はじめに
これはティラノスクリプト・ティラノビルダーの初~中級者に向けた記事です。
ティラノスクリプト・ティラノビルダーは専門的なエンジニアスキルがなくてもノベルゲームを開発する環境を提供するフレームワーク・ツールですが、だからといって公式の情報も何も読まず、試さずに扱えるものではありません。
ここでは、ティラノスクリプト・ティラノビルダーを使う上で、閲覧の優先度が高い記事や商品等を紹介します。
開発で躓いた時、何かを質問する前に、最低でも必ずこれらの記事を確認した上で行動をしましょう。
初学者に向けて
はじめに初学者に向けて、一つお話があります。
これはティラノ初心者に限らず、パソコンの操作、インターネットの使い方に不慣れな方。ひいてはITリテラシーに自信がない方が該当します。
何度か上記に当てはまる方々からティラノに関して相談を頂く機会がありましたが、その中に共通する部分が幾つも見受けられました。
その共通点について、分かりやすく且つ簡潔にまとめている記事があったので、初学者の方は一読を強く推奨します。
初心者向けサイトページ(閲覧優先度順)
ティラノスクリプト
その1 公式 チュートリアル
ティラノスクリプト初心者がまず見るべきサイトは公式のチュートリアル。
チュートリアルをご覧になる時は、必ず手元で実際にコーディングをしながら読むことを強く推奨します。
チュートリアルを進めていて色々なティラノスクリプトタグが出てきますが、これらを暗記する必要はありません。
公式ではタグリファレンスが用意されていますし、テキストエディタとしてAtom等を使用しているなら有志開発の予測変換の拡張機能が使用出来ます。
また実践テクニック、アドバンス、機能デモなど中~上向けの内容も扱っているため、ティラノスクリプトでの開発と公式サイトは切っても切れないと言っても過言ではありません。
その2 公式 テクニックサンプル集1&2
ティラノスクリプトの簡単な使い方が分かったところで、次に見るべきものはテクニックサンプル集です。
こちらはサイトというより、公式が用意しているサンプルプロジェクトをダウンロードするという形になりますが、ティラノスクリプト初心者に向けて分かりやすく使い方・機能を紹介してくれているものになります。
内容は機能デモよりも豊富で、公式サイトのページで紹介しきれていない情報が多くあります。また自分のテキストエディタで公式が用意したサンプルコードを見ながら使い方・機能を学べるので、各段にレベルアップします。
ある程度ティラノに慣れてきたけどレイヤーとか色々な機能の詳細を知りたいという方はもちろん、テクニックサンプル内のコードは自分のプロジェクトに流用することが可能なので、中~上級者の方でまだ見てないという方でも一見の価値ありです。
※ 現在リリースされているテクニックサンプル集はV4のみなので実行するにはティラノライダーが必要です。
その3 公式 タグリファレンス
一通りティラノスクリプトの使い方は分かった。どんな機能があるかも粗方分かった。
そうなれば、あとは公式のタグリファレンスを一通り読んでみましょう。
はじめにも言いましたが、これらのタグを全て暗記する必要はありません。
一通り読んで「こんな機能もあるんだ」程度に読んでもらえればそれで十分です。
ただそれをやるのとやらないとでは全く違うので、暇な時に少しずつ読み進めましょう。
また上でもすでに言いましたが、公式ではまた実践テクニック、アドバンス、機能デモなど中~上向けの内容も扱っているため、合わせて見てみると参考になります。
ティラノビルダー
その1 公式 チュートリアル
ビルダー初心者がまず最初に見るべきは公式のチュートリアル。
公式のチュートリアルには初心者向けの「入門チュートリアル」と中級者以上向けの「テクニック」が用意されています。
ひとまず「入門チュートリアル」をやっておけば、ティラノビルダーの基本的な使い方を習得することが出来ます。
内容も簡単なので、手元でビルダーを動かしながらチュートリアルを読み進めましょう。
ビルダーの基本的な使い方が分かったところで、次は「テクニック」を見てみましょう。もしも難しい場合は「そういうことが出来るんだな」程度で流し読みしても大丈夫です。
最初から全てを理解せずに、慣れてきてから理解するようにしましょう。
その2 ティラノビルダー公式ガイドブック
ティラノビルダーの公式ガイドブックが公式から販売されています。価格は1000円前後なので、もし必要であれば購入をするとよいでしょう。
公式ガイドブックには公式サイト以上の情報が、とても丁寧に説明されている(例えばコンポーネント一つ一つに関して説明がされている等)の
で初心者でもすぐに中級者以上にレベルがアップします。
その3 ティラノビルダー制作テクニックwiki
こちらはティラノビルダーに関するテクニックをまとめた非公式wikiです。
公式サイトのチュートリアル「テクニック」を読み終えて、さらにビルダーについて勉強したい方は一通り読んでみるとよいでしょう。
中級者以上になるために
ティラノスクリプト公式ガイドブック
ティラノビルダーと同じようにティラノスクリプトにも公式からガイドブックが販売されています。
公式ガイドブックには2種類あります。
BOOTHのティラノマーケットストアで販売しているティラノスクリプト公式ガイドブック
とamazonや楽天や店頭で売られているTYRANOSCRIPTではじめるノベルゲーム制作―フリーで使える「アドベンチャー・ゲーム」制作ツール
の2つです。
私が個人的に推奨しているのは前者です。これは情報が新しく、情報量も豊富だからです。このガイドブックの情報はテクニックサンプル集と同じくらい重要だと考えています。
こちらは初心者向けの内容から上級者にも役に立つ事柄まで幅広く扱っているため、持っておいて損はないものとなっています。
価格も1000円少しなので余裕があれば購入してみましょう。
ティラノスクリプト 製作テクニックwiki
公式サイトの情報を一通り履修し終え、ティラノスクリプトをさらに理解したいという意欲をお持ちであれば、公式から飛び出して外部のサイトを見るべきでしょう。その手始めが製作テクニックwikiです
このサイトではティラノスクリプトの初歩的な内容から発展的な内容まで幅広く扱っているため、未読の方は一見の価値ありです。
他にも有志がティラノスクリプト・ティラノビルダーについて記事にしているので、検索してみると色々出てきたりします。ぜひご自身で調べてみてください。
以下の記事でも紹介されているので、合わせて御覧ください。
開発者 技術ブログ
こちらはティラノスクリプト・ティラノビルダーの開発者のシケモクMK氏の技術ブログになっています。
主にティラノスクリプト・ティラノビルダーの記事も投稿しているため、一度見てみるといいかもしれません。
HTML・CSS・JavaScriptの学習
以上の記事を読んで、試した上で、もっとティラノの事を知りたい、もっと高度な表現に挑戦をしたいという場合は、HTML・CSS・JavaScriptの知識が必要になってきます。
特にティラノはHTMLとCSSをJavaScript(jQuery)を用いて操作しているため、JavaScriptの学習の比重が大きいと思います。
ティラノスクリプトは表面上ではそう見えなくても、JavaScriptと密接に動いています。というよりティラノの本質こそJavaScriptです。
ティラノの変数機能もJavaScriptの機能そのものです。変数を使い始めることは、既にJavaScript並びにプログラミングの世界に片足を突っ込んでることと同義です。
逆にJavaScriptやプログラミングを扱っているという自覚無しにティラノの変数をマスターすることは非常に困難です。
ティラノスクリプトは言ってみればよく動くWebページ。
正しい知識があればフロントエンドのJavaScriptで出来ることは大抵出来ます。
例えば、ティラノスクリプトV5から導入された3D機能を素直に使いながら、且つ3D機能の本質であるThree.jsを直接操作すると、以下のようなゲームを制作することができます。
他にもClass構文を効率的に使えば大規模なRPGゲームを作ることも可能です。Canvas描画系のJavaScriptライブラリを併用すればティラノスクリプトが得意とするノベルシーンとゲームライブラリによるゲーム要素をかけ合わせたゲームを実現することも可能です。
ノベルゲームコレクションに投稿出来なくはなりますが、PHPやNode.jsを使えばサーバ連携をしたソシャゲのようなサービスも提供出来ます。
コードが読めるようになるとティラノスクリプト公式GitHubリポジトリを覗いて理解することも出来るようになります。
ただしこれらは当人のやる気と正しい知識があればの話です。
そしてこれは先程紹介した記事にもありましたが、プログラミングを学習する上で基礎をしっかり積み上げていくことは本当に重要な要素です。
ある一つの概念を疎かにすると、必ずどこかで躓きます。つまり「この機能を実装したいからこの知識だけ学ぶ」なんてことをしていると高確率で原因不明の挙動に陥ります。
そのため、もしもHTML・CSS・JavaScriptを用いてティラノを触るのであば、少しずつでも構わないのでゼロからちゃんと勉強をしましょう。
参考として、JavaScript並びにプログラミング初学者に向けた記事をいくつか紹介させていただきます。
補足
各ティラノ系サービスの概要と違い
ティラノ系のサービスといっても「ティラノスクリプト」「ティラノビルダー」「ティラノライダー」「ティラノスタジオ」等々、様々なサービスが存在します。
最近ではV4とV5という重要な差異も発生しています。
これらの違いをよく分かっていない場合は以下の記事をご覧ください。
スクリプトとビルダー、どちらを使うか問題
ティラノ初心者の方が抱えやすい問題として、ティラノスクリプトとティラノビルダーのどちらを使うかが分からないという問題があります。
これの答えとしては、人によって意見が分かれるところではありますが、私は**「まずは両方とも触ってみてから決める」**ということを推奨しています。
すなわち、一度フレームワーク・ツールの開発環境を整え、公式のチュートリアルを一通り触ってみてから、最終的にどちらを使うのかを決定するということです。
二つのツールを触った後でツールを決定する際の指標としては、個人的に「当人のスキル」「想定しているプロジェクト」があると考えています。
例えば純粋なサウンドノベルゲームを作りたいのであれば、ティラノビルダーで良いでしょう。少しの凝った演出やシステムでもビルダーで実装できます。
長いシナリオ、いつくもの凝った演出やシステムを実装したいのであればティラノスクリプトのほうが良いでしょう。
当人のスキルに関しては、その人のやる気にもよるものなので言及はしません。
いずれにしろ、どちらが優れているという話ではないことだけは把握して頂けると幸いです。
この話については以下の記事も参考になると思うのでよければ御覧ください。
他のティラノ関係の記事の閲覧希望に関して
私はこの記事の他にも、ティラノスクリプト・ティラノビルダーないしはプラグインについて限定共有記事としてティラノ関係の記事を執筆しています。例として、ティラノのスタックを解説したもの、ティラノでConfigに遷移する時の注意点、ティラノで扱えるアニメーション各種解説、ティラノ環境下でのJSの扱い方等々があります。
これら記事の閲覧を希望する場合は別途連絡をしてください。
(これらは本記事で紹介した公式のドキュメントを既に読み、試した方に向けた記事です。閲覧を希望された際にその確認をさせて頂く場合があります)
今後、本記事と本記事で紹介している記事以外の私が執筆したティラノスクリプト・ティラノビルダーに関する技術記事の一般公開は金輪際行いませんのでご了承ください。