はじめに
この記事では、Mac に Visual Studio Code(VSCode) をインストールし、日本語化したうえで、ターミナルから OpenAI Codex CLI を使えるようにする手順を説明します。
対象読者は、次のような方です。
- Mac を使い始めたばかり
- VSCode を初めてインストールする
- ターミナル操作に慣れていない
- Codex を使ってコード作成や修正をしてみたい
- 「VSCode の Codex 拡張機能」と「ターミナルの codex コマンド」の違いがよくわからない
できるだけ専門用語を避けて、つまずきやすいポイントも含めて説明します。
この記事でやること
この記事では、以下の順番で進めます。
- VSCode をインストールする
- VSCode を日本語化する
- ターミナルを開く
- Homebrew をインストールする
- Codex CLI をインストールする
- ターミナルから codex を起動する
- VSCode の Codex 拡張機能と、ターミナルの Codex CLI の違いを理解する
前提条件
この記事では、Mac を使っている前提で進めます。
Homebrew の公式ドキュメントでは、macOS で Homebrew を使うために Apple Silicon または 64-bit Intel CPU、macOS Sonoma 14 以降、Command Line Tools for Xcode などが要件として案内されています。古い macOS を使っている場合は、先に macOS のアップデートが必要になることがあります。
また、Codex を使うには OpenAI / ChatGPT アカウントでのサインイン、または API キーでの認証が必要です。OpenAI 公式ドキュメントでは、Codex CLI の初回起動時に ChatGPT アカウントまたは API キーで認証するよう案内されています。
1. VSCode をインストールする
VSCode とは?
VSCode は、Microsoft が提供している無料のコードエディタです。
プログラムを書くためのメモ帳のようなものですが、普通のメモ帳よりもかなり便利です。
たとえば、次のようなことができます。
- コードに色をつけて見やすくする
- ファイルやフォルダをまとめて管理する
- 拡張機能を入れて機能を増やす
- ターミナルを VSCode の中で開く
- Git や AI ツールと連携する
Microsoft 公式サイトでも、VSCode は macOS / Windows / Linux で使える無料のコードエディタとして配布されています。
VSCode のダウンロード手順
まず、VSCode の公式ダウンロードページを開きます。
検索エンジンで次のように検索してください。
VSCode download
検索結果から、Microsoft の公式サイトを開きます。
公式ページにアクセスしたら、Mac 用の VSCode をダウンロードします。
Mac の種類によって、次のような選択肢が表示されることがあります。
- Apple Silicon
- Intel chip
- Universal
最近の MacBook Air / MacBook Pro で、M1 / M2 / M3 / M4 などと書かれているものは Apple Silicon です。
よくわからない場合は Universal を選ぶと、どちらの Mac でも使えることが多いです。
VSCode を「アプリケーション」フォルダに移動する
出てきた Visual Studio Code.app を、Mac の「アプリケーション」フォルダに移動します。
これをやらなくても起動はできますが、初心者のうちは必ず移動しておくのがおすすめです。
理由は、あとでアプリを探しやすくなるからです。
VSCode を起動する
「アプリケーション」フォルダを開いて、Visual Studio Code をダブルクリックします。
初回起動時に、Mac から次のような確認が出ることがあります。
“Visual Studio Code”はインターネットからダウンロードされたアプリケーションです。開いてもよろしいですか?
この場合は、公式サイトからダウンロードしているので、問題なければ「開く」をクリックします。
つまずきポイント:VSCode が開けない場合
「開発元を検証できません」と表示される
Mac のセキュリティ設定によって、アプリがすぐに開けないことがあります。
その場合は、以下を試してください。
- Visual Studio Code.app を右クリック
- 「開く」をクリック
- 確認画面で「開く」をクリック
ダブルクリックでは開けなくても、右クリックからなら開けることがあります。
2. VSCode を日本語化する
VSCode は、最初は英語表示になっていることがあります。
英語のままでも使えますが、未経験の方は日本語化しておくと安心です。
VSCode の日本語化には、Microsoft が提供している Japanese Language Pack for Visual Studio Code という拡張機能を使います。この拡張機能は、VSCode に日本語の UI を提供するものとして公式 Marketplace で公開されています。
拡張機能とは?
拡張機能とは、VSCode に後から追加できる機能のことです。
スマホでいう「アプリを追加する」イメージに近いです。
たとえば、VSCode では拡張機能を入れることで、次のようなことができます。
- 日本語化する
- Python を書きやすくする
- HTML / CSS を書きやすくする
- Git を使いやすくする
- AI ツールを使う
Japanese Language Pack をインストールする
VSCode を開いたら、左側にある四角いアイコンをクリックします。
これは「拡張機能」の画面です。
提供元が Microsoft になっているものを選びます。
そして、Install または インストール をクリックします。
VSCode を再起動する
インストール後、VSCode から再起動を求められることがあります。
その場合は、表示されるボタンをクリックして再起動します。
もし再起動の案内が出ない場合は、手動で VSCode を終了して、もう一度開いてください。
つまずきポイント:日本語にならない場合
拡張機能を入れただけでは反映されない
Japanese Language Pack を入れただけでは、日本語にならないことがあります。
その場合は、必ず以下を確認してください。
- VSCode を再起動したか
- Configure Display Language で ja を選んだか
- Microsoft 公式の Japanese Language Pack を入れたか
3. ターミナルを開く
次に、Mac のターミナルを使います。
ターミナルとは?
ターミナルとは、文字で Mac に命令を出すためのアプリです。
普段はマウスでアプリを開いたり、ファイルを移動したりしますが、ターミナルでは文字を入力して操作します。
たとえば、次のような命令を入力します。
ls
これは「今いる場所のファイル一覧を表示して」という意味です。
ターミナルの開き方
Mac でターミナルを開くには、以下の手順です。
- Command + Space を押す
- Spotlight 検索が開く
- ターミナル と入力する
- Terminal または ターミナル を選んで Enter
黒い画面、または白い画面が開けば OK です。
つまずきポイント:ターミナルは怖くない
ターミナルは見た目が少し怖いですが、入力しただけで勝手にパソコンが壊れるわけではありません。
ただし、よくわからないコマンドをネットからコピーして実行するのは危険です。
この記事では、必要なコマンドだけを説明しながら使います。
4. Homebrew をインストールする
Homebrew とは?
Homebrew は、Mac に開発ツールを簡単にインストールするためのツールです。
たとえば、通常なら公式サイトを探して、ダウンロードして、インストーラを開いて……という作業が必要です。
Homebrew を使うと、ターミナルで次のように入力するだけでインストールできます。
brew install パッケージ名
Homebrew 公式サイトでも、Homebrew は「Apple が用意していない必要なものをインストールする」ための macOS / Linux 用パッケージマネージャーとして説明されています。
Homebrew をインストールする
ターミナルに、以下のコマンドをコピーして貼り付けます。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
貼り付けたら Enter を押します。
パスワードを求められた場合
途中で Mac のパスワードを求められることがあります。
Password:
このとき、パスワードを入力しても画面には何も表示されません。
これは正常です。
入力できていないように見えますが、実際には入力されています。
パスワードを入力したら Enter を押してください。
つまずきポイント:パスワードを入力しても何も出ない
初心者がかなりつまずきやすいポイントです。
ターミナルでは、パスワード入力中に ●●●● のような表示が出ないことがあります。
何も表示されなくても、そのまま入力して Enter を押せば大丈夫です。
「Press RETURN/ENTER to continue」と出た場合
途中で、次のような表示が出ることがあります。
Press RETURN/ENTER to continue
これは「続けるなら Enter を押してください」という意味です。
そのまま Enter を押します。
Homebrew が入ったか確認する
インストールが終わったら、次のコマンドを入力します。
brew --version
次のようにバージョンが表示されれば成功です。
Homebrew 4.x.x
つまずきポイント:brew: command not found と出る
次のように表示されることがあります。
zsh: command not found: brew
これは、Homebrew 自体は入っているけれど、ターミナルが brew の場所を見つけられていない状態です。
特に Apple Silicon の Mac では、Homebrew は通常 /opt/homebrew に入ります。Homebrew 公式ドキュメントでも、Apple Silicon ではデフォルトの prefix が /opt/homebrew、Intel Mac では /usr/local と説明されています。
Apple Silicon の Mac の場合は、以下を実行します。
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
その後、もう一度確認します。
brew --version
5. Codex CLI をインストールする
Codex CLI とは?
Codex CLI は、ターミナルから使える OpenAI のコーディングエージェントです。
OpenAI 公式ドキュメントでは、Codex CLI はターミナルから実行でき、選択したディレクトリ内のコードを読み、変更し、コマンドを実行できるツールとして説明されています。
簡単にいうと、ターミナル上で AI に対して次のような依頼ができます。
このエラーの原因を調べて
このファイルをリファクタリングして
READMEを作って
テストを実行して、失敗している原因を直して
Codex CLI のインストール方法
Codex CLI は、Homebrew または npm でインストールできます。
この記事では、Mac 初心者向けに Homebrew を使います。
ターミナルで以下を実行します。
brew install --cask codex
インストールできたか確認する
次のコマンドを実行します。
codex --version
バージョン番号が表示されれば OK です。
つまずきポイント:codex: command not found と出る
次のように表示される場合があります。
zsh: command not found: codex
考えられる原因は、主に次の3つです。
原因1:Codex CLI のインストールが終わっていない
もう一度、以下を実行してください。
brew install --cask codex
原因2:ターミナルを再起動していない
一度ターミナルを閉じて、もう一度開いてください。
その後、再度確認します。
codex --version
原因3:Homebrew の設定が反映されていない
Apple Silicon の Mac の場合は、以下を実行します。
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
その後、もう一度確認します。
codex --version
6. ターミナルから Codex を起動する
Codex CLI を起動するには、ターミナルで次のコマンドを入力します。
codex
OpenAI 公式ドキュメントでも、Codex CLI は codex コマンドで起動すると説明されています。
初回起動時のログイン
初めて codex を実行すると、ログインを求められます。
OpenAI 公式ドキュメントでは、初回実行時に ChatGPT アカウントまたは API キーで認証すると説明されています。
初心者の場合は、まずは ChatGPT アカウントでのサインインがわかりやすいです。
画面の案内に従ってログインしてください。
Codex を使う前に作業フォルダへ移動する
Codex CLI は、今ターミナルで開いているフォルダをもとに作業します。
そのため、適当な場所で codex を実行するより、作業したいプロジェクトのフォルダに移動してから使うのがおすすめです。
たとえば、デスクトップに my-app というフォルダがある場合は、次のように移動します。
cd ~/Desktop/my-app
その後、Codex を起動します。
codex
cd とは?
cd は、フォルダを移動するコマンドです。
cd フォルダ名
という形で使います。
たとえば、デスクトップへ移動するなら次のように入力します。
cd ~/Desktop
今いる場所を確認する
今どのフォルダにいるか確認したい場合は、次のコマンドを使います。
pwd
これは「現在地を表示して」という意味です。
フォルダの中身を見る
今いるフォルダの中身を見たい場合は、次のコマンドを使います。
ls
Codex に依頼してみる
Codex が起動したら、次のような依頼をしてみましょう。
このフォルダの構成を説明してください
または、コードがあるプロジェクトなら次のように聞けます。
このプロジェクトのREADMEを作成してください
エラーが出ている原因を調べてください
初心者にもわかるように、このコードの内容を説明してください
skillsの呼び出し方
/skills
7. VSCode の Codex 拡張機能と、ターミナルの Codex CLI の違い
ここは混乱しやすいポイントです。
Codex には、大きく分けて次の2つの使い方があります。
| 種類 | 使う場所 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| Codex IDE 拡張機能 | VSCode の中 | エディタの横で AI に相談する |
| Codex CLI | ターミナル | コマンドライン上で AI に作業を依頼する |
Codex IDE 拡張機能とは?
Codex IDE 拡張機能は、VSCode の中で使う Codex です。
OpenAI 公式ドキュメントでは、Codex VS Code extension を使うと、IDE の横で Codex を使ったり、Codex Cloud にタスクを任せたりできると説明されています。
VSCode の画面を見ながら、横のチャット欄で Codex に相談できます。
Codex CLI とは?
Codex CLI は、ターミナルから使う Codex です。
OpenAI 公式ドキュメントでは、Codex CLI はローカルのターミナルで実行でき、選択したディレクトリ内のコードを読み、変更し、コマンドを実行できると説明されています。
VSCode の画面ではなく、ターミナル上で Codex に依頼します。
たとえば、次のような使い方です。
- 開発中の提案、改善事項を出してもらう→チャット欄codex
- イシュー作ってもらう→チャット欄codex
- ファイルを編集する、実装する→ターミナルcodex
- ミーティングや会議で出た指摘事項をmdファイル化→チャット欄codex
- スキルやコマンドを使う→ターミナルcodex
筆者は今のところこんな感じで二刀流してます。
どちらを使えばいい?
初心者には、まず VSCode の Codex 拡張機能 のほうがわかりやすいです。
理由は、画面でファイルを見ながら AI に相談できるからです。
一方で、開発に慣れてきたら Codex CLI も便利です。
ターミナルから直接、プロジェクト全体に対して作業を依頼しやすいからです。
使い分けの目安
VSCode の Codex 拡張機能が向いている人
- VSCode の画面を見ながら作業したい
- ファイルを開いて、その場で質問したい
- ターミナルにまだ慣れていない
- コードの説明をしてほしい
- 部分的な修正を相談したい
Codex CLI が向いている人
- ターミナル操作に慣れてきた
- プロジェクト全体を見てもらいたい
- テスト実行や修正までまとめて依頼したい
- コマンドライン中心で作業したい
- Git やビルドコマンドと一緒に使いたい
8. Codex を使うときの注意点
いきなり本番コードで試さない
Codex は便利ですが、AI が変更したコードが必ず正しいとは限りません。
最初は、練習用のフォルダや、壊れても困らないプロジェクトで試しましょう。
変更内容を必ず確認する
Codex がファイルを変更したら、必ず内容を確認してください。
特に次のような変更は注意が必要です。
- ファイル削除
- 大量のコード変更
- 設定ファイルの変更
- 認証情報に関わる変更
- データベースに関わる変更
パスワードや秘密情報を貼らない
Codex に限らず、AI ツールに以下のような情報を貼るのは避けましょう。
- パスワード
- API キー
- 個人情報
- 社内の機密情報
- 顧客情報
コマンド実行の許可は慎重にする
Codex CLI は、設定や状況によってコマンド実行を提案することがあります。
よくわからないコマンドが出てきた場合は、すぐに許可せず、意味を確認しましょう。
特に、以下のようなコマンドは慎重に扱ってください。
rm -rf
sudo
chmod
curl ... | sh
9. よくあるエラーと対処法
brew: command not found
Homebrew が見つからない状態です。
Apple Silicon の Mac なら、以下を試してください。
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
VSCode が日本語にならない
以下を確認してください。
- Japanese Language Pack を入れたか
- 提供元が Microsoft か
- VSCode を再起動したか
- Configure Display Language で ja を選んだか
Codex のログイン画面で止まる
ブラウザが開いてログインを求められることがあります。
その場合は、ブラウザ側で ChatGPT / OpenAI アカウントにログインしてください。
ログイン後、ターミナルに戻ると使えるようになることがあります。
10. まとめ
この記事では、Mac で VSCode をインストールし、日本語化して、ターミナルから Codex CLI を使えるようにする手順を説明しました。
今回やったことは次のとおりです。
- VSCode をインストールした
- Japanese Language Pack で VSCode を日本語化した
- ターミナルを開いた
- Homebrew をインストールした
- brew install --cask codex で Codex CLI をインストールした
- codex コマンドで Codex CLI を起動した
- VSCode の Codex 拡張機能と Codex CLI の違いを確認した
初心者のうちは、まず VSCode の画面に慣れることが大切です。
慣れてきたら、ターミナルから codex を使って、プロジェクト全体の説明、コード修正、README 作成、テスト実行などを試してみましょう。
AI ツールはとても便利ですが、最終的にコードを確認するのは自分です。
Codex に任せきりにするのではなく、「AI に手伝ってもらいながら、自分も理解する」ことを意識すると、成長が早くなります。
