AIに促されるままメディエーションの下限を設定したらeCPMが40%下がった話
はじめに
個人開発のAndroidアプリ(DL数10万超アプリ)を運営しています。
広告収益の最適化のためにAdMobのメディエーション(Unity Ads, Meta Audience Network)を導入しました。
設定時にAIアシスタントに相談しながら進めたのですが、提案されるがまま下限価格(floor price)を設定したら、eCPMが約40%下落してしまいました。
やろうとしたこと
メディエーションでは、各広告ネットワークに**下限価格(floor price)**を設定できます。
「この金額以下の広告は表示しない」というフィルターで、低単価の広告を排除して平均eCPMを上げるために使います。
Unity Ads → 下限 ¥100
Meta → 下限 ¥100
「UnityとMetaに下限をつけて、低単価の案件はAdMobで拾えばいい」という戦略でした。
落とし穴:AdMob自体にも下限が適用されていた
ここが完全に盲点でした。
AdMobのメディエーション設定画面で下限価格を設定すると、UnityやMetaだけでなく、AdMob Network自体にも同じ下限が適用されます。
【自分が想定していた動作】
Unity Ads → 下限 ¥100 ✅
Meta → 下限 ¥100 ✅
AdMob → 下限なし(低単価も全部受ける)
【実際の動作】
Unity Ads → 下限 ¥100
Meta → 下限 ¥100
AdMob → 下限 ¥100 ← !!!ここにも適用されていた!!!
つまり、¥100未満の広告はどのネットワークからも配信されなくなり、fill rateが大幅に低下しました。
結果
| 指標 | 変更前 | 変更後 | 変動 |
|---|---|---|---|
| eCPM | - | - | 約-40% |
下限を設定すれば「安い広告が排除されてeCPMが上がる」と思いがちですが、実際には:
- fill rateが激減 — 下限を超える広告が十分にないと、広告が表示されない枠が大量発生
- 結果的にeCPMも下がる — 空白枠は¥0なので、全体の平均eCPMが下がる
- オークションの競争が減る — 入札者が減ると落札価格自体も下がる
なぜ気づかなかったのか
AIアシスタントにメディエーション設定を相談した際、「下限価格を設定して低単価の広告を排除しましょう」と提案されました。
一見合理的に聞こえますし、メディエーションパートナー(Unity, Meta)だけに下限がつくと思い込んでいました。AdMobの管理画面のUIも、メディエーションの文脈で設定するため、AdMob自体にも適用されるということが直感的にわかりにくいです。
対処法
下限価格を削除(または大幅に下げる)しました。
もし下限を使いたい場合は:
- AdMob Networkには下限を設定しない(最後のセーフティネットとして全ての広告を受ける)
- メディエーションパートナーごとに個別に設定する(ウォーターフォール方式で段階的に下限を設定)
- 最初は低い下限から始めて、データを見ながら徐々に調整する
まとめ
| やったこと | 影響 |
|---|---|
| メディエーション下限を一括設定 | eCPM -40% 💀 |
| 下限を削除 | 回復 ✅ |
教訓:
- 🚫 AIの提案を鵜呑みにしない。特に広告設定は収益に直結するので、影響を理解してから変更する
- 🚫 メディエーションの下限設定はAdMob自体にも適用されることを忘れない
- ✅ 下限を設定するなら、パートナーごとに個別設定し、AdMob自体はセーフティネットとして残す
- ✅ 設定変更は小さく試して、数日間のデータを観察してから判断する
「AIが言ったから正しいはず」は危険です。特にお金に関わる設定は、自分で仕組みを理解してから変更しましょう(自戒を込めて)。