はじめに
Adobe Campaign Classicにおける配信アクティビティは、まさに本製品の肝となる「配信」を司る機能であり、これからAdobe Campaign Classicを利用される皆さまにお伝えしたい事は、いろいろな観点で様々な内容があります!
基本編の第一回目としては、私がAdobe Campaign Classicを触り始めてなんとなくワークフローの作り方が分かった時でも「把握してなかったなぁ」と振り返って思う配信アクティビティ関連の知識について、2つ触れてみたいと思います。「もう知ってるよ」という方でしたら読み飛ばして頂ければと思いますが、「それよく分かっていないかも」という方の場合はぜひチェックしてみて下さい!
機能詳細や仕様は以下の製品ドキュメントを参考にしてください。
配信作成手順について
本手順は以下の環境を前提としたものになっております。
・Adobe Campaignバージョン情報:9032(日本語環境)
・対象環境:Managed/Hybrid/On-Premise
配信アクティビティの種類と違いって知ってる?
Campaginではメール配信の配信アクティビティの種類が複数ありますが、一般的には以下3つの配信アクティビティによりほとんどの業務要件を実現することができ、実際にも以下のいずれかの配信アクティビティで実装がされることがほとんどです。
配信種類 | テンプレート内容反映 | 処理実行 | 配信データ作成 | ユースケース例 |
---|---|---|---|---|
Eメール配信 | 初回設定時 | 1回のみ | 配信都度(1つ) | 1回きりCampaignメール |
繰り返し配信 | 初回設定時 | 何度も可 | 配信都度 | 日次Happy Birthdayメール |
連続配信 | 配信都度 | 何度も可 | 1つ | 都度Welcomeメール |
種類によって動きが個々に微妙に違うので、観点別に見ていきましょう。
テンプレート内容反映
まず前提として、ワークフローで配信アクティビティを設定する際に、必ず配信テンプレートの設定が必要となります。つまり、利用したい配信テンプレートは事前に用意しておく必要があります。
※通常Campaign導入時に、お客さまの要件に沿った配信テンプレートを1つ以上作成し、以降は当該配信テンプレートを使いまわす or 必要に応じ新しい配信テンプレートを作成する、ことが一般的です。
この配信テンプレートの内容が、配信アクティビティに反映されるタイミング(設定されるタイミング)は、配信アクティビティの種類によっては変わります。
▼「Eメール配信」「繰り返し配信」の場合
ワークフロー上に配置した配信アクティビティに対して、編集する配信コンテンツの初期設定として、配信テンプレートを編集初回時に一度設定します。一度設定した後は、配信アクティビティでの編集内容が優先され、「配信テンプレート」側の変更は配信アクティビティ側には反映されません。
配信テンプレートの指定手順は以下の通りです。
利用する配信テンプレートを選択し「続行」ボタンを押下すると
初期設定として配信テンプレートの値が反映された配信コンテンツを編集画面にて確認でき、必要に応じ変更を加えた後に、「保存」ボタンを押下することで内容を最終確定します。
(以下は、初期値が何も設定されていない配信テンプレートの例)
▼「連続配信」の場合
配信テンプレートの選択のみで、配信コンテンツの編集はできません。つまり、配信アクティビティの処理時に、その時点の「配信テンプレート」のデータを都度取得するので、最新の配信テンプレートの内容が都度反映されます。
「Eメール配信」「繰り返し配信」の場合、配信テンプレートの設定時の断面の情報が配信アクティビティに反映されるだけなので注意。
処理実行
配信アクティビティの実行が可能な回数についても、配信アクティビティの種類によって変わります。
▼「Eメール配信」
1回のみ実行可能です(配信アクティビティ実行後は配信アクティビティの変更が不可となり、2回目以降実行すると配信アクティビティがエラーとなりワークフローが停止します)
▼「繰り返し配信」「連続配信」の場合
何回でも実行が可能です。
「Eメール配信」は1回しか処理できないので、複数回処理実行を想定している配信の場合は、「繰り返し配信」または「連続配信」を利用することは忘れずに。
配信データ作成
配信アクティビティの実行によって作成される配信データ(配信結果)も、配信アクティビティの種類によって作成のされ方が変わります。
▼「Eメール配信」「繰り返し配信」の場合
配信アクティビティの実行都度、配信データが作成されます。例えば、「繰り返し配信」によって1人に3回メール配信を実行した場合、3つの別の配信データが作成されます。
▼「連続配信」の場合
配信アクティビティにつき、配信データは一つのみ作成されます。例えば、「連続配信」によって前述と同様1人に3回メール配信を実行した場合、配信データは1つのみ作成され、配信した数(送信するメッセージ、処理済み、成功)は3回のメールでの合計である3となります。
1回以上の配信を想定している配信コンテンツの場合、「繰り返し配信」か「連続配信」かどちらを利用するか迷う場合がありますが、一定の頻度で発生する定型的な通知やアラートには、作成される配信データの量を抑えられる「連続配信」の利用が有用です。
配信コードって設定してる?
配信アクティビティでは、配信データの識別子として任意の値を「配信コード」を設定することで、作成された配信データにこの「配信コード」を付与することできます。これにより、後からユーザの意図による配信データの識別が容易となります。

例えば、あるキャンペーンをするにあたってAdobe Campaign Classicから複数の配信を実施したとします。その場合、作成された配信データには、配信都度別の内部名が採番されるため、件名もバラバラだった場合、そのキャンペーンに対して行った配信がどれかを抽出する識別子がなく、一つ一つ配信データを特定する必要が出てしまう場合があります。ここで、配信コードとして任意の値をそのキャンペーンに向けて実施した配信に設定しておくことで、後から簡単に対象の配信データを抽出することができます。

あくまで上記は一例ですが、効果検証時の配信データの抽出や、配信実績をもとにした追加配信施策を実施する際の抽出等、用途によっていろいろな使い方ができます。あとで「やっぱり配信コードを設定しておけばよかった...」とならないように配信コードの設定は基本的に推奨されます。
おわりに
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