#概要
普段は耳鼻咽喉科の開業医をしています。
以前Microsoft Custom Vision Service を使用して鼓膜画像の分類モデルを作成してみました。
以前の記事はこちら
Microsoft Custom Vision Service を使用した鼓膜画像認識
Microsoft Custom Vision Serviceによる中耳炎画像認識LINE Botの作成
鼓膜の画像を送り質問に返答すれば、自動で中耳炎の診断や治療方針が返されるLINE Botを作成(ヒーローズ・リーグ2019 LINEテーマ賞)
今回Google Cloud Platformが提供する機械学習サービスの1つであり、画像分類を行うことが出来るAutoML Visionを使って鼓膜画像分類モデルを作成してみました。
#作成方法
1.鼓膜データ収集
使用した鼓膜画像は画像認識技術開発のために使用することに同意いただいたものを匿名化し使わせて頂きました。train dataとして急性中耳炎103枚、正常鼓膜102枚、滲出性中耳炎101枚を用意しました。
(最適なモデルを作成するには、各ラベルに少なくとも 100 個の画像を含める必要があると書かれています。)
2.画像のインポート
Google Cloud Platformのコンソール画面左上のハンバーガーメニューから『Vison』を選択します。
AutoML Vision 『使ってみる』を選択します。
『データセット名』を適当に付けて、今回の場合は『単一ラベル分類』を選び、『データセットを作成』を選びます。
今回はパソコンから画像をアップロードします。
『BROWSE』を選択します。
バケットを作成します。名前を適当に付け、他は初期設定のまま作成しました。
今回は急性中耳炎・滲出性中耳炎・正常鼓膜の各ファイルが入ったzipファイル(train.zip)をパソコンから選択します。
画像がインポートされました。
ファイル毎に分類されています(aom:急性中耳炎、normal:正常鼓膜、ome:滲出性中耳炎)。
3.トレーニング
『トレーニング開始』を選択します。
今回トレーニングが終わるまで2時間ほどかかりました。
鼓膜画像分類モデルができました。
平均適合率は98%です。
滲出性中耳炎(ome)の判別が難しく、急性中耳炎(aom)に間違えやすいようです。
#考察
AutoML Visionを使いノンコーディングで簡単に高精度の鼓膜画像分類モデルを構築することが出来ました。Microsoft Custom Vision Serviceに比べるとトレーニングにかかる時間がかなり長いようです。今度は構築したモデルをAPI経由でアプリやWebサービスから利用してみたいと思います。