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システム開発とデザイン思考(アイデアを創造する)

Last updated at Posted at 2019-12-18

はじめに

Advent Calendar19日目です。
前回、システム開発とデザイン思考(潜在的なニーズを発見する)という記事を書かせていただいたのですが、その後編の記事となります。デザイン思考の3つのプロセス(着想、発案、実現)の中で、今回は発案実現について記事を書きます。

発案

発案とは、アイデアを創造、構築、検証するプロセスです。具体的には次の2つの作業を行います。
 1. 潜在的なニーズを満たす良いアイデアを考案する
 2. 考案したアイデアを検証しブラッシュアップする

1. 潜在的なニーズを満たす良いアイデアを考案する(創造)

ブレインストーミング(以下BS)を行い、潜在的なニーズを満たすアイデアを出しまくり、その中から良さそうなアイデアを選びます。デザイン思考では、BSが多様で多数のアイデアを出す最良の手段と考えられており、独自のルールと秘訣があります。

✔︎BSを成功させるポイント
 1. アイデアの「質」より「量」にこだわる
 2. 他社のアイデアをもとにして飛躍する
 3. 上下関係による影響を排除する
 4. 自己防衛心を取り除く
 5. 支配欲に気を付ける(自分の意見の正しさを証明する場ではない)
 6. 制限時間を1時間、目標アイデア数100個
 7. 簡単なクラフトツールを用意する(段ボール/はさみ/粘土/セロハンテープ)
 8. どの案を採用するかは多数決で決める

2. 考案したアイデアを検証しブラッシュアップする(構築、検証)

プロトタイピングで構築、検証を行います。リスクを想定するよりも、実物を作って目の前で起きた問題に対処する方が簡単だという考えが前提にあるからです。以下、重要なポイントです。
 ・できるだけ安く早く何度も失敗すること
 ・必要な部分だけ作る。潜在的なニーズを満たすか?が検証できればOK

モノ・サービスを創り上げていく中で3つの要素を意識する必要があります。
 ✔︎技術的実現性:現在または近い将来に実現可能な技術であるか?
 ✔︎経済的実現性:コスト的に実現・存続可能なビジネスか?
 ✔︎有用性:人間の欲求を捉えており、ポジティブな感情をもたらすか?

全ての要素を満たすのは難しいため、有用性を中心に他の2つのバランスを取ることが重要なコツだそうです。プロトタイピングは、試作品を作る中でこれらのバランス配分を検討するプロセスでもあります。
例)
X:すごく安くて(経済)、すごく提供が早い(技術)が、味がイマイチ(有用性)なレストラン
◯:そこそこ安くて(経済)、提供が早く(技術)、そこそこおいしい(有用性)牛丼屋

実現

実現とは市場へ導入して成功させるためのプロセスで、以下2つのプロセスで構成されます。
 1. モノ・サービスを市場に小規模に投入して検証する
 2. 開発したモノ・サービスを市場へ導入する承認を得るプロセス

1. モノ・サービスを市場に小規模に投入して検証する

小規模で市場に投入し、ユーザーの反応を見て改善を行うプロセスを繰り返し、製品をブラッシュアップしていきます。
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2. 開発したモノ・サービスを市場へ導入する承認を得るプロセス

潜在的なニーズをもとに創り上げたイノベーティブなモノ・サービスは過去の実績・前例が無いため、承認する側にとってはリスク強いることになるためハードルが高くなります。承認者から「理解を得る」>「共感してもらう」という2つのハードルをクリアする必要があります。

理解を得る
実物を見てもらうのが一番。ブラッシュアップしたプロトタイプを見せることにより更に理解を得やすくなります。
共感してもらう
ユーザーがこの製品を使い、どのような感情を生み出すのか?というところまで共感してもらう必要があります。
ユーザーが製品を利用して満足するまでの紙芝居や、実際利用しているところを撮影して動画にするなど、視覚情報を持つ「物語」にして提供するのが有効な手段だそうです。

最後に

デザイン思考のポイントをかいつまんで説明してきました。
後は実践あるのみですが、デザイン思考を組織に組み込むのは簡単ではないと感じています。デザイン思考を導入するためにデザイン思考を使い、小規模投入から始めてみようと思います!

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