画像生成、背景削除、オブジェクト削除、ウォーターマーク削除、テキスト除去など、さまざまな用途がありますが、実際にユーザーが求めているのは「複雑な編集ツール」ではなく、もっとシンプルなことが多いです。
たとえば次のようなケースです。
- 画像内の不要な文字を消したい
- 商品写真の背景を削除したい
- スクリーンショット内の不要な注釈を消したい
- ロゴやキャプションを自然に取り除きたい
- 写真内の邪魔なオブジェクトを消したい
- SNS用に人物や商品だけを切り抜きたい
このようなニーズを想定して、最近 AI Remove Text From Image というブラウザベースの画像クリーンアップツールを作りました。
この記事では、ツール自体の紹介というよりも、AI画像編集ツールを作るうえで考えた設計ポイントをまとめます。
作ったもの
作ったのは、画像内の不要な要素をAIで削除するWebツールです。
主な用途は以下です。
- 画像内テキストの削除
- ウォーターマーク削除
- ロゴ・キャプション削除
- オブジェクト削除
- 背景削除
- 商品写真のクリーンアップ
- SNS素材用の切り抜き
ユーザーの基本フローはかなりシンプルです。
画像をアップロード
↓
削除したい範囲を指定
↓
AIで処理
↓
結果をプレビュー
↓
ダウンロード
なぜ「全部入りエディタ」にしなかったのか
画像編集ツールを作ると、つい多機能にしたくなります。
フィルター
レイヤー
テンプレート
テキスト追加
図形追加
カラーパレット
リサイズ
コラージュ
ブランドキット
こういった機能を入れると、かなり本格的なデザインツールに近づきます。
ただ、今回の目的は「デザインツールを作ること」ではありませんでした。
ユーザーが解決したい問題はもっと明確です。
この画像の不要な部分だけを消したい
そのため、最初の設計では機能を増やすよりも、以下の操作に集中しました。
Upload
Select
Remove
Preview
Download
この流れから外れる機能は、できるだけ後回しにしました。
自動処理と手動マスクのバランス
AI画像編集では、自動処理だけに頼ると便利ですが、ユーザーの意図とずれることがあります。
たとえば背景削除は比較的自動化しやすいです。
人物、商品、ペット、ロゴなど、主対象がはっきりしている画像では、ユーザーが何も指定しなくても十分に使える結果が出ることがあります。
一方で、テキスト削除やウォーターマーク削除では、ユーザーが「どこを消したいのか」を明確に指定できたほうが良いです。
そのため、次の2つのモードを分けて考えました。
背景削除:
AIが自動で主体を検出して背景を削除
テキスト・オブジェクト削除:
ユーザーがブラシで削除したい範囲を指定
この設計にすると、ユーザーにとっても分かりやすくなります。
背景を消したい場合 → 自動処理
一部だけ消したい場合 → ブラシで指定
AIに全部任せるのではなく、ユーザーが簡単に意図を伝えられるUIを用意することが重要だと感じました。
画像クリーンアップで重要なUX
実装していて感じたのは、AIツールではモデルの性能だけでなく、周辺UXがかなり重要だということです。
特に画像編集系では、ユーザーは以下の点を気にします。
1. どんな画像をアップロードできるか
対応形式はできるだけ一般的なものにしました。
JPG
PNG
WebP
特殊な形式を増やすよりも、まずはユーザーが普段使う形式を確実に処理できることを優先しました。
2. 処理前後の違いが分かるか
AI編集では、ユーザーが結果をすぐ比較できることが大切です。
背景削除やテキスト削除では、Before / After の見せ方が特に重要です。
結果だけを表示するより、元画像と比較できたほうがユーザーは納得しやすくなります。
3. 無料で試せるか
AI処理の結果は画像によって変わります。
そのため、ユーザーが最初から課金しないと結果を確認できない設計にすると、かなり不安が残ります。
今回は、無料で720pプレビューを確認できるようにしました。
高解像度のオリジナル品質が必要な場合だけ、クレジットを使ってエクスポートする形にしています。
4. 処理対象を明確に指定できるか
テキスト削除やオブジェクト削除では、ブラシUIがかなり重要です。
ユーザーがマスクを雑に描いてもある程度うまく処理できるようにする必要がありますが、同時に細かい調整もできたほうが良いです。
今後改善したいポイントとしては以下があります。
ブラシサイズの調整
マスクのUndo/Redo
処理範囲のプレビュー
複数領域の一括指定
処理履歴の保存
背景削除ページを分けた理由
このツールはもともと「画像内のテキスト削除」を主目的にしていました。
ただ、実際のユースケースを考えると、背景削除もかなり近いニーズです。
特に以下のようなユーザーには背景削除が分かりやすいです。
EC事業者
商品写真を作る人
SNS投稿を作るクリエイター
プロフィール写真を整えたいユーザー
ロゴやオブジェクトを切り抜きたい人
そこで、背景削除専用のページも作りました。
https://airemovetextfromimage.com/remove-background
同じ画像編集ツール内でも、ユースケースごとにランディングページを分けると、ユーザーにとって目的が分かりやすくなります。
たとえば以下のようなページ構成です。
/remove-text-from-image
/remove-watermark
/remove-background
/remove-object
/product-photo-background-remover
/logo-background-remover
機能は近くても、ユーザーの検索意図は違います。
「画像編集ツール」としてまとめるよりも、具体的な問題ごとに説明したほうが伝わりやすいと感じました。
想定ユースケース
現在想定しているユースケースは以下です。
EC商品写真
商品写真の背景を削除して、白背景や透明背景の画像を作る用途です。
Shopify、Amazon、Etsy、独自ECサイトなどで使いやすい画像にできます。
SNSコンテンツ
人物、商品、ペット、オブジェクトなどを切り抜いて、サムネイルや投稿画像に使う用途です。
スクリーンショット編集
スクリーンショット内の不要な文字、注釈、UI要素などを消す用途です。
ロゴ・デザイン素材
ロゴやアイコンの背景を削除して、スライド、Webサイト、LP、広告画像などで再利用しやすくします。
不動産・インテリア画像
家具や室内写真から不要な背景やオブジェクトを取り除き、掲載用の画像を作る用途です。
今後改善したいこと
今後改善したいポイントはいくつかあります。
1. バッチ処理
1枚ずつ処理するだけでなく、複数画像をまとめて処理したいニーズがあります。
特にEC事業者やSNS運用者には重要そうです。
2. API提供
開発者向けにAPIを提供すれば、他のサービスやワークフローに組み込めます。
たとえば以下のような用途です。
商品画像アップロード時に自動で背景削除
CMSに登録した画像を自動クリーンアップ
SNS投稿作成フローに組み込む
3. より細かいマスク編集
現在はシンプルなブラシ指定を重視していますが、より細かい編集が必要なケースもあります。
将来的には以下を検討しています。
マスクの拡大縮小
エッジ調整
部分的な再処理
処理前後の比較スライダー
4. 用途別プリセット
ユーザーが目的を選ぶだけで最適な処理ができるようにしたいです。
例:
商品写真
プロフィール写真
ロゴ
ペット写真
スクリーンショット
SNSサムネイル
用途ごとに最適なUIや出力設定を変えられると、より使いやすくなりそうです。
まとめ
AI画像編集ツールを作ってみて感じたのは、重要なのは「AIで何でもできること」ではなく、「ユーザーが迷わず目的を達成できること」でした。
今回のツールでは、機能を広げすぎず、画像クリーンアップに特化したシンプルな体験を目指しています。
基本的な考え方は以下です。
複雑な編集ツールではなく、
不要な要素を素早く消すためのツールにする
そのために、以下を重視しました。
ブラウザだけで使える
画像アップロードから処理までの流れを短くする
自動背景削除と手動マスクを分ける
Before / After を分かりやすく見せる
無料プレビューで試せるようにする
ユースケースごとにページを分ける
作ったツールはこちらです。
https://airemovetextfromimage.com
背景削除ページはこちらです。
https://airemovetextfromimage.com/remove-background
AI画像編集ツールを作っている方や、画像処理系SaaSを作っている方の参考になれば幸いです。
