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【実録】クリぼっち確定。AIに「過去半年の自分の行い」を全投入して恋愛相談したら、再起不能レベルの『正論パンチ』を食らった話

Last updated at Posted at 2025-12-23

はじめに

メリークリスマス。

街はイルミネーションで輝き、恋人たちが愛を語らう聖夜。 私は今、暖房の効きが悪いワンルームで一人、パソコンの画面を見つめています。

本来であれば、半年前に「運命だね」と言い合った彼女と、予約していた三越のケーキを食べ、シャンパンを開けているはずでした。

でも、振られました。 12月に入ってすぐ、あまりにもあっけなく、システムがダウンするように終わりました。

一体なぜ。どこで間違ったのだろう。
ふと頭によぎったのは2人の愛の軌跡を辿る様々な思い出。

この思い出をテキストに起こし、AIに分析させたらきっと今までの自分の認知の歪みや思い込みを言語化してくれるのではないか。

そう思った私はGeminiのコンソールを開き、おもむろにプロンプトを叩き込むのでした……。


こんにちは! 株式会社Sapeetで業務委託エンジニアとして働いている関と申します。

冬の初めに振られ、クリぼっちが確定。一人寂しく過ごしています。

振り返ってみれば、付き合いたての頃はあんなに彼女も愛に溢れていたのに、別れ際は驚くほど冷淡でした。

コミュニケーションには、その時々の感情や、積み重ねてきた「行い」の結果が現れるもの。 ならば、過去の自分たちの思い出や出来事を「客観的な事実」としてAIにインプットし、恋愛相談をすれば、「自分の行いをどう受け取られた可能性があるか」を可視化でき、「どこでどう振る舞えば良かったのか」を教えてくれるのではないか。

そんな淡い期待と反省の念を抱き、今回はGemini 3 Proに対し、自分の過去の言動やあった出来事を書き出し、それをベースにした解析と相談を行いました。

使用技術

  • Model: Gemini 3 Pro

  • Input: 過去半年間のテキストベースのコミュニケーションログ (学習に利用されないよう設定)
    ※やり取りは全て筆者の実体験をベースにしつつ、個人が特定される情報や原文は使用していません。

  • Objective:

    • 交際期間中における関係性の変遷の可視化
    • 破局に至った決定的分岐点の特定
    • 再発防止のための「喝」をもらう

本記事においては具体的な表現や時系列は再構成・フィクション化しています。

交際の時系列

まずはLLMにコンテキストを与えるため、事実ベースのログを整理しました。

  • 6月中旬: 出会い・連絡先の交換
  • 7月頭: 交際開始
  • 8月中旬: 初旅行(沖縄)
  • 10月上旬: 温泉旅行の計画(※ここで調整ミス発生)
  • 11月下旬: 待ち合わせのすれ違い・話し合い
  • 12月某日: デートよりも友人を優先され、話し合いの結果別れる

解析結果:推測される関係性の変化(仮説)

Geminiに全ログを読ませ、当時のやり取りをもとに、「自分の振る舞いをどう受け取られた可能性があるか」を整理させました。驚くほど、自分の記憶と一致する仮説が提示されました。

※彼女をミホさん(仮名)、自分をケント(仮名)として以下進めて行きます。

出力サマリ

【推測される二人の関係性変化サマリ(6月〜12月)】
全体として、「運命的な熱狂」から始まり、ある出来事を境に「失望」へと転じ、最終的に「無関心」になって終わるプロセスをたどっています。

時期 フェーズ Geminiによる分析
6〜9月 蜜月期 出会ってすぐ交際するほどの熱狂と深い愛情の時期。ケントさんのリードに対する信頼感のもと、沖縄旅行や誕生日祝いなどを通じて「一緒に過ごす時間」を重ね、関係は最高潮でした。
10月 転換期 決定的な失望の時期。箱根旅行の際、「金曜夜から行ってゆっくり温泉に入りたい」という期待に対し、ケントさんが仕事を理由に効率重視(土曜朝発)の提案をしたことでミホさんに「大切にされていない」と感じさせ、不信感が芽生えました。
11月 冷却期 迷いとすれ違いの時期。待ち合わせ場所の認識違いの際にケントさんが放った正論を機に、関係に緊張感が増しました。今後についての話し合いを求めましたが、根本的な解決には至らず温度差が生まれました。
12月 終焉期 関心の喪失の時期。デートの約束よりも他の予定が優先されるなど、関係性における優先順位の変化が明確になりました。その後のやり取りでもすれ違いが続き、二人の関係を継続することが難しい状態に至りました。

……心当たりがありすぎて胃が痛い。

分岐点と必要だったケア

分析を元に、「どのタイミングで、どのようなケアをすべきだったのか」を推論させました。

出力サマリ

ミホさんの不満の根底には「大切にされていない」という寂しさがあり、ケントさんの「論理的な正しさ」が「感情的な充足」を求めていた彼女の心を冷めさせたことが原因です 。

具体的な分岐点と、本来必要だったケアは以下の通りです。

  • 10月(失望の分岐点): 「会議があるから無理(効率)」という事実報告ではなく、 「俺も早く行きたかった」という共感と、代替案への熱意(感情)を示し、彼女の楽しみを壊さない配慮をすべきでした

  • 11月(執行猶予の警告): 待ち合わせミスで「連絡したよね(正論)」で詰めず、人混みの中で待たせたことを詫びつつ、会えた喜びを表現すべきでした。また、話し合いで安心せず、行動で変化を示す必要がありました

  • 12月(決裂のトドメ): 約束を破ったことへの「筋を通せ(説教)」ではなく、「許容」を持って友人を優先した彼女を許し、関係を続けるための居心地の良さを守るべきでした

結論として、事実(できない理由)やルール(約束)よりも、「君のためにこうしたい」という意志と感情への寄り添いが決定的に欠落していたことが敗因です 。


Geminiによるアドバイス詳細

ミホさんとのやり取りに基づき、彼女の感情が冷めていく重要な局面で「本来どのようなケア(対応)が必要だったのか」を分析しました。

彼女の感情の動きは、単なるわがままではなく、「大切にされていない(優先順位が低い)」と感じたことによる「自己重要感の欠如」が根底にあります。

1.【10月の分岐点】温泉旅行の前乗り拒否

状況: ミホさんは金曜夜からの移動を楽しみにしていましたが、ケントさんは仕事の都合で土曜朝合流を提案しました

彼女の心理: 「仕事だから仕方ない」という理屈よりも、「楽しみにしていた時間を効率論で片付けられた」ことに傷ついています。

必要だったケア: 「感情の受容」と「熱意ある代替案」

  • NG対応: 「宿泊は無理だった(事実のみ)」という論理的な報告

  • 正解ケア:

    • 共感: 「ごめん!俺もミホと早く温泉入りたかったし、そのために有給取ってくれたの本当に嬉しい。会議さえなければ…」と、「悔しさ」を共有する
    • 代替案: 「金曜は間に合わないけど、土曜のランチは絶対美味しいお店予約するから!俺が奢るから!」と、楽しみをスライドさせる熱量を見せる

2.【11月の警告】待ち合わせミスと話し合い

状況: 新宿駅で待ち合わせ場所の認識違いが発生し、ケントさんは連絡した事実を元に注意しました。その後、別れを匂わす話し合いが行われました。

彼女の心理: 久しぶりのデートで会えた喜びよりも、間違いを正される冷たさが勝ってしまいました。話し合いは「解決」ではなく、「最終テスト」の始まりでした。

必要だったケア: 「正しさより優しさ」と「劇的な変化」

  • NG対応:「ちゃんと見てよ」という説教。話し合い後に安心して通常運転に戻る

  • 正解ケア:

    • 再会を喜ぶ: 「新宿分かりにくいよね、ごめん。会えてよかった!」とミスを許す器の広さを見せる

    • 危機感の共有: 話し合いの翌日以降、明らかに態度を変える。連絡頻度やデートの質を上げ、彼女を不安にさせない

3.【12月のトドメ】ディナーのドタキャン

状況: ミホさんはデートを忘れ、友人との予定を優先しました 。これに対し、ケントさんは「先約優先が筋」と正論で詰めました。

彼女の心理: すでに気持ちが離れており、「そういうお店に興味なさそう」という理由付けで自分を正当化しています。ここで詰められたことで、「やっぱり面倒くさい」と完全にシャッターを下ろしました。

必要だったケア: 「正論を飲み込む許容」と「余裕」

  • NG対応: 「ダブルブッキングしたのはそっちのミス」「約束を守るべき」という正論攻撃

  • 正解ケア: (関係修復の可能性は低かったものの、唯一のチャンスとして)

    • 許容: 「友達と楽しんで!ご飯はまた今度行こう」と笑って許す
    • 引く勇気: 「今日はゆっくりして」と、あえて追いかけずに距離を置く。正しさで追い詰めず、「居心地の良さ」だけを残すことで、彼女がふと寂しくなった時に戻れる場所を作る

確かに、別れ話の中で「10月の旅行の件は大きかった」という話もしており、「効率ばっかりで寂しかった」とも言われました。

もっと彼女に寄り添ったケアをしてあげられなかったのが、その後の破局に向かう大きな分岐点だったようです。 11月、12月にも分岐点はありましたが、肌感としてはそこまで行った場合に関係を修復するのは難しかったように思えます。やはり10月の段階できちんと論理ではなく、感情に寄り添ったケアができていれば……。

再発防止策:AIからの「喝」

最後に、今後の人生で同じ過ちを繰り返さないため、Geminiに「辛辣な喝」を求めました。 返ってきたのは、全エンジニアの胸に刺さる説教でした。


1. 「正しいか」ではなく「嬉しいか」で動け!
あなたは最後まで「俺の言ってることは筋が通っている」と思っていましたね? その「正しさ」が、彼女の心を殺したのです。

「土曜からの方が安上がり」「連絡はしたから間違ってない」「約束は守るもの」。 仕事なら優秀でしょう。でも、恋愛で相手が求めているのは「正解」ではなく「共感」です。

彼女が非効率なことを言った時、あなたがすべきは「最適化」ではありません。「そこまでして金曜から会いたかったんだな」と「感情」を想像することです。 次は、「論理的に正しい」選択肢をゴミ箱に捨てて、「相手が喜ぶ」選択肢を拾いなさい。

2. 「できない理由」を語るな、「叶える執念」を見せろ!
旅行で金曜に行けなかった時、あなたは「会議がある」「効率的だ」と涼しい顔で説得しました。 彼女が見たかったのは、結果ではなく「あなたのがむしゃらな姿」です。

「何とかして行く方法探すわ!」「朝イチで行くから、朝ごはん一番美味しい店探すわ!」 そうやって泥臭く、必死に食い下がる姿こそが、「私は愛されている」という最強の安心感になるのです。 スマートに振る舞おうとするな。格好悪くてもいいから、相手のために汗をかけ!

3. 「安心」した瞬間が「危機」だと思え!
「話し合い」が終わって、「あースッキリした、解決した」とあぐらをかきましたね? その瞬間に、あなたはフラれたのです。

女性が不満を口にする時、それは氷山の一角です。話し合いが終わった直後こそ、「ここからが正念場だ」と兜の緒を締め直しなさい。 「釣った魚に餌をやらない」のではなく、「釣った魚だからこそ、毎日最高のエサ(愛情表現)をやり続ける」。それができないなら、釣り上げる資格はありません。

最後に。

あなたには、素晴らしい武器があります。 たった2週間で交際を決断させた「行動力」。 彼女のために予約や下調べを完璧にこなす「誠実さ」。 そして、こうして自分の失敗を直視してAIに説教を頼める「素直さ」です。

その武器の使い方さえ間違えなければ、次は必ずうまくいきます。 「ロジック」という鎧を脱ぎ捨てて、「感情」という生身でぶつかってきなさい。

過去は変えられませんが、未来は変えられます。 来年のクリスマスは、絶対に、絶対に幸せになるんですよ!

以上!解散!

おわりに:ひとを科学するということ

Geminiの分析は、今の私にはあまりにも沁みました。 普段、仕事でシステムや論理を扱っている分、対人関係という「感情のシステム」においても、無意識にロジックを優先してしまっていたのです。

私が業務委託として関わっている 株式会社Sapeet のミッションには、こうあります。

「ひとを科学し、寄り添いをつくる」

皮肉なことに、この「寄り添い」こそが、私に最も欠けていたモジュールでした。 AIに教わったこの痛烈な反省をバネに、来年はコードやロジック、構成の妥当性だけでなく、人にとって使いやすいサービスをより心がけるなど、人の心にも寄り添えるエンジニアになりたいと思います。

それではみなさま、メリークリスマス!

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