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【SQL】prepare文って何?

Last updated at Posted at 2024-07-16

SQLのPrepare文とミドルウェアの仕組み:

SQLのPrepare文は、パフォーマンスの向上やセキュリティの強化を目的とした重要な技術です。ミドルウェアの仕組みとPrepare文の仕組みを解説します。さらに、PythonとGoでの実装例も紹介します。

1. ミドルウェアの解説

多くのミドルウェアは以下の主要なコンポーネント構成について解説します。

  1. パーサー(Parser): parse(解析する)+ er(人/もの)= 解析する人
    SQLクエリを解析し、構文エラーや文法エラーをチェックします。クエリの構造を内部的な表現に変換します。
    例えば、ユーザ情報を管理するテーブルであるuser_infoテーブルがあるとします。
    開発者の誰かがよくテーブルを確認せずに以下のようなSQLを書いたとします。
    SELECT * FROM users;
    上記のクエリは、FROM句に指定すべきテーブル名が誤っています。
    この時、「そんなテーブルないよ!?」というエラーが発生しますが、これはパーサーがテーブル情報を見て、「usersテーブルなんてないじゃん!」とエラーを出しているのです。
    他にもミドルウェアによっては解析時にクエリを全て大文字で解釈したり(Oracle)、全て小文字で解釈したり(PostgreSQL)します。
  2. オプティマイザ(Optimizer): optimize(最適化する)+ er(人/もの)= 最適化する人
    最適なクエリ実行計画を作成します。インデックスの使用、結合の順序などを考慮し、クエリの実行効率を最大化します。
    このクエリを実行するのに、「どんなふうに実行すれば効率よく実行できるかな?」ということを考えてくれます。
    例えば100万件あるデータをがむしゃらに上から順番にデータを探していくのか、主キー検索やインデックススキャンするのかなど、エグゼキューターがどうやって実行すればいいか計画を立ててくれます。
  3. エグゼキューター(Executor): execute(実行する)+ er(人/もの)= 実行する人
    オプティマイザが作ってくれた実行計画に基づいてクエリを実行し、結果を取得します。

以下の図は、パーサー、オプティマイザ、エグゼキューターの流れを示しています:

+------------+           +------------+           +------------+
|   Parser   | ------>   | Optimizer  | ------>   | Executor   |
+------------+           +------------+           +------------+
      |                       |                        |
      v                       v                        v
 SQL文の解析            最適な実行計画作成           クエリの実行

2. Prepare文とは?

Prepare文(Prepared Statement)は、SQLクエリを事前にコンパイルし、複数回実行する際のパフォーマンス向上とSQLインジェクションの防止を目的とした機能です。Prepare文は以下の3つのステップで実行されます:

  1. 準備(Prepare): SQLクエリの構造を定義し、コンパイルします。パーサーとオプティマイザがこの段階で動作します。
  2. 実行(Execute): パラメータをバインドし、クエリを実行します。エグゼキューターがこの段階で動作します。
  3. 閉じる(Deallocate): 使用後にリソースを解放します。

deallocateは、解析した情報を捨てるということなので、毎回deallocateされると、prepare文の効果はあまりないです...(次にクエリが実行されるときには、また解析し直さなくちゃいけない(ToT))

Prepare文の流れ

  1. パーサー: クライアントから送信されたSQLクエリを解析し、構文チェックを行います。クエリを内部表現に変換します。
  2. オプティマイザ: 内部表現に基づいて最適な実行計画を作成します。ここで、クエリが最適化され、将来の実行時に効率的に処理されるようになります。
  3. エグゼキューター: 実行計画を基にクエリを実行します。Prepare文ではこの段階でパラメータがバインドされ、実行されます。

同じクエリを何回も繰り返し実行するときに、毎回クエリを解析するのは無駄ですよね(毎回同じに決まってるじゃん...)。なので、「同じクエリを繰り返し実行するときは、パーサーの処理(クエリの解析)は事前にやっときゃいいじゃん?」って考えですね。

3. PythonでのPrepare文の使用例

Pythonでは、MySQLに接続するために多くのライブラリがありますが、ここではmysql-connector-pythonを使用します。

Pythonのコード例

import mysql.connector

# MySQLデータベースに接続
conn = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="root",
    password="password",
    database="testdb"
)

# カーソルの作成
cursor = conn.cursor(prepared=True)

# Prepare文の定義
prepare_stmt = "SELECT * FROM users WHERE age > ?"

# クエリの準備
cursor.execute("PREPARE stmt FROM %s", (prepare_stmt,))

# パラメータをバインドしてクエリを実行
age_param = 30
cursor.execute("SET @a = %s", (age_param,))
cursor.execute("EXECUTE stmt USING @a")

# 結果の取得
rows = cursor.fetchall()
for row in rows:
    print(row)

# クローズ
cursor.close()
conn.close()

4. GoでのPrepare文の使用例

Goでは、database/sqlパッケージとgo-sql-driver/mysqlドライバを使用してMySQLに接続します。

Goのコード例

package main

import (
    "database/sql"
    "fmt"
    _ "github.com/go-sql-driver/mysql"
)

func main() {
    // MySQLデータベースに接続
    dsn := "root:password@tcp(127.0.0.1:3306)/testdb"
    db, err := sql.Open("mysql", dsn)
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    defer db.Close()

    // Prepare文の準備
    stmt, err := db.Prepare("SELECT * FROM users WHERE age > ?")
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    defer stmt.Close()

    // パラメータをバインドしてクエリを実行
    age := 30
    rows, err := stmt.Query(age)
    if err != nil {
        panic(err)
    }
    defer rows.Close()

    // 結果の取得
    var id int
    var name string
    var age int
    for rows.Next() {
        err := rows.Scan(&id, &name, &age)
        if err != nil {
            panic(err)
        }
        fmt.Printf("ID: %d, Name: %s, Age: %d\n", id, name, age)
    }
    err = rows.Err()
    if err != nil {
        panic(err)
    }
}

5. まとめ

Prepare文は、SQLクエリのパフォーマンスを向上させ、SQLインジェクションを防止するための重要な技術である。
特に、繰り返し発行するクエリがある場合に、パフォーマンス向上が見込める。
ただし、毎回deallocateすると効果は薄れる。

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