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ドイツで3年間完全テレワークをしてみて

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1年ほど前、[ドイツで2年間完全テレワークをしてみて]という記事を書きました。あれからさらに1年たって、変化があったことなどを書いてみようかと思います。

オフィス回帰とハイブリッド

ドイツを含めヨーロッパでは日本よりも早くコロナ前の生活に戻っています。2022年中にマスク規制や移動規制などほぼ全廃された感じで、以前と同じように生活ができるようになりました。規制が解除された当初は多くの人が店内や込み合った場所ではマスクをしていましたが、それも日数が立つと徐々にかわり今ではマスクをしている人はほとんど見かけなくなりました。

それに伴って、会社のオフィス回帰の動きも出てきたように思います。ただ、リモートで働くことに慣れきっているので、以前のように毎日オフィスというわけではなくハイブリッドで週に数回もしくは月に数回などとなっているようです。自分も何度か出社しましたが、感覚的には90%ぐらいは自宅勤務している感じでオフィスはがらがらでした。その日が金曜日だったからかもしれませんが、それでもほとんど人に会うこともなかった感じです。

この3年間で変わったこと

  • 前回も書きましたが、以前のように9時ー5時ではなくなりました。会社的に週何時間の労働という契約なので、それを満たしていれば毎日8時間働く必要がるわけでもなく、10時間勤務の日もあれば、7時間の日もあります。仕事の波に応じて裁量で決めれるようになりました。
  • 基本リモートがデフォルトなので、実際にオフィスで会ってミーティングなんかをする時には、それ用にアレンジして参加者が出社するようにしているようです。自分はコロナ前から仕事をしている人が同じオフィスにいるわけではないので、以前同様に実際会ってミーティングなどはありません。
  • 別の記事([海外と日本のエンジニアの様々な比較])で紹介しましたが、ドイツの会社ではカンパニーカー制度が多く採用されています。社用車があてがわれて通勤やプライベートでも使える仕掛けです。以前は毎日出社していたので、毎月それなりの距離を走行して給油もしていましたが、それもなくなったので半年に数回給油する程度の走行距離になりました。また最近では、通勤で使わないのでこの制度を利用しない人も出てきているみたいです。社用車とはいえ全く無料ではなく、課税対象の福利厚生なので利用すると課税対象額に加味され実際の源泉徴収額が増えます。出社しないことであまり車を利用しない場合は、この制度を使わないほうが減税対策にもなります。
  • オンサイトのイベントが徐々に増えてきました。ただリモートとハイブリッドで行う傾向もあるようで、これからはそれがスタンダードになるのではと思われます。数年間リモートでも出来てしまったのでオンサイトのイベントに旅費を出すのを躊躇する企業もあるかと思います。
  • 社外の人とのプロジェクトもすべてリモートになりました。規模にもよりますが以前だと社外プロジェクト(新しいシステムの導入など)をする場合は大体1週間位のワークショップを組んでみんな集まって進めていたりしましたが、これもすべてリモートになりました。リモートにすることによって1週間丸ごとすべてそのプロジェクトに時間を割くのではなく、毎日数時間あつまってミニワークショップを行うような感じです。これだと普段の仕事をため込まずに進められるのであまり負担なく工程をこなしていけます。以前のように1週間完全にワークショップに割り当てると、次の週の仕事はかなり大変だったのですが、リモートになってこれが無くなり助かったように思われます。
  • オフィスの稼働率も低いので以前のようにそれぞれが決まったデスクがあるわけでもなく、シェアオフィスのようになってきている会社があるみたいです。毎日基本出社ではないので、オフィススペースもこれで節約できるのではないでしょうか。
  • ヨーロッパでは日本よりも頻繁にストライキがあります。公共交通機関は年に数回ストライキをするようで、今年になっても3月末に全国規模で行いました。コロナ前ですとストライキが発生すると、その日はお休みを取るか普段は電車通勤の人が車を使うのでひどい渋滞が発生していました。リモートワークがだいぶ浸透しているので、今は多くの人がホームオフィスでストライキが発生してもそれほど影響を受けてないように思えます。もちろんこれはホームオフィスを行える業界に限っていると思いますが。

エンジニアの仕事をしていて

  • 個人的にはリモートワークはかなり性に合っていて、仕事のはかどり方、1日の時間の取り方などかなり自由が利くので普段の生活にもいい影響があるように思えます。エンジニア的にはこれは多くの人に言えるかと思っていましたが、そういうわけでもなく各々の環境でかなり違うようです。
  • 同僚のエンジニアは一人暮らしをしているので、会社に行かないと数日も誰とも会わず話すこともないと言っていました。それを避けるために週に何回かは出勤しているようです。
  • オフィスによってはみんなで決めて何曜日は積極的に出社しようみたいなこともしているみたいです。せっかく行っても誰もいないのではホームオフィスと変わらないので、そのようにしてできるだけ対面で仕事ができる日も作るようにしているようです。
  • また家庭で小さな子供がいるところは、家にいるとなかなか集中できなくなるのでほぼ毎日出社している人もいるようです。
  • 以前だと、コーディングなど頭を使う仕事はなるべく午前中にして、昼食後に少し眠くなる時間はあまりしていませんでした。ホームオフィスで時間もかなり裁量で決められるので、午後からもしっかり頭を使う仕事をする場合は、途中仮眠をとってからリフレッシュして仕事を再開することもできます。下手に眠いまま午後の仕事を続けるよりよっぽど効率がよくなります。
  • エンジニアですと誰しも経験があると思いますが、込み入ったコーディングやシステムの設定、トラブルシューティングをしているときある程度区切りの良いところまで終わらせたかったり、捗っていて残業してでも途中で終わらせたくないときもあると思います。中断して次の日に持ち越ししてしますと、再開するのにより時間がかかってしまったりすることもあると思います。以前のように出社していると、帰宅時間もあるのでそれでもどこかで中断して帰社する必要がありましたが、ホームオフィスだと帰社する必要がないので結構夜遅くまで仕事をすることもできます。このような場合次の日は少し遅めにスタートしたり、もしくは途中で長めに休憩したりとバランスを取って仕事ができるようになりました。
  • Teamsなどのツールを以前より多く使うようになりました。エンジニアどうし細かいシステムの話やトラブルシューティングなどをするとき以外は、チャットで済ませることがほとんどです。ちょっとしたことだったらチャットで聞いておいて、いずれ返事が来てからでも十分ですしそのために電話する必要もないと思われます。
  • もとから、進捗報告的なものをする組織ではないのですがJiraなどのツールをより活用して、チーム全体の状況を把握できるようになりました。基本的にアウトプットはツールに残されるので、進捗報告といったものを態々作る必要もなく管理する側もツールさえ使えこなせればメンバーにそのような二度手間的なことをさせる必要もなくなります。よくある進捗報告のためだけの会議のようなものは、このようしていけば無くすこともできるように思えます。

税制上の対策

前回の記事で紹介したホームオフィスによる年間最大600ユーロの経費控除はどうやら恒久的になるようです。これまでは出社して、会社で仕事をしていたのでその間の光熱費などは個人で負担する必要がありませんでした。ホームオフィスによってこれらは全て個人負担になるので、それらが考慮されているようです。
また最近では、仕事で使った光熱費を会社に請求できるようにしようとしているニュースも見かけます。ドイツの夏は日本のような暑さはないので冷房をない家も多いですが、冬は長いので暖房費は結構な出費となります。それらをどうにか一部経費負担できないかといった話も見かけます。

最後に

コロナはほぼ収束していますが、コロナによってもたらされた新しい働き方は利点も多くこれからも続けられるように思われます。業界や企業によってハイブリッドの仕方、出社日数のルールなど違うようですがより柔軟な職場環境が広がればと思います。

ホームオフィスでどこからでも仕事ができるようになりましたが、それでもやはり人事や労災等の関係から、勤務地は所属する国内に制限されることもあるようです。将来そのようなところもより柔軟になって、どの国からでも仕事ができるようになるとより可能性が広がるかと思います。

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