
- 300: 上級者
- 400: エキスパート
を示しているので、Workshopを選ぶときの参考にしてみてください。
(個人的には、100, 200を数個やってAWSマネコンやCLIの操作感覚をつかんだら300以上にどんどん取り組んで問題ないと思います。300: 上級者と書いていますが、そこまで上級者じゃなくても大丈夫です)

出典︓"AWS Workshops" https://workshops.aws/(参照日:2025年12月16日)
Get Startedボタンを押したら、新しいタブでworkshop studioのページが開くかと思います
そこでまず最初に、「Prerequisites(事前準備)」の「If You Are Conducting the Workshop with Your Own Account(自身のアカウントでWorkshopを実施する場合)」という項目を見つけます。
※各workshopによって文言や表現が異なる場合もありますが、大体ありますので探してみてください。

出典︓"Cloud Hello World / クラウド入門" https://catalog.workshops.aws/cloud-hello-world/en-US(参照日:2025年12月16日)
あとはそのリンクに従って、準備を進めればOKです。
英語表記のままで進めづらい場合は、ブラウザの翻訳機能を使うと快適に進められます。

出典︓"Cloud Hello World / クラウド入門" https://catalog.workshops.aws/cloud-hello-world/en-US(参照日:2025年12月16日)
準備ができたら、workshop studioの最初から左側ナビゲーションペインの順番に沿って上から進めましょう。

出典︓"Cloud Hello World / クラウド入門" https://catalog.workshops.aws/cloud-hello-world/en-US(参照日:2025年12月16日)
最後まで進めると、自分が何を学べたかをまとめてくれて理解が深まります。

出典︓"Cloud Hello World / クラウド入門" https://catalog.workshops.aws/cloud-hello-world/en-US(参照日:2025年12月16日)
AWSアカウントがあれば3分で始められますので、「AWSで何をやったらいいかわからない」「具体的な操作方法についてどこで学んだらよいかわからない」という方は是非参考にしてみてください。
AWS Workshop関連
「ブラウザの機械翻訳は信用できない。正確な日本語で記載されたWorkshopをやってみたい」という方はこちらがおすすめです。(AWS) の 日本語ハンズオンやWorkshopを、カテゴリごとにまとめられているサイトです。
JP Contents Hub
おわりに
AWS Workshop、結構手軽に始められてAWSへの理解力が深まるのでお勧めです。
「習うより慣れよ」の精神で是非やってみましょう!
以降はre:InventのWorkshopに関する体験記を書いており、少し長いため「Workshopだけ受けられればOK!」という方は左上のハートを押して×ボタンで閉じてもらってOKです。
また、同行した佐藤さん、木村さんのre:Invent2025体験記が激アツですので、良かったら是非ご参照ください。
佐藤さん:
木村さん:
+α(re:Invent 2025 現地でのWorkshop体験記)
受講したWorkshopの紹介
今回参加の目的の一つとして「社内PJ支援で使えそうなネタのWorkshopを受けておきたい」と思っていたため、よく質問のくるアーキテクチャ全般に関するものと、今後来そうな生成AI系を半々ぐらいで受講しておこう、ぐらいのイメージでした。
結果、サーバーレスアーキテクチャに関するWorkshopが2件、アーキテクチャのオブザーバビリティに関するWorkshopが1件、KiroやBedrock Agent, AgentCoreなど、生成AIサービスをメインで活用するWorkshopが3件で、おおよそ予定通りに受けることができました。
以下に、re:Inventにて実際に受講したWorkshopについて共有します。
| セッションID | タイトル | セッション説明 | サービス | ジャンル |
|---|---|---|---|---|
| API309-R | Serverlesspresso: Build an event-driven application from the ground up | イベント駆動型でサーバーレスなコーヒー注文Webアプリケーションを構築 | AWS Step Functions | Event-Driven Architecture, Lambda-Based Applications, Serverless |
| CNS402-R1 | AWS Serverless developer experience workshop | AWS SAMを使用したサーバーレスソリューションの構築 | - | Lambda-Based Applications, DevOps, Serverless |
| COP408-R1 | Building resilient architectures with observability | 可観測性と回復力を維持するアプリケーション構築の実践的知見を習得 | Amazon CloudWatch, AWS Fault Injection Service, Amazon Application Recovery Controller | Monitoring & Observability, Resilience |
| ARC308-R | Rapid prototyping with Kiro CLI | 生成AI機能とAWSサービスを組み合わせた効果的な仕様駆動開発の体験 | Amazon Bedrock, Amazon Q Developer | Generative AI, Innovation & Transformation |
| NTA321 | AWS Agent for SAP Invoice Automation | Amazon Bedrock Agentを活用したエージェント型ワークフローの適用でSAPでの仕入先請求書処理を最適化 | Amazon Bedrock, Amazon Simple Storage Service (Amazon S3), Amazon Textract | Generative AI, Innovation & Transformation, Agentic AI |
| NET312-R1 | Network Operations with Amazon Bedrock AgentCore | Amazon Bedrock AgentCoreを使用したエージェント駆動型ネットワーク運用の探求 | Amazon Bedrock, Amazon CloudWatch, Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) | Generative AI, Monitoring & Observability, Network & Infrastructure Security |
現地のWorkshopは、参加者が自由に空いたテーブルに座り、壇上のスピーカーの説明を聞いてスタートするスタイルです。
2時間枠がとられていますが、参加者は割と自由に退席していて、セッションによっては最後まで残っている人のほうが少数でした。

API309-R
Serverlesspresso: Build an event-driven application from the ground up
公式による概要(機械翻訳):このWorkshopでは、AWS Lambda、Amazon EventBridge、AWS Step Functionsなどを使用して、完全なイベント駆動型でサーバーレスなコーヒー注文Webアプリケーションを構築します。顧客が注文を出し、バリスタがリアルタイムで管理する状況をシミュレートしながら、オーケストレーションとコレオグラフィによるスケーラブルなアーキテクチャ設計を学びます。サーバーレスサービスの統合や現実のワークフロー課題への対応におけるベストプラクティスを発見しましょう。AWSにおけるイベント駆動型サーバーレス設計の理解を深めるのに最適なセッションです。
所感:AWS Step Functionsを研修でしか使ったことがなかったため、このハンズオンでMicrosoftのPower Automateのように使えると知れて良かったです。LambdaやEventBridgeとの親和性も高く、ローコードかつサーバーレスなアプリケーションを手軽に作れる良い体験ができました。
備考:このWorkshopは公開されているので、興味のある方は以下からクリックしてトライしてみてください。
https://catalog.workshops.aws/serverlesspresso/en-US

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月1日)
スマホ側アプリ

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月1日)
お店側のアプリ

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月1日)
CNS402-R1
AWS Serverless developer experience workshop
公式による概要(機械翻訳):AWS Serverless Developer Experience (SDE) Workshopは、開発者がAWS SAMを使用したサーバーレスソリューションの構築に没頭できる実践的なWorkshopです。サーバーレスアプリケーションの構成、イベント駆動型アーキテクチャの原則、サーバーレスの可観測性、オープンソースツール、デプロイ自動化を網羅し、Python、TypeScript、Java、または.NETランタイムで利用可能です。本Workshopは、実世界のユースケースを通じてサーバーレス成熟度を加速させることを目的としています。ソリューションを完成させ、サーバーレスのベストプラクティスを適用する過程で、設計決定の背景にある「理由」とその実装を理解するよう挑戦します。
所感:AWS SAMについては聞いたことがある程度でしたが、Workshopでは簡単にリソースを作成することができました。ただ、時間内に終わり切れない分量だったためとにかく進めることが優先で、理解が追い付いていない状態です。Workshopが公開されていることを知ったので、復習したいと思います。
備考:このWorkshopは公開されているので、興味のある方は以下からクリックしてトライしてみてください。
https://catalog.workshops.aws/serverless-developer-experience/en-US

出典︓"AWS Serverless Developer Experience" https://catalog.workshops.aws/serverless-developer-experience/en-US/introduction(参照日:2025年12月16日)
COP408-R1
Building resilient architectures with observability
公式による概要(機械翻訳):重要なシステムが障害を起こすと、ダウンタイムの1分ごとに金銭的損失と信頼の喪失が発生します。この実践Workshopで、アプリケーションを回復力のある可観測システムへと変革しましょう。カオスエンジニアリングによる回復力の強化、AWS Fault Injection Serviceを用いた障害注入によるアベイラビリティゾーン障害・ネットワーク問題・デプロイ問題のシミュレーションを学びます。Amazon CloudWatchとAmazon Application Recovery Controllerを活用した障害の検知・診断・自動復旧手法を習得。実環境下でも可観測性と回復力を維持するアプリケーション構築の実践的知見を持ち帰れます。
所感:今回のre:Inventで一番ためになったWorkshopの一つで、Webサイトの障害を模擬してそれをCloudWatchで観測するという実践的な内容です。observabilityはサードパーティ製品を使うケースが多いと思われますが、AWSのみでもここまでできる、ということをこのワークショップで体験できてよかったです。
備考:このWorkshopのテキストは公開されているので、興味のある方は以下から内容を確認してみてください。
(残念ながらスタックが公開されていないため、今はトライできない状態です)
https://catalog.us-east-1.prod.workshops.aws/workshops/d99f0d9c-eab8-4adb-a336-042f5ddf75e7/en-US/1-introduction

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月3日)
ARC308-R
Rapid prototyping with Kiro CLI
公式による概要(機械翻訳):AWSプロトタイピング&クラウドエンジニアリング(PACE)に参加し、実績ある手法を用いた機能的なプロトタイプ構築の実践的経験を積みましょう。Kiro CLIを活用して「Vibeコーディング」を超え、技術的アプローチを検証しながらアイデアを完全な機能を備えたプロトタイプへ変換する方法を学びます。生成AI機能とAWSサービスを組み合わせた効果的な仕様駆動開発とプロンプトエンジニアリング技術を発見し、迅速な反復と改良を実現しましょう。
所感:今年話題のKiroを手軽に体感できるとあって、人気のあるセッションでした。日本人の方も多く、私は日本人で構成されたテーブルに座って進めましたが、普段から生成AIを使われている方が多く皆さんスムーズに進められている印象でした。Kiro CLIでは要件定義~プロトタイプ作成まで自然言語のプロンプトとYes/Noだけでスムーズに進められるため、使えるようにならないといけない、使えないと時代に取り残されそうだと感じました。

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月3日)
NTA321
AWS Agent for SAP Invoice Automation
公式による概要(機械翻訳):本セッションでは、Amazon Bedrock AgentとAmazon Novaを活用したエージェント型ワークフローの適用により、SAPにおける一般的なプロセスである仕入先請求書処理を最適化する手法を解説します。従来のSAP請求書処理では、手動データ入力、エラーが発生しやすい照合作業、承認のボトルネックが頻繁に発生します。インテリジェントな文書処理のためのAmazon Textractと推論のためのBedrockの大規模言語モデルを統合することで、エージェント型ソリューションはデータ抽出、検証、不一致処理、承認ルーティングを自動化できます。これにより、手作業の削減、精度の向上、処理時間の短縮、コスト削減、SAP環境内での可視性向上が実現され、最終的にベンダーとの関係強化につながります。
所感:従来なら会社によって様々な形式で出力される請求書を手動でデータ転記し、SAPでの承認作業を経てデータ格納する、人の工数がかかるフローを自動化して改善するWorkshopです。今回のre:Inventで最もためになったWorkshopのひとつです。TextractとBedrock Agentを組み合わせてフローの自動化、人の判断を行うところだけApprove or rejectという形にして自動化、SAPへの入力をAPI連携で行うことにより人はただ実行ボタンを押すのと判断を行うだけ。これまでもワークフローツールとSAPとの連携による業務自動化の例はありましたが、AIエージェントで実装することにより汎用性が高まり、機能追加などが行いやすいように感じました。このWorkshopの例を通して、請求書処理だけでなくワークフローで表せる業務プロセスにも応用可能なので、事務的な間接業務の圧縮に生かしたいと感じました。

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月4日)
NET312-R1
Network Operations with Amazon Bedrock AgentCore
公式による概要(機械翻訳):このハンズオンWorkshopで、Amazon Bedrock AgentCoreを使用したエージェント駆動型ネットワーク運用を探求しましょう。AgentCore Gatewayを介して統合されたVPC Reachability Analyzer、Traffic Mirroring、CloudWatchなどのAWSサービスを活用し、ネットワークタスクを自動化するインテリジェントエージェントの構築方法を学びます。メモリ機能によるエージェントのパーソナライゼーションと、Agent to Agent(A2A)プロトコルを介したマルチエージェント協調の仕組みを発見してください。エージェントベースのNetOpsが、一般的なネットワーク運用タスクにおける解決時間の短縮と運用信頼性の向上にどのように貢献するかを理解して帰ることができます。
所感:ネットワーク監視をBedrock AgentCoreで行うというWorkshopです。実務的にはまだ足りない部分もあるかもしれませんが、AIエージェントの応用例としてこういったものもあるのか...!と感心しました。内容については難易度が高い&ボリュームも多くすべてを理解しきれませんでしたので、現地で記録したことを復習します。

出典:Amazon Web Services, Inc., Amazon Web Services (筆者受講Workshop用アカウント/スクリーンショット取得日:2025年12月4日)
そのほか
ARC308-Rのセッションでは、スピーカーの方に以下のような質問をして快く回答いただきました。
Q「生成AIで要件定義~プロトタイピングまでを行ってくれるサービスも登場し、今後こういったサービスの精度も上がっていくと想定される。その中で、我々エンジニアの価値はどこにあるのか」
A「既存の技術を知っている、何かが作れるではなく、新しい技術を学び続ける姿勢と好奇心、変化し続けることが重要」
次から次へと新しい技術が出てくる時代ではありますが、エンジニアとしての自分の価値を保つためには基本通りに日々手を動かすことの積み重ねが重要と改めて認識しました。
まとめ
re:Inventに参加して一番大事だと思ったのは、「知識」よりも「経験」、「新しいことに対する好奇心」、「AWSに没頭できる時間を確保すること」という点です。私を含め業務ではAWSのみに集中するのが難しい人でも、日々少しずつ「AWSに没頭する時間」を確保すべき、というやる気をまず私がいただきました。日々精進あるのみです。。。
おわりに
最後に、入社したばかりの私に貴重な機会をくださった会社と職場のみなさま、一緒にイベントを乗り切った佐藤さん 、木村さん本当にありがとうございました。
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