きっかけ
自社サービス dreami.jp にはAI概算見積もり機能がありますが、これは「作りたいものが決まっている人」向けの導線です。実際には「業務を何とかしたいけど、何を作ればいいのか分からない」という層の方が多いのでは、と考えるようになりました。
見積もりフォームを開いた瞬間に「カテゴリを選んでください」と言われても、そもそも選択肢が自分の悩みとどう繋がるのか分からない人にとっては、そこがすでに離脱ポイントになります。
そこで、見積もりの前段階として「AIに何ができるか」を考えた結果、超軽量な業務改善診断ツールを作りました。 → https://dreami.jp/business-diagnosis
設計の出発点: 精度より「気軽さ」
最初に決めたのは、この機能は見積もりの精度を狙わないということでした。
- 会社情報や詳細な業務フローの入力は求めない
- 悩みのカテゴリをタップで選ぶだけで診断が始まる
- 自由記述は任意(空欄でも診断できる)
「精度の高い診断」を作ろうとすると、結局は見積もり機能と同じくらいの入力量が必要になり、二重に作る意味がなくなります。なので思い切って、入力のハードルを極限まで下げて「まず触ってもらう」ことを優先しました。自由記述を必須にしなかったのも、空のテキストエリアを見せると「何を書けばいいか分からない」で離脱されやすいと考えたからです。
技術構成
- フロントエンド: Next.js
- バックエンド: FastAPI (Python)
- AI: Gemini API(見積もり機能と同じ呼び出しパターンを再利用)
- 認証: Google OAuthログイン必須(裏側でAI APIコストが発生するため)
見積もり機能とほぼ同じ入力・分析・表示の基盤が必要になることは最初から分かっていたので、新規に基盤を作らず、既存の見積もりエージェントの仕組みを最大限流用しました。開発コストを抑えつつ、UIの一貫性も保てるという狙いです。
見積もりへの橋渡し
診断結果は改善提案1〜3件をカードで表示するだけで完結させず、各カードに「この改善を見積もる」ボタンを置いています。押すと、診断内容(カテゴリや自由記述の要約)を引き継いだ状態で見積もりフォームが開始されます。
ここで意識したのは、単なるページ遷移ではなく状態を引き継ぐことです。ログイン済みセッションもそのまま引き継がれるので、診断→見積もりの間で再ログインは発生しません。診断だけして満足されてしまうと本来の目的(見積もり・受注への導線)を果たせないので、ここの離脱率をどれだけ下げられるかが一番のポイントだと考えています。
コスト面での配慮
AI呼び出しが発生する機能なので、無制限に開放するとコストが青天井になります。見積もり機能と同じレート制限の設計パターンを流用し、この機能専用のカウンタを別に持たせました。診断は見積もりよりも1回あたりの入力が軽く「気軽に試せる」価値が重要なので、サイト全体の上限は見積もり本体よりやや緩めに設定しています。
まとめ
見積もりフォームだけでは拾えない「そもそも何を作ればいいか分からない」層に向けて、AIを使った軽量な入口を作った、という話でした。精度を追わず、既存基盤を再利用し、離脱を防ぐ引き継ぎ設計に注力する、という判断軸で作っています。
実際に試してみたい方はこちらから → https://dreami.jp/business-diagnosis