はじめに
フロントエンド開発のビルドツールとして定番となった Vite ですが、最近 Vite+(Vite Plus) という新しいプロジェクトが登場しました。名前だけ見ると「Vite の上位版?」と感じるかもしれませんが、実はまったく異なるアプローチを持つツールです。
この記事では、Vite+ の概要・主な機能・Vite との違いをまとめます。
Vite+ とは
Vite+ は「Web 開発のための統合ツールチェーン(Unified Toolchain for the Web)」を掲げるCLIツールです。
Manage your runtime, package manager, and frontend stack with one tool.
Viteがビルド(および開発サーバー)に特化しているのに対して、Vite+ は ランタイム管理・パッケージマネージャー・リント・フォーマット・テスト・パッケージングまで、開発ワークフロー全体を単一のCLIに統合することを目指しています。
Vite との比較
| 観点 | Vite | Vite+ |
|---|---|---|
| 主な役割 | ビルドツール+開発サーバー | 統合ツールチェーン |
| スコープ | ビルド・バンドリングに特化 | ビルド・リント・テスト・パッケージ管理まで |
| ツールの数 | 単体ツール | 複数ツールのオーケストレーター |
| 設定ファイル | vite.config.ts |
Vite+ 独自の設定(既存設定から移行可能) |
| ベース技術 | Rollup / esbuild | Vite・Rolldown・Oxlint・Vitest など |
Vite+ は内部で Vite を活用していますが、その上に多くのツールを統合したラッパーという位置づけです。
Vite+ の主な機能
1. 高速なビルド・開発サーバー(vp dev / vp build)
Vite および Rolldown を活用した高速ビルドを提供します。公式では webpack と比較して 最大40倍高速 なビルドを謳っています。
vp dev # 開発サーバーを起動
vp build # 本番ビルド
2. リント・フォーマット・型チェック(vp check)
ESLint・Prettier の代わりに Rust 製の高速ツールを採用しています。
- リンティング: Oxlint(ESLint比 50〜100倍高速)
- フォーマット: Oxfmt(Prettier比 最大30倍高速)
- 型チェック: tsgo
vp check # フォーマット・リント・型チェックをまとめて実行
vp lint # リントのみ
vp fmt # フォーマットのみ
3. テスト(vp test)
Jest 互換の Vitest を統合しています。既存の Jest テストをほぼそのまま動かせます。
vp test
4. モノレポ対応タスクランナー(vp run)
モノレポ構成のプロジェクトでも、単一コマンドでタスクを横断実行できます。
vp run build
5. ライブラリ・バイナリのパッケージング(vp pack)
npm ライブラリの公開用ビルドや、アプリのバイナリ化に対応しています。
vp pack
6. パッケージ管理(vp install / vp add など)
パッケージマネージャーも Vite+ の CLI から操作できます。
vp install # 依存関係をインストール
vp add react # パッケージを追加
vp remove lodash # パッケージを削除
vp update # パッケージを更新
インストール方法
macOS / Linux の場合は以下のコマンド一発でインストールできます。
curl -fsSL https://vite.plus | bash
Windows の場合は PowerShell で同様のコマンドを実行するか、インストーラー(.exe)をダウンロードします。
インストール後、新しいシェルを開いて動作確認します。
vp help
新規プロジェクトの作成
vp create # 対話形式でプロジェクトを作成
vp install # 依存関係のインストール
vp dev # 開発スタート
React・Vue・Svelte・Solid など 20 以上のフレームワークに対応しています。
既存プロジェクトからの移行
vp migrate
migrate コマンドで既存の設定ファイルを Vite+ 向けに変換できます。また、AI アシスタント向けのマイグレーション用プロンプトも提供されており、AIを活用した移行もサポートされています。
まとめ
Vite+ を一言で表すなら「フロントエンド開発に必要なツールを全部入りにしたオールインワンCLI」です。
複数のツールを個別にセットアップ・設定・更新する手間がなくなるのは大きなメリットです。一方で、各ツールの細かい設定の自由度や既存エコシステムとの互換性については、まだ成熟途中の部分もあるかもしれません。
新規プロジェクトでシンプルな開発環境を整えたい場合や、ツール設定の煩雑さに疲れている方は、ぜひ試してみる価値があるツールだと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
普段はデザインやフロントエンドを中心にQiitaに記事を投稿しているので、ぜひQiitaのフォローとX(Twitter)のフォローをお願いします。