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「伝える」ではなく「動かす」プレゼンにするために私がしていること

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私のプレゼンに対する価値観

大変ありがたいことに、私はセミナーやイベントでプレゼンをする機会をいただくことがあります。

コミュニティを立ち上げよう&育もう!〜大企業で「コミュニティ型の組織で動いていく」という選択肢〜

楽しみながら仲間と学ぶ~全社横断型の CCoE コミュニティが牽引する DX と人材育成~

先日、社内のかたからプレゼンについて私がどう考えているのか聞かれ、少し頭の中を整理をする機会がありました。

プレゼンに対する、基本的な考え方、価値観についてまとめました。

一個人として、企業を代表して、立場の違いはありますが、時間をとって聴いていただけるかたに対しての姿勢は、共通しています。

伝えることの目的は「行動のきっかけ」をつくること

  • プレゼンを通じて、聴いた人に「自分もやってみよう」と思ってもらうことを目指している
  • 単なる情報提供ではなく、聴k手が自分ごと化できるナラティブを意識
  • プレゼンは“届ける”よりも“動かす”ことがゴール

私の価値観

「伝える」ことの価値は、相手が行動を起こすことにあります。たとえ一人でも、誰かの背中を押せたら、それがプレゼンをする意味になると考えています。

エピソードや詳細

あるイベントでプレゼンをしたあと、Facebook経由で感想とともに「実際にやってみました!」というメッセージをもらったことがあります。その人はそれまで社内で発信をためらっていたそうですが、私の話をきっかけに一歩を踏み出せたとのことでした。直接顔を合わせていない相手にも、話が届き、行動に結びつく。それが確認できたとき、自分のプレゼンに価値があると実感します。私はその一通のメッセージを、誰か一人の行動が変わった証として、とても大切にしています。

聴衆へのアプローチ

聴き手が「面白い」と感じることを最優先にしています。

  • 聞いていてワクワクするような内容にする
  • 企業紹介など、聞き手にとって嬉しくない情報はできる限り省略
  • 聴衆の反応(特に前方の列)を見ながら、話の内容やトーンを柔軟に調整

私の価値観

プレゼンは発表ではなく“対話”です。聴き手と向き合い、反応を見ながら柔軟に届け方を変えるのが、本当に伝わるプレゼンだと信じています。

エピソードや詳細

あるカンファレンスでの登壇時、私の前に企業紹介を中心に話された方のプレゼンが続いていました。その中で私は、自己紹介を最小限にとどめ、参加者がワクワクするようなストーリーからすぐに本題に入りました。すると、前列にいた方々の姿勢が明らかに前のめりになり、アイコンタクトが生まれ、笑顔も見え始めました。私はそうした反応を見ながら、少し話す順番を変えたり、トーンを調整したりしながら進行しました。終わったあと、その前列の方から「思わず引き込まれて、聞き入ってしまった」と声をかけていただき、改めて“今この場にいる人たちと一緒に作る感覚”が、私のプレゼンの本質なのだと感じました。

スライドは「見るもの」、話は「聴くもの」

  • スライドに書いてあることは話さない
  • 裏話や本音など、スライドにない情報を口頭で話す
  • 必ず「神スライド」(印象的な一枚絵)を一枚は入れる
  • スライドは全公開することを最初に宣言する

私の価値観

情報は視覚と聴覚で補完し合うものです。スライドと話が重なると聞き手の集中が分散してしまいます。だからこそ「(スライドに書くのではなく)話す価値があること」だけを話すようにしています。

エピソードや詳細

私のプレゼンでは冒頭で「スライドはすべて公開しますので、今日は話に集中してください」と伝えるようにしています。この一言で、聴衆が手を止め、顔を上げてくれるのを何度も見てきました。また、スライドに書ききれない“裏話”を口頭で話すことで、ぐっと空気が近づく感覚があります。
あるプレゼンでは、スライドは非常にシンプルな図と一言だけにして、あとはその背景にある葛藤や試行錯誤の過程を丁寧に話しました。終了後、参加者から「実際にどう考えていたかを聞けて、自分も頑張ろうと思えた」と感想をもらい、改めて“本音”を語ることの力を実感しました。プレゼンは、目と耳のどちらからも伝わる体験だと思っています。

プレゼン前の準備①:オファーから方向性決定まで

まずは感謝。オファーを受けた時点で準備は始まっている。

  • 依頼は基本的に断らず、今の自分にできるベストを尽くす
  • 過去の登壇者の内容は参考にするが、自分らしさを忘れない
  • 他の人と違っていても、自分にしかできない話をする

私の価値観

数多くいる候補者の中から、登壇依頼をいただけること自体がありがたいことです。その期待に応えるためにも、自分らしく、誠実に話すことを大切にしています。

エピソードや詳細

登壇のオファーをいただいたときは、まず「声をかけていただいたこと」に感謝します。時には、自分にそのテーマが務まるのかと不安になることもありますが、基本的にはお引き受けします。そのうえで、「今の自分にできる最大限の話をする」ことを自分に誓います。
過去の登壇者の内容が気になったり、比較されることが頭をよぎったりすることもありますが、あえて“自分らしくない話”をするのは逆効果だと考えています。
あるイベントでは、他の登壇者が緻密なデータ分析の話をしている中、私は経験や感情にフォーカスした話をしました。結果として、その違いが印象に残ったようで、聴講者から「内容の振れ幅がよかった」「記憶に残った」といった声をいただきました。他の人と違っていても、それが“私らしさ”である限り、むしろ強みに変わると信じています。

プレゼン前の準備②:スライド作成と日常のインプット

準備は本番のずっと前から始まっている

  • スライドは最初に8〜9割完成させ、最後の仕上げに集中できるようにする
  • 日頃からスライドに使えそうなアイデアをノートや写真でストック
  • メモ帳をテーマごとに整理し、関連書籍はすぐ購入して視界に置いておく

私の価値観

プレゼンの素材は、日常の中に無限に存在します。感性のアンテナを立てて、思いついたことは必ず形に残しています。

エピソードや詳細

スライド作成では、まず登壇の方向性を決めたら、一気に8〜9割まで構成と流れを作ります。そうすることで、残りの期間を“最後のひと工夫”に使えるからです。
プレゼンに限らず、「これは後で使えるかも」と感じた瞬間はすぐにノートやスマホでメモを取ります。写真に残したり、テーマ別にノートを分けたり、私にとってインプットは“後で使う前提”の蓄積です。
たとえば「リーダーシップとは」といったテーマでページをつくり、ふと感じたことを記録しておくと、あとでそのままスライドの一部になることもあります。
また、気になる本があればすぐに購入して、すぐには読まなくても、普段目に見える場所に本を置いておきます。それは、“自分がそのテーマに関心を持った”という記憶を視覚化して忘れないようにするためです。
情報があふれる今の時代、自分の感性に引っかかった“かけら”を物理的に残すことが、私の創造的な準備のスタイルです。

プレゼン前の準備③:リハーサルと時間管理

時間通りに終えることも、聞き手への誠意のひとつ

  • リハーサルを繰り返し、何度やっても同じ時間になるよう調整
  • 本番中は時計を見ながら柔軟にスライドを飛ばす
  • 伝えたいメッセージは最初に話し、最後は振り返りにとどめる

私の価値観

聴き手の大事な時間を預かっているという意識を持ちます。メッセージを確実に届けるためにも、時間管理は徹底して行います。

エピソードや詳細

「よくあのボリュームで時間通りに終わりますね」と驚かれることがありますが、それは事前に何度も時間を計って練習しているからです。たとえば40分の登壇であれば、何度やっても38分30秒くらいになるように練習します。あえて1〜2分の余白を残すことで、多少の脱線や質問にも対応できますし、落ち着いて終わることができます。
本番では、時計を常に確認しながら、必要に応じてスライドを飛ばす判断もします。メッセージを最後に残しておくと、時間切れで一番大事な部分が伝えられないことがあるため、私は最初に「今日一番伝えたいこと」を言ってしまうスタイルを取っています。
その後は全体を振り返るような構成にすることで、時間の制約に左右されずに、伝えるべきことを確実に届けられるようにしています。時間管理もまた、プレゼンの一部だと思っています。

フィードバックの受け止め方と登壇の哲学

あふれた学びを分かち合うのが、私の登壇スタイル

  • アンケートよりもSNSでの個別の感想が励みになる
  • 特に「自分もやってみた」という行動を伴う感想はうれしい
  • 登壇はギブの行為だが、まずは自分自身が満たされていることが前提
  • 学びは惜しみなく共有することで、周囲と共に豊かになれる

私の価値観

プレゼンは一方通行ではなく、学びの循環です。自分のコップからあふれた水を分け合うように、気づきや学びを自然に届けていきたいと考えています。

エピソードや詳細

プレゼンのあとにいただくフィードバックの中で、特に嬉しいのはSNSを通じた個別の感想です。スライド内でFacebookやX(旧Twitter)などのアカウントを案内しておくと、後日、直接メッセージを送ってくださる方がいます。
中でも、「実際にやってみました」「発信してみました」といった行動の報告をもらえると、それだけで登壇してよかったと思えます。一人の行動を後押しできたことが、何よりの報酬です。
ただ、登壇するにはまず自分が満たされている必要があるとも感じています。私は「コップの水があふれる」という表現をよく使いますが、たくさんの学びや経験が自分の中で満たされた結果、自然とこぼれ出て周囲に伝わっていく——そんな感覚を大切にしています。
だからこそ、私はプレゼンだけでなく、聴講側としても多くの場に足を運び、常に新しい学びを得るようにしています。登壇は“与える”行為であると同時に、自分の学びを整理し、言葉にする機会でもあるのです。

まとめ:私のプレゼンを支える軸

伝えることは、届けること。そして、動かすこと

  • 聞き手の行動変容を促すことをゴールにしている
  • 聴衆との対話を大切にし、本音で語りかける
  • 自分の感性・経験・学びをストックし、常に進化し続ける

私の価値観

プレゼンとは「知識の披露」ではなく「心を動かす行為」です。そのためには、自分らしさ・準備・誠意、すべてが必要だと考えています。

エピソードや詳細

プレゼンがうまくいったとき、「伝えたぞ」という満足感よりも、「誰かが何かを始めてくれたかもしれない」という希望の方が大きいです。それは、たったひとことのメッセージだったり、SNSでの投稿だったり、あるいは登壇者同士の学び合いだったりします。
一方で、その場限りの熱量に終わらせず、継続的に価値を生み出すには、自分自身が常に学び、アップデートし続ける必要があると感じています。私は日々の生活の中で「これは使える」「これは面白い」という感覚を見逃さず、ノートや写真に蓄積し、それを“再構成”することでプレゼンに活かしています。
私にとってプレゼンとは、“自分の内側を誰かの未来に届けること”。技術や手法ももちろん大切ですが、それ以上に、“何を伝えたいのか”“どう生きてきたのか”がにじみ出るようなプレゼンを目指しています。そして、それが結果として、人の心を動かし、行動につながっていくのだと思います。

偉そうなことを書いてしまいましたが、私自身も完璧な登壇などなく、日々勉強中です。こんな考えもあるんだと、本内容が、みなさまのLTや登壇活動に少しでも参考になれば幸いです。

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