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クラウドフローが自動でソリューションフローとなる機能について(前編)

Last updated at Posted at 2024-11-09

この記事は、Microsoft Power Automate Advent Calendar 20242024年12月3日に公開予定の記事の前編です。
※ 2024年12月2日現在、機能がプレビュー状態であるため、シーズン2の2024年12月24日に記事を投稿予定です。(追記)
機能アップデートが11月30日に公開される予定となっているため、先に本記事を公開いたします。

クラウドフローはDataverseソリューションで自動で定義される とは?

2024年10月31日。メッセージセンターに以下のUpdate情報が通知されました。

defaultsolution01.png

最後のリンク先を見ると、以前からプレビューとして提供されていた機能である「既定のソリューション」にクラウドフローを追加する機能であることがわかりました。

既定でキャンバス アプリとクラウド フローをソリューションに追加する (プレビュー) - Power Apps | Microsoft Learn

この機能は、プレビュー時は、オプトインをしない限りは有効となりません。
具体的には、Power Platform管理センターの[環境]から該当環境を選択し、[設定] > [製品]-[機能]にある以下のトグルをオンにする必要があります。(2024/11/07時点)
defaultsolution02.png

しかし、メッセージID:MC922500 の内容を見ますと、「クラウドフローは、Dataverseソリューションで自動的に定義されます」と記載されています。
また、準備のために必要なアクションについても、必要ないとの記載もあります。

とすると、機能がリリース(一般公開)されると、自動的に以下の設定に変更されるということでしょうか?
また、オプトアウトする機能は残されるのかも気になるところです。
(願わくば、自動でONにはならないで欲しいところです)
defaultsolution03.png

「Dataverseソリューションで新しいキャンバスアプリとクラウドフローを作成する」 という機能はどのようなものか

以前に、コルネさんが、「既定のソリューション」の機能と関連の深い「優先するソリューション」について、記事を書いていらっしゃいます。この記事の中で、「既定のソリューション」についても触れられており、こちらの記事が参考になりますので、合わせてお読みいただくとよいと思います。
Power Appsを新規作成するとソリューションに含まれるようになりました - コルネの進捗や備忘録が記されたなにか

プレビュー時点での動作とはなりますが、以下のような動作をします。

1. ソリューションを作成してからクラウドフローを作成しなくてもソリューションフローとなる

2. システムが作成している「既定のソリューション」に追加される形でクラウドフローが作成される

3. ソリューションフローになると、「下書き(エラーがあっても保存できる)」や「バージョン管理」の機能が利用できるようになる

4. 「オートメーションセンター(プレビュー)」で実行履歴の分析等が利用できる

ソリューションを意識しなくても、ソリューションフローのメリットを享受できるのでとても良い機能のように思われます。

しかし、一方で以下のような特徴を持つことになります。

5. 環境にアクセスするユーザーのクラウドフローはすべて同じ「既定のソリューション」に追加される

6. クラウドフローのエクスポート時に「パッケージ(レガシー)」でエクスポートすることができなくなる
defaultsolution04.png

7. 「既定のソリューション」は、ソリューションとしてエクスポート不可のため、エクスポート時には、別でカスタムソリューションを作成し、クラウドフローを追加したあとに、ソリューションをエクスポートする必要がある
defaultsolution05.png

8. 一度、ソリューションフローとなると、ソリューションではない状態に戻すことはできない

9. Dataverseのデータベース容量を消費するようになる
defaultsolution06.png
既定でキャンバス アプリとクラウド フローをソリューションに追加する (プレビュー) - Power Apps | Microsoft Learn


これらの特徴をメリットととらえるか、デメリットととらえるかは、立場によって変わるかなと思います。

管理者視点でみると、いままでクラウドフローを作成しても消費しなかった、Dataverseのデータベース容量を消費するようになる点は、大きな考慮事項のひとつであると考えられます。
また、レガシーなエクスポートができなくなる点についても、問い合わせが増えるなどの懸念も予想もされます。

開発者視点で見ると、ソリューションを意識していなかったひとにとっては、ソリューションを意識する必要がでてくるため、学習すべきことが増えたと感じるかもしれません。

新規作成時と既存のクラウドフローについて

プレビュー時点で、オプトインした場合、新規に作成したフローは、「既定のソリューション」に含まれ、クラウドフローの詳細画面にも以下のように記載されるようになりました。
defaultsolution07.png

メッセージID:MC922500 の内容を見ますと、「ソリューションの外部にあるフローをソリューションに移行する機能が提供されます。」とあるため、既存のクラウドフローは、移行機能を使わない限りにおいては、いままでどおり扱えると推測されます。

一般公開後はどうなるのか?

メッセージID:MC922500 の内容では、2024年11月30日に一般公開されるような記載があります。
Microsoft Power Automate Advent Calendar 20242024年12月3日2024年12月24日(追記)に公開予定の後編で、推測部分について、実際にはどのようになったのか、また、本記事で詳細に触れられていない部分について、補足記事を公開したいと思います。

おまけ

自動でソリューションフローになるということは、「ソリューション」のメリットを享受できるということでもありますが、前述したとおり「ソリューション」の機能を理解する必要がでてくるということになります。
「既定のソリューション」に含まれてしまうよりは、カスタムソリューションを作成して、クラウドフローを作成するという方法にしたほうが、管理がしやすいと思います。
そのため、せっかくなので、この機会に「ソリューション」について、学んでみてはいかがでしょうか。

ソリューションについては、公式ドキュメントは以下あたりを参考にしてください。
ソリューション対応フローの概要 - Power Automate | Microsoft Learn
ソリューションのコンセプト - Power Platform | Microsoft Learn
Power Apps でソリューションを作成する - Power Apps | Microsoft Learn

また、しおりん こと Shiori Kuramoto さんの以下の記事も非常にわかりやすくて参考になります。ソリューション関連記事もございます。
Power Appsのソリューションとは #PowerAutomate - Qiita

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