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グレンジAdvent Calendar 2024

Day 23

「ログライン」で鍛錬を積み「要件定義」に磨きをかけよう

Last updated at Posted at 2024-12-22

★0.はじめに〜ご挨拶と狙い

こちらは「グレンジ Advent Calendar 2024」の23日目の記事となります。

前提として本記事は、「映画好き」かつ「ゲーム制作の仕事に携わっている」ニッチな方を対象としています。

いわゆる「面白い映画」における美しい「シナリオ」とは、たくさんの文章が一定の構造に従いロジカルな構成で作成されていますが、その「シナリオ」を作成するにあたって「ログライン」という簡潔に表現された一文から進行を始めることがセオリーです。

「ログライン」には必ず「目的」と「条件」が的確に存在し、「シナリオ」もそれに沿って最適なバランスで文章を構築する必要があります。

一方プロジェクト開発において、その入り口で作成すべき「要件定義」についても、明確な「目的」と「条件」が必須となります。

すなわち本記事の狙いは、「ログライン」作成の鍛錬を積むことで、「要件定義」作成の能力に磨きをかけることが可能ではないか、というところにあります。

本記事を通して、「シナリオ」の入り口である「ログライン」と、プロジェクト開発に必要な「要件定義」についての概要に触れ、そこに少しでも興味を持ち、さらにはその作成スキルを身につけていただけましたら幸いです。

◆1.本記事の要件定義

1-1.本記事の目的

・シナリオ作成に欠かせない「ログライン」の構造を学び研鑽を積むことで、プロジェクト開発に欠かせない「要件定義」作成の能力を磨く一助となること。

1-2.本記事の条件

・「ログライン」と「要件定義」について理解すること。
・「目的」と「条件」について理解すること。
・「ログライン」作成の鍛錬により得た経験を「要件定義」作成に活かすこと。

◆2.「ログライン」と「要件定義」

2-1.「ログライン」とは

「一言で言うと、どんな物語?」です。
物語における「誰が、何をして、どうなるか」が、一言で簡潔に表現されたものを指します。

特にハリウッドでは、脚本家や監督がプロデューサーに企画を持ち込む際に必須のもので、これの出来如何によって次の段階に進めるかどうかが決まります。

まともな「ログライン」を作成できないようでは、素敵な映画は作れません。

2-1-1.「ログライン」の構成要素

「誰が、何をして、どうなるか」は「目的」と「条件」に分解できます。

①目的:「誰が、どうなるか」が「目的」です。 「主人公の変化」を表現します。
②条件:「何をして」が「条件」です。 主人公が「何をきっかけに変化したか」を表現します。

以下具定例をもとに「ログライン」の理解を深めてみましょう。

2-1-2.「ログライン」の具体例

例えば「平凡で気弱な少女が、神々の世界で働くことで、たくましく成長する物語」というログラインがあります。

この場合、
①目的:「平凡で気弱な少女が、たくましく成長する」
②条件:「神々の世界で働くことで」
となります。

「平凡で気弱な少女」が、「神々の世界で働くこと」をきっかけとして、「たくましく成長(変化)」することを一言で表現しています。
なお、こちらは映画「千と千尋の神隠し」のログラインとなります。

2-2.「要件定義」とは

該当プロジェクトの目的を明確にし、必要な機能や性能、条件などを明確に定めるプロセスを指します。

目的をはっきりさせることで、プロジェクトの方向性が定まり、関係者が共通のゴールを理解し、ミッションを遂行できるようになります。
目的を明確化させないと、プロジェクトの進行が阻害されたり、必要としていた成果物と異なるものが完成するといったトラブルにつながります。

2-2-1.「要件定義」の構成要素

以下の通りになります。
①目的:シンプルに何のためにやるのか
②条件:予算/仕様/絶対制約/要望制約/スケジュール/ステークホルダー等々

2-2-2.「要件定義」の具体例

例えば「お客様の満足度を上げたいから、Aの機能をアプリに入れてみよう」というプロジェクトが始動したとします。

この場合、
①目的:「A機能をリリースして、お客様の満足度を上げる」
②条件:「予算/マーケティングリサーチ/仕様策定/決裁者/スケジュール/開発/テスト等々」
となり、これを要件定義書に落とし込みます。

目的を不明瞭にせず明確化し、丁寧に条件項目を設定することで、プロジェクト開発を円滑に進めることができます。

★3.おわりに〜何を伝えたいのか

「ログライン」と「要件定義」の構成要素は同じです。

「ログライン」は映画鑑賞後に研鑽のために作成することも可能です。
ですので、映画鑑賞後にその映画の「ログライン」を作成してみることで、「目的」と「条件」の構成要素を理解する鍛錬となり、自然と「要件定義」作成の能力が身につくはずです。

また「要件定義」の作成を習慣づけると、プロジェクト開発の入り口だけでなく、さまざまな部分で活用することができます。
例えば仕様書作成やプレゼンはもちろんのこと、細かなミーティングの名称でさえも、「ログライン」同様に一言で簡潔に表現されたものを作り出すことができます。

映画好きな方は、ぜひお手隙の際に「ログライン」作成にチャレンジいただき、「要件定義」作成の能力を磨いていただけましたら幸いです。

簡単ではございますが、以上にて今回の記事は終了です。
最後までご一読いただき、ありがとうございました。

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