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dera AI Weekly Vol.45 — 2026/8/24

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2026-08-24号

今週のAI業界を一言で表すなら?
ツールが行き渡り、差がつくのは設計だけになった一週間でした。
Codexの利用者が2,000万人を超え、国立情報学研究所が国産モデルを無償公開するなか、同じモデルのまま動かし方を変えるだけで、コード生成の順位が30位からトップ5へ動きました。


📊 今週知っておくべきこと

今週いちばん効く数字は、Codexの利用者が2,000万人を超えたことです。8月13日に1,500万人でしたから、8日で500万人増えました。6月上旬は500万人だったので、8か月で約33倍です。

同じ週、国立情報学研究所(NII)が国産モデル「LLM-jp-4 33B」をApache 2.0で公開しました。商用利用が可能で、日本語ベンチマークでは同シリーズの従来モデルをすべて上回っています。思考モデルのDPO学習データまで公開されており、これは研究機関としてもかなり珍しい判断です。AlibabaのQwen3.8-27Bも、クラウドAPIなしでフロンティア級のコーディングエージェントがローカルで動くと示されました。

つまり今週で、高性能なモデルは、手元でも、日本語でも、無料で手に入るものになりました。持っているかどうかは、もう差になりません。

ではどこで差がつくのか。今週その答えが数字で出ています。同じモデルのまま「ハーネス」と呼ばれる実行環境を変えただけで、コード生成AIの順位が30位からトップ5へ動きました(LangChainの実験)。DeepMind出身のInherentは、わずか270億パラメータのモデルで、Claude Opus 4.8とGPT-5.5を論文再現タスクで上回っています。差がついたのはモデルの大きさではなく、何をどう実行させるかの設計でした。

この構図は、日本の組織にもそのまま当てはまります。令和8年版情報通信白書によれば、生成AIを何らかの業務で使っている日本企業は86.4%(前年55.2%)。一方で27.0%が「組織的な取組を何もしていない」と答えています。 ツールは行き渡り、設計だけが残された、という状況が統計にも出ているわけです。

そして今週、設計で結果を出した日本企業の実例が出てきました。SBIホールディングスがAnthropicと全社提携を発表し、SBI証券では顧客対応AIエージェントに5億円を投資して、年27億円の増収を見込むとしています。北尾吉孝会長は「孫正義氏はOpenAIだが、僕はAnthropic」と語っています。

一方で、資金の側には初めて逆風が吹きました。Alibabaが102億ドルの新株発行を発表し、株価は10%下落しています。AI投資そのものが株主から問われ始めた形です。なお、OpenAIは最新モデルの強化学習トレーニングを2週間停止しましたが、製品と流通は止まっていません。

そして今週は、AIに触る場所そのものが増えました。Codexは音声で操作できるようになり、離席してもタスクが止まりません。macOS版ChatGPTはAppleの「メッセージ」と繋がり、Claude Codeはセッション同士が直接会話できるようになりました。どれも新しいモデルの話ではなく、既存のモデルにどこからどう触るかの話です。

わたしたちが注目しているのは、同じ結論が技術と組織の両方で同時に出たことです。何を持っているかではなく、どう動かすか。今週はそれが数字で示されました。


💡 今週のアクション

1. 国産の無料モデルを、自社データで試す(1時間)
NIIの「LLM-jp-4 33B」はApache 2.0で商用利用が可能です。日本語ベンチマークで従来モデルを上回っており、DPO学習データまで公開されています。顧客対応の自動化や社内資料の要約など、日本語が主戦場の業務で試してみましょう。
国立情報学研究所: LLM-jp-4 33B 公開

2. 「どのモデルか」の前に「どう動かすか」を決める(1時間)
同じモデルでもハーネス次第で順位が25位分動きます。対話型、バッチ型、非同期型のどれで回すかによって、コスト構造も適したプロバイダーも変わります。自社の業務がどれに当たるかを先に整理しましょう。
MarkTechPost: エージェントループの3つの動かし方とその経済性

3. 投資額ではなく、回収の設計を見る(30分)
SBI証券の事例は、5億円の投資に対して年27億円の増収見込みという形で、回収の道筋が具体的に示されています。金額の大小より、どの業務のどの指標を動かすかが先に決まっている点が参考になります。
ITmedia: SBI北尾会長が語るAIドリブン戦略


📰 今週のAI記事(全14本)

1️⃣ Codexの利用者が2,000万人を突破、8か月で33倍

🏷️ 普及, 開発者ツール, OpenAI
何が起きた? OpenAIのコーディングエージェント「Codex」の利用者が8月21日に2,000万人を超えました。8月13日に1,500万人を突破したばかりで、8日間で500万人の増加です。6月上旬は500万人、7月21日は1,000万人でした。GPT-5.6の投入と、CodexをChatGPTへ統合して一つの作業環境にまとめた判断が伸びを支えています。節目を記念して、契約者全員に利用枠のリセットが付与されました。
わたしたちの見方 2,000万人という規模は、コーディングエージェントがもう特殊なツールではないことを意味します。導入の是非を議論する段階は終わり、どう使うかだけが残りました。一方で利用枠の制限に対する不満も出ています。本番業務で使うなら、上限に当たったときの手順まで決めておくと安心でしょう。
📎 Memeburn

2️⃣ 国立情報学研究所が国産モデル「LLM-jp-4 33B」をApache 2.0で公開

🏷️ オープンウェイト, 日本, 国産モデル
何が起きた? NIIが「llm-jp-4-33b-base」と思考モデル「llm-jp-4-33b-thinking」の2種類を公開しました。Apache 2.0のため商用利用が可能です。思考モデルはMT-BenchやAnswerCarefullyなど主要な日本語ベンチマークで、同シリーズの従来モデルをすべて上回りました。SFTとDPOで学習されており、4月のMoEモデルと異なりDenseアーキテクチャを採用しています。思考モデルのDPO学習データまで公開されている点が特徴です。
わたしたちの見方 今週、日本の読者にとって最も直接的な意味を持つ一本です。国の研究機関が、商用利用可能なライセンスで、日本語で最も強い部類のモデルを配りました。学習データまで開示しているのは研究機関としても珍しく、自社データでのカスタマイズを前提にできます。日本語が主戦場で、かつデータを外に出したくない業務があるなら、いま試す価値が最も高い選択肢でしょう。
📎 国立情報学研究所

3️⃣ Qwen3.8-27B、クラウドAPI不要でフロンティア級のエージェントがローカルで動く

🏷️ オープンウェイト, ローカル実行, 中国
何が起きた? 先週ウェイトが公開されたQwen3.8-27Bについて、クラウドAPIに依存せずローカル環境でコーディングエージェントと推論タスクを回せることが具体的に示されました。画像と動画を扱えるマルチモーダルモデルで、100万トークン級の長文脈に対応します。Apache 2.0で商用利用も可能です。
わたしたちの見方 先週は「16GBで動く」という要件の話でしたが、今週は「実際にエージェントが回る」という実証の話になりました。NIIのモデルと合わせると、手元で動く高性能な選択肢が一週間で二つ増えたことになります。外部APIの従量課金とデータ送信の制約が壁だった業務を、内製に寄せやすくなりました。
📎 VentureBeat

4️⃣ 同じモデルでも、ハーネス次第で30位からトップ5へ

🏷️ エージェント, 設計, コスト
何が起きた? エージェントの実行環境である「ハーネス」の設計が、モデル選択より結果を左右するという分析が出ています。LangChainの実験では、同じモデルのままハーネスを変えただけで、コード生成AIの順位が30位からトップ5へ上がりました。Python製エージェント「Decode」は3つの実行モードを提案しています。人間がリアルタイムで対話する「インタラクティブオンライン」、サーバー上で並列処理する「リモートオフライン」、キューに渡して後で結果を受け取る「非同期オンライン」です。それぞれ遅延とコスト効率が異なり、適したプロバイダーも変わります。
わたしたちの見方 今週の中心にある一本です。多くの企業はAI導入で「どのモデルを選ぶか」に時間を使いますが、同じモデルでも動かし方で順位が25位分動くなら、検討の順序そのものが間違っていることになります。1,000件の文書処理では、対話モードで高額になるAPI利用料が、オフラインのGPU活用で大きく下がる可能性もあります。用途がどのモードに当たるかを先に決めてから、プロバイダーを選ぶほうが合理的でしょう。
📎 MarkTechPost

5️⃣ DeepMind出身のInherent、270億パラメータで大手を上回る

🏷️ エージェント, 研究, スタートアップ
何が起きた? Google DeepMind出身者が設立したロンドンのAIラボInherentが、5,000万ドルのシード調達とともにステルスを解除しました。エージェント「Faraday」は、答えを知らされない状態で科学論文の発見を独立に再現するタスクで、Claude Opus 4.8とGPT-5.5を上回りました。Faradayが動いているのはQwen 3.6、わずか270億パラメータです。共同創業者は、正確さだけでなく「どの実験をどう設計するか」という研究のセンスを強化学習で持たせたと説明しています。コーディングツールは自作せず、OpenAIのGPT-5.5 Codexを使っています。
わたしたちの見方 前項の裏づけになる実例です。差がついたのはモデルの大きさではなく、何をさせるかの設計でした。自社ツールを作らず既存のCodexを使っている点も示唆的で、人間の研究者が既存ソフトを使うのと同じ考え方です。小さいモデルでも設計次第で成果が出るという意味で、内製を検討する企業には現実的な材料になります。
📎 TechCrunch

6️⃣ DeepSeek Harnessがdeveloper preview、MITライセンスで全部品を差し替え可能に

🏷️ エージェント, オープンソース, 開発者ツール
何が起きた? DeepSeekがエージェント基盤「DeepSeek Harness」のdeveloper previewを公開しました。MITライセンスです。特徴は、エージェントに必要な要素がすべてプラグインとして差し替えられる設計にあります。「Cordis」というメタフレームワークを土台に、モデル、ツール、スキル、セッション、サンドボックス、ストレージ、ループ、スケジューリング、UIまで交換できます。AnthropicとOpenAIの両方に対応しています。
わたしたちの見方 Vol.44で「Claude Codeの対抗をオープンソースで」とお伝えしたものが、MITライセンスかつプロバイダー非依存という形で出てきました。特定ベンダーに固定されないことが設計思想として明示されています。dera newsは依存先を分散する考え方を大事にしていますが、harnessの層でそれが選べるようになった意味は小さくないでしょう。まだプレビュー段階のため、互換性の変更は前提に置く必要があります。
📎 GitHub

7️⃣ Codexのボイスモードが更新、離席してもタスクが止まらない

🏷️ インターフェース, 開発者ツール, OpenAI
何が起きた? OpenAIがCodexとChatGPTのデスクトップアプリでボイスモードを拡張しました。GPT-Liveを基盤としたフルデュプレックスの音声操作で、Chat、Work、Codexのいずれからも使えます。macOSとWindowsが対象で、ターミナルではなくデスクトップアプリ側の機能です。8月18日の更新では、既存のタスクコンポーザーから直接呼び出せるようになり、接続が安定し、会話を抜けたあともタスク処理がバックグラウンドで継続するようになりました。応答の途中で割り込めるほか、Macでは「Take a look at this」で最前面のウィンドウを共有できます。
わたしたちの見方 実質的な変化は、キーボードから手を離してもエージェントを止めなくてよくなったことです。長時間かかるタスクを投げたあと、移動中に進捗を確認して次の指示を出す、という使い方が現実的になります。今週の主題でいえば「実行単位」の選択肢が一つ増えた形で、同じモデルでも触り方を変えると仕事の流れが変わる例といえるでしょう。
📎 VentureBeat

8️⃣ macOS版ChatGPTがAppleの「メッセージ」と連携、送信は都度承認

🏷️ インターフェース, 業務自動化, OpenAI
何が起きた? OpenAIがmacOS版ChatGPT向けに、Appleの「メッセージ」アプリと連携するプラグインを公開しました。CodexやChatGPT Workのチャット画面から、過去のメッセージ検索、返信の下書き作成、送信までが行えます。誤送信を防ぐため、実際に送るかどうかは毎回人間が承認する設計です。Appleシリコン搭載のMacが対象で、メッセージの分類や整理もプラグイン側で扱えます。
わたしたちの見方 AIが個人のコミュニケーション経路に入ってくる、初期の実用例のひとつです。注目したいのは下書きまでを任せて、送信は人間が押すという線引きでしょう。エージェントの権限設計として、そのまま他の業務にも応用できる考え方です。一方で過去の会話履歴へアクセスを許すことになるため、業務で使う前に情報の取り扱い方針を確認しておくほうが安全です。
📎 ITmedia

9️⃣ Claude Codeのセッション同士が会話可能に、agent teamsも登場

🏷️ エージェント, 開発者ツール, Anthropic
何が起きた? Claude Codeで、動作中のセッション同士が直接メッセージをやり取りできるようになりました。プラグインではなく一次機能で、平文のメッセージに加えて権限を認識した承認ダイアログを備えています。あわせて「agent teams」が導入され、従来のサブエージェントと異なり、各teammateが自分自身のコンテキストウィンドウを持って独立に作業し、互いに直接やり取りします。利用者はリード役を経由せず個々のteammateと会話できます。なお、ChatGPTとClaude Codeを会話させるようなベンダー横断の用途は、現時点では有志のプラグインが中心です。
わたしたちの見方 複数のエージェントを並行して走らせている場合、これまでは人間が伝書鳩の役割を担っていました。その部分が製品側に移ります。 一方で承認フローの設計は今まで以上に重要になるでしょう。エージェント同士が合意して進む経路ができた以上、どこに人間の関門を残すかを先に決めておくほうが安全です。前項のメッセージ連携と同じ論点が、開発の側でも出ています。
📎 Claude Code Docs

🔟 SBIがAnthropicと全社提携、5億円の投資で年27億円の増収を見込む

🏷️ 日本, 企業導入, 投資回収
何が起きた? SBIホールディングスが、Claudeを開発する米Anthropicとの全社提携を発表しました。当面の最優先戦略にAI化を掲げ、社外から専門人材を起用します。SBI証券では顧客対応のAIエージェント開発に5億円を投資し、口座の再活性化などを通じて年27億円の増収を見込むとしています。北尾吉孝会長は「孫正義氏はOpenAIだが、僕はAnthropic」と語りました。
わたしたちの見方 今週いちばん実務に近い日本の事例です。注目したいのは金額の大小ではなく、投資額と回収見込みが具体的な業務指標に紐づいている点でしょう。「口座の再活性化」という動かす対象が先に決まっていて、そこにエージェントを当てています。社外から専門人材を入れている点も、設計する人が要るという今週の主題と重なります。もちろん見込みは見込みなので、実績の報告を待つ姿勢は必要です。
📎 ITmedia

1️⃣1️⃣ Claudeが15標的中14でタンパク質設計に成功、ヒット率は業界の約2倍

🏷️ 応用, 研究, Anthropic
何が起きた? AnthropicがClaudeによるprotein binderの設計結果を公表しました。Claude Opus 4.8と未公開のMythos Previewが設計した1,320件のうち、外部のAdaptyv BioとTwist Biosciencesが独立に合成・評価した結果、354件で結合を確認。全体のヒット率は26.8%、1標的に集中した場合は35.1%でした。業界の一般的な成功率は10〜15%とされています。
わたしたちの見方 AIが候補を出す段階を超えて、外部機関が独立に検証できる成果を出した点が重要です。創薬やバイオ研究では初期の候補設計に膨大な試行が必要で、そこが短縮できれば探索コストの構造が変わります。まだ研究段階で商用製品に直結はしませんが、受託研究やバイオDXの競争環境を読む材料になるでしょう。
📎 Anthropic関連報道

1️⃣2️⃣ Alibabaが102億ドルの新株発行、株価は10%下落

🏷️ 市場, 資金, 中国
何が起きた? Alibabaが102億ドル規模の新株発行を香港で実施すると発表し、株価は10%下落しました。調達資金はAI投資に充てられます。同社は8月上旬にも、AI支出により純利益が75%減少したことを受けて株価を下げています。
わたしたちの見方 今週唯一、資金の側に逆風が吹いたニュースです。これまでVol.44・45を通じて「金は止まらない」という話が続いてきましたが、AI投資そのものが株主から問われ始めました。増資は将来の成長への投資である一方、既存株主の持ち分を薄めます。投資の規模ではなく回収の道筋が問われる段階に入ったとすれば、前項のSBIのように指標を先に決めるやり方が、より重要になっていくでしょう。
📎 CNBC

1️⃣3️⃣ NVIDIAがSB Energyに15億ドル出資、オハイオのデータセンターへ最大1,050億ドル枠

🏷️ インフラ, 資金, 日本
何が起きた? NVIDIAがソフトバンク傘下のSB Energyに15億ドルを出資し、オハイオ州に建設されるOpenAIのPorts-Pikeデータセンターへ計算インフラを独占供給します。あわせて最大1,050億ドル規模の信用枠も用意します。施設は初期4.25ギガワットから最終的に8ギガワットまで拡張する見込みで、敷地内には建設費330億ドルの9.2ギガワット天然ガス火力発電所も計画されています。
わたしたちの見方 先週わたしたちは「NVIDIAがOpenAIへの保証を2,500億ドルから1,200億ドル未満へ半減させた」とお伝えしました。今週、その枠が出資と信用枠という具体的な形で出てきたので、引き締めたのではなく組み替えていたという読み方ができます。日本企業にとっては、AI活用の成否がモデル性能だけでなく電力とデータセンターの長期確保に左右される段階に入ったことを示す一件です。なお、先週お伝えしたAnthropicによるdecart買収は、今週の報道で金額が70億ドルへ上がりました。
📎 TechCrunch

1️⃣4️⃣ 希少本の配送を追跡したら、AmazonのAI学習施設で裁断されていた

🏷️ データ, 著作権, 倫理
何が起きた? 404 Mediaが、希少本に追跡装置を仕込んで配送を追う調査を行いました。行き着いたのはネバダ州ラスベガスのAmazon倉庫で、従業員によれば主な業務は大量の書籍を受け取り、スキャンを速めるために背を裁断することだといいます。この過程で書籍は破壊されます。「VGT3」と呼ばれるこのチームのロゴは、歯をむき出した恐竜が本をつかんでいる図案でした。
わたしたちの見方 Vol.42で「AI企業による希少本の大量購入と裁断・廃棄」を取り上げましたが、今回は追跡装置による裏づけが付きました。学習データの調達がどう行われているかが、推測ではなく実地の調査で示されたことになります。dera newsは著作権の議論に一方の側から答えを出す立場を取りませんが、自分たちもAIで情報を処理して書き直している以上、この緊張は認識しておく必要があると考えます。
📎 404 Media


📚 編集後記

今週は、AIの話が「何を持っているか」から「どう動かすか」へ、はっきり移った一週間でした。Codexは2,000万人に達し、NIIは国産モデルを無償で配り、Qwenは手元のGPUでフロンティア級のエージェントを動かしました。もう、良いモデルを持っていることは差になりません。

差になるのは設計のほうです。同じモデルでもハーネスを変えれば順位が25位動く。270億パラメータのモデルが、設計次第でフロンティアを上回る。そして情報通信白書によれば、日本企業の86.4%がすでに生成AIを使っている一方で、27%は組織的な取組を何もしていない。技術のレイヤーでも組織のレイヤーでも、同じ結論が出た週でした。

その意味で、SBI証券の事例は象徴的だったと思います。5億円という金額そのものより、「口座の再活性化」という動かす対象を先に決めて、そこにエージェントを当てている点です。何を良くしたいのかが決まっていれば、モデルは後から選べます。逆は成り立ちません。

Alibabaの増資と株価下落は、その裏返しでしょう。投資の規模だけでは、もう市場を説得できません。回収の設計が問われ始めています。

来週も、役に立つ情報と考えるきっかけをお届けします。
dera news 編集部


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