はじめに
近年、AIはエンジニアリング・デザイン・ビジネスの領域を問わず、日々の業務を効率化するための重要なスキルとなっています。
業務改善や生産性向上のためにAIを活用する動きが広がる中、Qiitaとしても全社員がAIを活用できる体制を作ろうとしています。
その取り組みの一環として、全社員を対象にした8回シリーズのAI勉強会を実施しました。
この記事では、その取り組みの背景や構成、得られた知見を紹介しようと思います。
AI勉強会の概要
Qiitaでは、以下のような内容でAI勉強会を開催しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | Qiita全社員 |
| 形式 | Google Meet(録画あり) |
| 回数 | 全8回 |
| 時間 | 各回30分(+宿題) |
| 宿題 | 触ってみた内容や改善案をドキュメントをまとめる |
| 講師 | 社内でAIを積極的にキャッチアップしているメンバー |
| 教材 | 社内ドキュメントにまとめる |
| 頻度 | 隔週開催(2週間に1回) |
目的・ゴール
- 目的
- 全社員がAIを業務の中で活用し、生産性向上・業務改善を自走できる状態をつくること
- 職種を問わず、AIに関する共通言語(基礎知識)を持つこと
- ゴール
- 勉強会が終了した段階で、以下の3つの状態を目指しました
- AIの基礎理解、ツールの習得、業務への適用
- 勉強会が終了した段階で、以下の3つの状態を目指しました
勉強会の構成(8回)
-
AIの基礎概念を理解しよう
- キックオフ
- AIの基礎概念と最新動向
- 用語整理(AIモデル / エージェント / MCP / Gemini / Cursor etc.)
-
Geminiを使ってみよう(説明会)
- プロンプトの基本と改善方法
- Geminiを使った文章生成・リサーチ活用・動画/画像生成
-
Geminiを業務改善に活かしてみよう(発表会)
- Geminiを使って、どんな業務改善を行なったか発表する
-
Cursorを使ってみよう(説明会)
- Cursorの基本操作
- ドキュメント生成、GASのコード生成 etc
-
Cursorを業務改善に活かしてみよう(発表会)
- Cursor を使って、どんな業務改善を行なったか発表する
-
Cursor × MCP を使ってみよう(説明会)
- MCPの設定方法
- CursorとMCPを組み合わせた活用例
-
Cursor × MCP を業務改善に活かしてみよう(発表会)
- Cursor × MCP を使って、どんな業務改善を行なったか発表する
-
AIで自走できるチームになろう!
- 勉強会 総まとめ
- 業務改善・生産性向上の方法 について
企画時に意識したこと
○ 社内で使えるツールを優先する
AI活用を社内に広く浸透させるためには、「すぐに使える環境が整っていること」が重要だと思います。
「より性能が高いから」「有料のほうが便利だから」という理由だけで、全社員に特定のAIツールを強制的に使わせるのは、勉強会としては過剰だと思い、環境面のハードルを下げ、誰でも参加しやすい状態をつくることを優先しました。
そのため、今回の勉強会では、
- グループで契約しておりすでに利用可能だった Gemini
- 無料プランでも十分に活用でき、MCPとの連携が比較的簡単な Cursor
といった、社内で無理なく利用できるツールを中心に構成しています。
○ 勉強会はきっかけを与えるものにする
この勉強会は、AI活用を強制させるつもりではやってないです。
「AIで何ができるのかを知るきっかけ」を提供する場として設計しました。
まずは、エージェント・MCPなどの概念を理解し、ツール(Gemini, Cursor)の使い方を理解し、「業務のどこにAIを組み込めそうか?」と考える土台をつくることを目的としています。
AIを使う必要性を押しつけるのではなく、自然と興味が生まれる状態を目指しています。
○ 宿題をやってもらう
勉強会では毎回、小さな宿題を設定しました。
とはいえ、日々の業務に負担がかかりすぎないよう、「触ってみて、簡単に感想をまとめる程度」の難易度にしています。
宿題の目的は、ツールの定着そのものよりも、まず手を動かしてAIに触れるきっかけをつくることにあります。
AIは「聞いたことはあるけど、触るきっかけがない」という人が多かったので、 “体験する場” を作ることが重要だと考えました。
また、触ってみて気づいたことをアウトプットしてもらうことで、自然とナレッジが共有されることも期待しています。
まとめ
今回のAI勉強会を通じて、全社員が同じツールを扱い、同じ概念を理解し、同じ体験を共有することで、組織全体としてのAIリテラシーが底上げできたと思います。
ただ、AI周りはアップデートも早く、一度学べば終わりにはなりません。
継続的に知識をアップデートし、学び続ける必要があります。
そのため、これからもいろんな取り組みを進めていこうと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
普段はデザインやフロントエンドを中心にQiitaに記事を投稿しているので、ぜひQiitaのフォローとX(Twitter)のフォローをお願いします。