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GPTs開発者必見! ヘルプ機能を追加する簡単な手順を提案します

Last updated at Posted at 2024-06-17

要約

これからのGPTsは、初見の人にも分かりやすくする必要があります。そのため、各GPTsにヘルプ機能の実装が望まれます。しかし、今のところ公認の手段は見当たりません。そこで、GPTsの特性をうまく活用しつつ最低限の手間でそれを実現する方法を考えてみました。その結果、何とか実用的な方策を見出すことができたので、公開します。GPTs開発に挑戦している方々の参考になることを願います。

help_result.jpg
「GPTsがすごいと聞いてやってきたが、何がなんだかさっぱりわからないぞ! 助けてくれ!」

背景

2024年4月までのカスタムGPT(GPTs)の世界には、月20ドルもの課金をしてでも活用してやろうという「志が高い」ユーザーのみしかいませんでした。しかし、5月になって大きな変化がありました。GPTsが、制約付きとはいえ無課金ユーザーにも開放されたわけです。こうした動きは今後も継続するでしょう。これにより、GPTsのユーザー数が急速に増加することが予想されます。

AI活用のすそ野を広げるには、初級者・中級者・初見ユーザーのフォローが欠かせません。今後本格化するのであろう収益化をも視野に入れるなら尚更でしょう。

ChatGPTの画面上で検索をかけて良さそうな名称のGPTsを見つけたはいいが、アクセスした後どうしたらいいかわからない。現状では大半がこの状況でしょう。これではせっかくのGPTsも利用が広がらず、宝の持ち腐れに終わってしまうのではないでしょうか。

こうしたことを考えた時、各GPTsにヘルプ機能を追加することは必須でしょう。本来ならGPTsの編集画面上で然るべき項目を設定すれば直ちにスマートなヘルプが提供されるといった仕組みが用意されていて然るべきです。しかしながら2024年6月の段階ではそうしたものは見当たりません。

ないのであれば、開発者側で独自に何とか対処するしかありません。

ヘルプ機能をGPTsに組み込む手順

さて、具体的にはどのように?

試行錯誤の末、そこそこ簡単でそこそこ効果的な方法を見出すことができたので紹介したいと思います。

1. まず紹介記事を書く

まずはGPTsの詳細な情報を記した記事を用意します。これがないと始まりません。noteでもmediumでもzennでもquiitaでも自分のwordpressサイトでもいいので、とにかく作って公開することです。

記事の中では、GPTsの目的、利用方法、典型的なプロンプト例など、きちんと説明しておきましょう。

2. GPTsのインストラクションにヘルプ対応指示を書き加える

テンプレートの挿入

次に対象GPTsの編集画面に行き、「GPTs編集画面」→「構成」→「指示」と進みます。

この「指示」の中には、そのGPTsの機能を実現すべく既にいろいろな指示が書き込まれているはずです。その指示の先頭に、以下の文言を挿入します。

When a user accesses this GPT, or If the input prompt is either an empty string or just "help", always respond with a message in the following format. Replace {{desc}} with a summary of the purpose of this GPT's instructions in simple English. And replace {{example}} with a simple example prompt written in English which is suitable for first-time users of this GPT. After output, the whole message must be output once more in easy Japanese.

# Output format
"This is a sample GPT. For more details, please refer to the [guide article](url).

* **Summary**: {{desc}}
* **Example prompt**: "{{example}}"

# Additional Instructions
If the input prompt contains anything other than "help", follow the instructions below:

GPTsに合わせた微調整

まず、Output format直後の"This is a sample GPT."の箇所を当該のGPTsに合わせて書き替えます。

次に、"[guide article](URL)"の中のURLを、上で用意した解説記事のURLに置き換えます。

プロンプトサンプルの調整

そもそも、このGPTsにはヘルプが存在するということを利用者に知らしめないと意味がありません。そのためにGPTsの初期画面に表示されるプロンプトサンプルを利用します。

サンプルの最初に"help"で出るように調整しましょう。

Monosnap2024-06-17_01.09.44.png

とりあえずGPTsの初期画面に表示されるプロンプト例から"help"をクリックしてもらえば、後は何とかなるというわけです。

3. 完成です

プレビュー画面で、helpとだけ入力してみます。
以下のように、英語と日本語で簡単なヘルプ文章が表示されるはずです。

1_240608.png

このGPTsの場合ヘルプが日英両バージョン存在するため、リンクの部分はそれに応じて拡充してあります

同じ内容のヘルプ文章を英語と日本語で繰り返して出力するよう指示しているので、基本的にバイリンガル出力になるはずです。インターナショナルでグローバルでワールドワイドな時代に合わせて、どうせなら世界にアピールしないとね。翻訳も得意なChatGPTを使っているのだから機能を活用しない手はありません。

対処済みGPTs一覧

2024年6月時点で私は以下の6本の自作GPTsを公開しています。
そのすべてに対して上記解説に準じる対応を行ない、help機能を実装しました。

課題

ここで提案した方法を使うと、簡単な手順で最低限のヘルプ機能をGPTsに追加できます。しかし、その機能は完璧というわけではありません。

ChatGPTの特性上、常に同じ反応を返すとは限らず、日本語と英語のどちらか一方のみが返される場合もあります。あるいは他のプロンプトを与えて仕事をさせようとしているときに突然ヘルプを割り込み出力してきたりします。

そのような状況であってもユーザーに必要以上の混乱を与えないためには、ヘルプの出力フォーマットはシンプルに保ち、外部記事へのURLを告知することに重点を置くべきです。

おわりに

ChatGPTの上でGPTsを検索してはみたものの、その使い方が今ひとつわからない。今のところ、GPTsの世界はデフォルトでそんな感じですが、まあ有体に言ってこれは酷い。

といって、ヘルプの実装なんて、特に個人レベルの開発でいちいちやってられないというのも本音ではないでしょうか。

ここでは、開発者に大きな負担を強いることなく、なおかつ「ユーザーに優しい」GPTsを作ることができる手法を提案しました。GPTsを公開している皆さんにはぜひ参考にしていただければと思います。

この記事は、筆者がnote.comに投稿した3報の記事を統合した上で新情報の追加等を行ったものです。

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